《Re:第3章 第1話 桜木新、覚醒》
春の風が、再び校門をくぐる。
桜木新は、目を覚ました。
そこは、見慣れたはずの教室だった。
だが何かが違う。
窓の外の桜は、あり得ないほど鮮やかで、まるで時間を止めて咲き誇っているように見えた。
——昨日、誰かが名前を呼んでいた。
——その声が、まだ耳の奥で響いている。
黒板には、いつも通り「新学期」と書かれている。
けれど教室の隅に置かれた古いピアノが、微かに音を鳴らした。
『守って——桜魂を。』
その声に、新は心臓を掴まれたように振り返る。
誰もいない。
だがピアノの上に、一枚の譜面が置かれていた。
「……これ、昨日の夢と同じ……?」
譜面には、見たことのない記号が並んでいた。
音符が脈打つように光り、そこから桜色の粒が空気に溶けていく。
——カッ……。
一瞬、視界が反転した。
次の瞬間、教室の風景が歪み、
桜の花弁が時間を遡るように逆流していく。
「な、何だこれ……!」
視界の奥に、少女の姿が見えた。
ひより。
彼女は微笑みながら、指先で光を描いていた。
『見つけて、新くん。桜魂は“形”じゃなく“繋がり”の中にあるの。』
「……繋がり……?」
ひよりの姿は消えた。
だが彼の掌には、淡く光る紋様が浮かんでいた。
“桜魂”の継承印。
同時に、教室全体が桜色の光に包まれる。
風が吹き抜け、窓が開き、外の世界へと導くように道が開かれた。
「行け、ってことか……」
新は深呼吸し、立ち上がる。
胸の奥




