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「サカモト」



朝、いつもと同じBGMで目が覚める。



腹が減ったので昨日の昼の残りの米に、マヨネーズをぶっかけたお馴染みの朝飯を無機質に口に放り込んだ。



もう少し工夫すればこれよりはまだましな飯を食えるのだろうが、そんなことをする気力も無くなった自分を虚しく感じることさえ今は少なくなった。



この米とマヨネーズさえ今は自分の力では手に入れられない。



妹の清華、父の代から一緒に暮らしてきた弟同然の元秘書、大槻勇。



この2人の援助で今はこの六畳一間の我が城でなんとか暮らせている。



犯罪者とまではいかないが、失脚して国民から凶悪犯罪者以上に嫌われているこの俺には、働き口どころか、街を顔を晒して散歩する自由さえも残されてはいなかった。






俺、坂本江は当時最大野党の党首として「彼」と対峙した。


勝ち目の薄い戦いに辟易して、落選したらしたで地主として妹や弟同然の秘書と地元の事業を継いで細々と暮らそう。



国民の皆々様には申し訳ないがそれぐらいの感覚で、死んだ親父と健在な母親への義理立てでしかなかったのだが、


あの時の旧友との再会がなければ、あの時「彼」がもう少しだけ巧妙な不正をおこなってくれていれば、「彼」がもう少しだけ信用できる部下に大事を託していれば、俺の今のこの不幸はなかっただろう。






「悪友」とでも呼ぶのが適切なのだろうか。



自分にも中学校からの悪友が4人いる。



今から考えるといいとこのボンボンが多くて気が合ったのだと思うが、


当時はクラスどころか学校も違う5人に運命めいたものを勝手に感じていた。



数年前まではガキくさく感じたが、今になって思えば良くも悪くも運命は絡んでいたのだろう。



現状は悪い方向でしかないのだが。

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