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隣の北の鱗魔王様  作者: 尾黒
追記
23/23

領地で有名な菓子店には、魔王様とその腹心がよく来るらしい

 


 つい何日くらい前か、魔王様がうちの店に来てくだすってねぇ。


 魔王様ったら、ほら、この間のあれでもっと人気者になられたから、うちの店になんてもう来てくださることもないかもねぇなんて旦那と話してたんだけど。

 ふらっといらっしゃって、「調子はどうだ」なんて言ってくださって。

 まんじゅうの売れ行きはどうだ、とか、新商品はどうする、とか、まあ店のことも心配して色々聞いてくださってねぇ……。

 本当に優しくて、いい魔王様だよ。

 うちの旦那なんて、魔王様に新商品のご紹介をしてくるーって、張り切って魔王城まで出かけてった日だったもんだからさぁ。

 帰ってきて魔王様のお話をしたら、本当に悔しそうにそのあたりでごろごろ転がって拗ねちまってねぇ。

 仕方なくあの人の好きな茶葉でお茶いれて、またいらしてくれるよ、なんてなだめすかしたって訳だよ。

 いやぁ、本当に大変なもんだよ。

 ああ、そうそう。

 次の日には『右』ちゃんが来てくれて、新商品の感想を旦那に熱く伝えてくれたもんだから、まあ、その日の旦那はご機嫌でご機嫌で。

 昔っから『右』ちゃんのことはかわいがっていたからね、嬉しかったみたいだよ。

『右』ちゃんもね、魔王様のもとで偉い役職について忙しくしているんだろうに、うちにも昔と変わらず顔を出してくれるから……、ああ、そうだよ、『右』ちゃんはうちの旦那の妹の息子で、よくうちの店に来ちゃぁお菓子をねだっていたもんだよ。懐かしいねぇ。


 新商品は、ほら、これこれ。

 魔王様の尾びれを模ったまんじゅうさ。一つ食べてみるかい?


 end

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