武闘大会 決勝戦
「二人とも試合頑張ってくださいね!」
「うん、頑張るよ、勝てるかわかんないけど」
「ボクも負ける気は無いからね」
懐潜れば案外余裕だと思ってた自分にジャーマンスープレックス決めたい...くそぅ...まぁいい...タダでは負けんよ!絶対吠え面かかせてやる!
とか思ってた時期が私にもありました。
「ほらほらぁ!しっかり避けないと、大怪我するよぉ!」
「うわぁぁああああん!!ちょっとは加減してよぉ!!」
何で隕石降ってくるんですかね…リーンさん...何魔法!?何属性!?というか何者だよ、リーン...
「あぁ...本当にカンナはいい表情するなぁ…もっと見せてぇ...」
ヒッ...何か恍惚な表情浮かべてる!ヤベーやつだ!リーンがトリップしてるよぉ!そんなに私をいじめて楽しいですか、そーですか。
「まあ、当たらないように設定してるから大丈夫だよ?」
「何だよ!怖がって損したじゃん!何だったの!?今の時間!?」
「そりゃあカンナの怖がってる姿を見るのが楽しいから...」
「知ってたよ、バーカ!」
何で決勝なのにこんなグダグダ何ですかね…いや、リーンは油断してる。今なら行けるかもしれない!
「リーン」
「何だい?」
「本気で、いくから」
「うん、かかってきなよ」
その言葉が言い終わらないところで私はリーンの懐に入った、いける!誰もがそう思った。しかし、
「まだ足りないよカンナ」
アッパー気味に打ったボディは片手で払われた。
「その赤いやつを強化魔法と認識してる限りは、カンナはボクには勝てない」
そう言って、リーンは私を投げ飛ばした。何が言いたいんだ?
相変わらず投げる力は全くこもっておらず、私はリーンから距離を取られただけだった。
「何で思い切り叩きつけなかったの?」
「ボクは積極的にカンナを傷つけるつもりは無いからね、ここは実力差を見せつけて降参してもらおうかと」
へー、リーンはそんなこと考えていたのか。
「おい」
「ん?」
私はまたリーンに飛びかかった、投げられる、しかし、投げられる瞬間リーンの服を掴み、右手で技もクソも無く、ただ殴った。
「危ない危ない」
リーンは簡単にそれも掴み、そして、服を掴んだ手も引き剥がし、また投げた。これも威力はほとんど無いので私はすぐ立ち上がった。
「ふざけるなよ、リーン!」
「え、どうしたの?カンナ、そんなに怒って」
本当に何故怒ってるか分からない、という顔だ。だが今回ばかりは大好きなリーンでも許せそうにない。これは、私に対する完全なる侮辱だ。
「何故私に攻撃しない!」
「だって...カンナのこと傷つけたくないから...けどわざと負けるわけにいかないし…」
「ぐっ...そういうのが一番嫌だよ!普通に戦って!」
そういう顔するのはずるい、やめて欲しい、リーンに半分依存しているような今の状態では、そういう言葉を言われると反論しづらい。
「わかった...」
どうやらわかってくれたようだ、その言葉を聞き、構えた瞬間だった。
「できるだけ傷つけずに倒すよ」
リーンは私の目の前に来ていた、まずい!そう思った瞬間。
「グハッ!」
鳩尾に凄まじい衝撃をくらい、私は崩れ落ちそうになった。しかし、気合で耐え、その場を離脱する。しかし
「逃がさないよ」
リーンがまた急接近してきた、今度は二本指を立て、私の右腕と左足を突いた。
「!?」
「動かせないだろう?孔を突いたからね、この試合中は君の右腕と左足は動かないよ」
何だその技は、何処かで聞いたことあるぞ。
というか本当に動かない、どうしたものか…
「棄権しなよ、ボクもカンナをこれ以上傷つけたくないからね」
だが、リーンは一つだけ誤解している、私はリーンが思っているほど、か弱くない。
私は、右̀腕̀と̀左̀足̀が̀動̀か̀な̀い̀程̀度̀で̀諦めるような女ではないのだ。
「フフッ...フフッ...フッ...」
「カンナ?」
「アハッ、アハハハハ!ハッハッハッハ!!」
「な、何?ボク殴りすぎちゃった?ゴメンよ...」
「まだ...」
「え?」
「まだ残ってる」
「何のこ」
「頭も、左手も、右足も、胴体も、そして、戦う意志も!!」
「!!」
立ち上がる、元より自分はそれしかできない、倒されたなら立ち上がる、才能が無いなら無いで、それを受け止め戦わなければならない。
「たとえ、首一つになろうとも私は闘う、勝つまで闘い続ける」
「.....なら、気絶させるまでだよ」
そう言って、リーンは手刀の構えをとる、当身をする気だ。確かにリーンは速い、それも恐らく、この世界でもトップレベルだろう。
だが、当たる瞬間はどれだけ速くても相手は無防備になる。
肉を切らせて骨を断つ、いや、骨を砕かせて相手の魂に刻み込んでやる!私の覚悟を!
リーンが踏み込む、集中力が最大にまで極まった私はリーンが踏み込んだその瞬間まで捉えていた、だが、次の瞬間には見えなくなった。来る!そう思った私は歯を食いしばり、後頭部に力をいれる、絶対に意識を失わぬよう、相手を見失わぬよう!
「終わりだよ、カンナ」
ああ、終わりだ。
お前がな
後頭部に衝撃、意識が一瞬飛びかける。しかし、全力で踏みとどまる、そして、掴̀ん̀だ̀。憧れの、大好きな人の袖を。
「なっ...」
「頭痛い...本当に強いよリーンは...けど、今回は私が勝つ」
私は限界まで力を溜める、赤いオーラが脈動し、また形を変える、右手にのみ集まり、形が変化したそれは、まるで鬼の手のようになる。
「ああ...本当にカンナ...君は最高だよ...大好き...」
「私もだよ…リーン」
そして、それを受けたリーンは満足そうな表情で場外まで吹っ飛び気絶した。
「勝者、カムイ!!優勝はカムイ選手だぁあ!!」
あ、そういえば偽名使ってたな、なんて場違いなことを考えながら私も意識を落とした。
かなり改変したり改行したりしました。
見やすくなっていると思います。大元のストーリーは変わらないのでご安心ください。




