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武闘大会 準決勝 二回戦目

闘技場に、二人の少女が互いのことを見ていた、いや、互いのことしか見ていなかった。

そして、どちらもその目を怒りの炎で燃え上がらせている。

片方は最愛の姉を取り返すため、片方は最愛の人をこれからも愛し続けるため。



「貴様は殺さない」




「へぇ...案外優しいんだね」




「違う...殺すだけでは私の気が済まないからなぁ!!」




凄まじい殺気と怒気がミリアから放たれる。しかし、リーンは動じない、それどころか冷たい目でミリアを見下している。




「試合前からうるさいね…まるで発情した猿だ...」




「なら、お前はカンナお姉様に群がるハエだな」





どちらも最愛を守りたいという願いは同じ筈だと言うのに、何故。だが、二人はわかっていた。






「「本当にお前は気に入らない」」






理由はそれだけだ、同族嫌悪、どちらも最愛を独占したいという想い。仲良くなる筈が無かった。





「そ、それでは決勝戦 第二回戦 はじめぇ!!」





「消えろぉ!!」





最初に仕掛けたのはミリアだ、水魔法を限界まで細くし、レーザーのように飛ばす。





「甘い」





リーンはそれを見てからかわし、ミリアの懐まで走った。あと一歩踏み込んだらリーンの攻撃が当たる。





「甘いのはそっちだ!」





しかし、ミリアは逆にリーンに突っ込み、右ストレートを放った、しかし






「ぐっ...」






それを予想してたかのようなカウンターがミリアに決まる、立て直すようにミリアが後ろに飛ぶ。





「やるな…」





「君は弱いけどね」





「減らず口を!!」




激昴したミリアの雰囲気が変わる、どうやら今までは半殺しにする為に手加減していたようだ。




「貴様も知ってるだろう…私の特異魔法を!」





「あぁ...確か破壊と創造だったっけ?」





「そうだ!お前をこの魔法で殺す!せいぜい地獄で後悔しろ!」




「哀れだなぁ…」




「何だと...!」




「魔̀法̀如̀き̀でボクがどうにかなると思ってるなんて本当に君は哀れだな」




「もういい...消え失せろ!」





「この世の中には魔法だけじゃ到底太刀打ちできない存在も居るのさ、例えば、ボクとかね」





破壊の魔法がリーンに襲いかかる、だが、リーンは動かない、動けない訳ではない、動く必要などない、と言わんばかりの態度で、






「バイバイ」





そういった瞬間、破壊の魔法がまるでそこに何も無かったかのように消え失せた。これには会場の客もミリアも唖然としている。今まで生涯で耐えた敵などいない攻撃が、あんな細いエルフに塞がれたのだ。





「確かにボクは最初はカンナを情欲や独占欲やらで攫ったけどね、今は少し事情が違うんだ、ボクが普通と違うように、カンナも普̀通̀の̀人̀間̀と̀は̀違̀う̀、だから保護しなきゃダメだ、他ならないボクがね、あと、カンナを君達勇者の一族のとこに置きたくないのも理由の一つかな」





そうリーンはミリアに告げた、それは余りに自分勝手でリーンの都合でしか行動していなかったが、カンナを想っての行動ではあるのだろう、その目は優しさと力強さに溢れていた。





「お前の都合でカンナお姉様を私達家族から奪うつもりか…!」





「まぁそういうことだね」





「ふざけるなぁあぁあ!!」





何回も何回もミリアは破壊の魔法を放つ、その度にリーンに打ち消され、ミリアは魔力が切れてきた。





「別に二度と会えない訳じゃないよ、要は君がボクより強くなってカンナを守れるようになれればいいだけだ、簡単だろう?」





当たり前のことを言うようにリーンは言った、だがミリアは聞いていない、魔力切れで頭が働かないのと、あまりの怒りで我を忘れていたからだ。






「ぐぅう...ぁぁあ...クソ...エルフ...」





「だから強くなりなよ、別にボクも今の状況が正しいとも思わないし、まあカンナが一緒に居たいって言ってくれたら別だけどね、ウェへへへへ...」





気持ち悪い笑みを浮かべながらリーンは言う、だがミリアはまだ諦めてはいなかった。集中し、身体中から魔力をかき集める、そして油断したリーンを見つめ、





「創造」





と唱えた





「何を...」





瞬間、リーンの立っている地面が変質し、剣山のようになる、ミリアは思った、勝った!と、しかし、リーンはミリアの上を行った





「危なっ!」





このエルフ、剣山を、空を蹴ることで回避し、その剣山の上に立ったのだ、そのリーンの様子を見たミリアは悔しさと怒りを抱きながら意識を落とした。

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