ミス・オーマイ・ミス
深い眠りから覚めた。ような気がする……。
今、俺がいるところはどこなんだ?
とても暗くてジメジメとしたお城のようなところにいる。
どこまで続いているのかわからないほどに長い廊下に、いくつあるのか数え切れないほどの部屋の数。
とりあえず歩いて見ようと体を起こすと、俺の目線は三メートルをゆうに越していた。
「うわ、何だ」
目線に驚く暇もなく、次に驚いたのは自分の手だった。暗い城の中でも一際の暗さを有している皮膚に、鉄板なども貫けそうな鋭い爪。間違いない、やっぱり俺はラスボスになってしまったのだ。
最悪だ、こんな時に限ってゲームクリアするまで辞められないモードにしてしまった。
さっきの自分を恨むしかない。
そんな時、長く続く廊下の奥から何かが近づいてくるのを感じた。
俺は固唾を飲みながら、その正体の判明を待つ。
だんだんと近づいてくると共に、その何かは今の自分と同じ規格外の大きさをしていることがわかった。さらにバサッバサッと言う羽の音が聞こえてくる。
薄暗い廊下からやっと見えた正体はコウモリと人間のハーフのような怪物だった。
怖い。とは思わなかった。きっとラスボスとしてこのゲームをプレイしているから敵側のキャラクターは怖いと感じないようになっているのだろう。
「魔王様、わたくしアージェンタム。ただ今戻りました」
このコウモリもどきはアージェンタムというらしい。そして俺は魔王と呼ばれているらしい。
「そうか、ご苦労」
どうすればいいかわからないが、とりあえず俺の中の魔王像に従って会話をしてみる。
「それと魔王様、こちら約束通り連れ去ってきました。ミドレ王国の姫、ミスカンドラです。キーキッキー」
気味の悪い笑い声を上げながら差し出してきたのは、儚いという言葉が一番似合う、触れたら壊れてしまいそうな美しさを持っている女の人だった。
「ほう、其方がミドレ王国の姫、ミスカンドラか」
まだ言い慣れていない魔王の話し方に少し恥ずかしさも覚えつつも、何とかストーリーを進行させる。
「あなたが魔王デビラスタね。こんな風に私を攫ってもあなた達の思い通りにはならないわよ。きっとミドレ王国の勇者達があなたを倒してみせるわ」
自分の名前がデビラスタだという発見よりも、こんな綺麗な姫に信頼されている勇者はいいなーと思った。
「お前、何魔王様に楯突いてる。こっちへ来い」
アージェンタムは姫を地下牢へと連れて行った。
戻ってきたアージェンタムに俺は問うたみた。
「なぁアージェンタム、私はどうなりたいと思う」
「それは魔王様、いつもいってるじゃないですか世界征服って。そのための一歩としてミドレ王国の姫と結婚するために攫ってきたんですから」
「えっ」
「どうされました?」
「あっいやー何でもない」
まさか、俺が姫と結婚するなんて




