あまりに残酷な結果
「ふわぁ〜でっかい神殿だなぁ〜」
「ふふ、そうねぇ」
とうとう今日が魔法適性検査の日だ、この一週間ミリアちゃんと一緒にドキドキしながら待っていた。
この神殿で司教に検査してもらい、そこから自分の将来を決めていくのだ。
流石にミリアちゃんも緊張しているのか、さっきから黙ってキョロキョロしている。
「わたしねえさまといっしょにゆうしゃになる!!」
んー、黙ってると思ったら、そんなことを考えていたのか...でもねミリアちゃん、お姉ちゃん勇者には、なりたくないのだよ...私はミリアちゃんのことを暖かい目で見守っておくから私を巻き込まないで欲しいです…
「ミリアは勇者になりたいの?」
「ちがうよ?」
ん?ミリアちゃん今勇者になるって言ってたよね?気が変わるの早いね....まぁ勇者になりたくないのなら私は巻き込まれそうにないし有難い…
「私は姉さまと一緒になりたいの、誰にも取られないように」
お、おう...懐いてくれてるのは嬉しいけども...
ていうか今ミリアちゃん凄い流暢に早口で喋らなかった?
お姉ちゃん今のミリアちゃんの笑顔が凄く怖く感じるんだけど…あと一緒になるって勇者のことだよね?
「ミリアはお姉ちゃん大好きなのね」
「うん!だいすき!!」
あ、元に戻った…うーん何故こんなに懐かれたのか...私は普通にしてただけなのになぁ...
あれかな、近所の悪ガキ達から守ってあげたり、変な大人に絡まれてたのを助けたり、寂しそうなときに一緒にお菓子作ろうって誘ったりしたのが悪かったのか。
前二つはともかく最後は普通の事だろう…そんな依存するようなことはしていないような気がするんだけど...まぁこればっかりは本人にしかわからないこともあるのだろう。
「もうすぐ順番が回ってくるね!」
「そうね、終わったらお祝いしないとねぇ」
お母さんは私達に特異魔法が出るのを確信しているかのように言う、まぁ勇者と聖女の娘だからな、常識的に見て特異魔法の一つや二つでてもおかしくはないだろう。
「次の方どうぞ」
呼ばれたようだ、この髭がもじゃもじゃの白髪のおじいちゃんが司教のようだ。確かによく見れば何処か威厳があるオーラが出ている。
「貴方達は勇者の娘さんでしたかな」
「はい!」
「これはかなり期待が出来るかもしれませんね…」
おおう...どいつもこいつもプレッシャーをかけてきやがるぜ…周囲の目もあの勇者の娘だって!?って感じになってるし…まぁいいだろう…私の才能を思い知れ!
「ではカンナ様から...」
そう言って司教様は私の頭に手を置いてくる、すると司教の手から暖かい光が出始めた、どうやらこれで魔法適性を検査しているらしい。
「こ、これは...!」
司教様が驚愕したかのように目を見開いている、そんなに凄い結果だったのだろうか…当たり前だけどな!勇者の娘だし!周りも、おお!!という顔をしていると司教様が意を決するように口を開いた。
「よく聞いてください…カンナ様の魔法を使う才能はゼロに近いです...」
.....は?