もうすぐ魔法適性検査
「ねえさま〜」
私の名前はカンナ!ピチピチの五歳児だよ!
...はい、この世界に来て五年が経ちました。
特筆すべきことは何̀も̀無いけど、今、私に擦り寄ってきてる双子の妹のミリアちゃんのお陰で、だいぶ充実した生活を送れてるよ!!
「どうしたの?ミリアちゃん」
「えっとね〜...ねえさまだいすき!」
ぁあ〜かわいい!天使だわ…天使がここにおるわぁ!この大天使ミリアちゃんは、何故か私に懐いている、まだ子供だし、お姉ちゃんと一緒にいたい気持ちが強いのかな、ぐらいに思ってる。たまに私の脱いだ後の服を凄いクンカクンカしてたりするけど...大丈夫だろう!!
「そういえばカンナとミリアも、もうすぐ魔法適性検査ねぇ」
魔法適性検査...ここで、私のこれからの人生が決まる...親は、幸い勇者の義務を押し付ける気はないみたいだし、わりとプレッシャーはないんだけど…両親以外からの目がなぁ…民衆は勇者の娘が産まれたということで、かなり私達双子にかなり期待している、そこで、ゴミステータスを出してしまったら民衆からの失望と嘲笑は避けられないだろう。それだけは避けたい。
「私、凄い魔法使えるといいな」
「わたしもつかうー!」
「カンナとミリアなら大丈夫よ」
そうだといいんだけどね…私としては、特異魔法に適性があればいいんだけど…この世界には、基本五属性の火、水、土、風、無の五種類と、特異魔法といって、その人特有の魔法がある、基本五属性は、適性が無くとも使えるらしいが、特異魔法は、精霊魔法や次元魔法など、魔法適性が高いものに稀に現れる、使う者が少ない魔法らしい。そもそも適性を見ると言っても、何が得意か、どんな規模の魔法を使えるかを見るぐらいなのでそんな身構える必要も無いだろう。
「あと一週間後だからたのしみねぇ」
「うん!」
...っと、考えすぎで母の話を聞き逃すとこだった、あと一週間か...どんな結果になるか楽しみだなぁ…
「そういえばお母さんは何属性に適性があるの?」
「私は水と光属性と特異魔法の回復魔法よ、一応聖女やってるから回復魔法は使えないといけないからね」
おぉ...ザ・聖女って感じの適性だなぁ…お父さんも聖女を誑し込むとはやるなぁ…
「ちなみにお父さんは?」
「お父さんは全属性に最高値の適性があって特異魔法の雷と神聖魔法があるわ」
なにそれぇ...チートですやん…特異魔法二つとか...というか光魔法と神聖魔法って何が違うんだ...?
「光魔法は自分の魔力を聖なる力に変えて相手を倒す魔法で神聖魔法は神様から神聖な魔力を借りてきて使̀う̀魔法なのよ」
ええ...神から借りてくるとかスケールが...うちの父親ほんとに人間ですか?まぁここまでチートじゃなくても別にいいや...普通に冒険者とか出来て、世界を旅できる程度の力があれば充分かな…
「ミリアもとくいまほうつかう〜!!」
ていうかそんな父と母と血が繋がってる訳なんだから、私達が魔法適性が低いなんてこともないだろう…きっとミリアちゃんも使えるんだろうな...そうなったら…
『姉さん、貴方は私より弱いのでこの家にいる資格はありません』
『そ、そんなぁ...ミリア、ミリアァアア!!』
うわぁぁぁ!最悪だぁ!ミリアちゃんは、そんな事しないよね...?お姉ちゃんが妹より弱いからって見下したりしないよね…?凄い不安になってきたんだけど...ま、まぁこの家で一番ミリアちゃんに懐かれてるのは私だし問題ないだろう!そう思いたい!!
「そういえば最近魔法適性が極端に低い子は見なくなったわね〜、私の頃は四、五人は居たんだけど」
「魔法適性が低いとどうなるの?」
「そういう子は外に魔法を出すことができない子と、元から完全に才能がない子に別れるの、まだ外に出すことができない子には希望があるんだけど…」
へぇー、まぁ私には関係の無い話かな…この両親の子供に産まれてきて魔法適性が低かったらむしろ何処の家に産まれても無理だろ...
そう考えていた時期が私にもありました。