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俺のフラれる動画がバズったら、他校で有名な美少女たちが殺到しました  作者: 本町かまくら


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第48話 恋の終わり


 ※大沢美琴視点



 ベッドに寝転がり、天井を見上げる。


 私の心中は全く穏やかじゃなくて、常にざわついていた。

 まだ葉月と連絡が取れない。

 葉月だけじゃなくて敦也も、由美も音信不通。


 絶対に三人に何かあったに違いない。

 それが何かは全くわからないけど、音信不通になるくらいの事態が起きてることは間違いなかった。


「葉月……」


 もうすぐ停学になって一か月。

 その間ちゃんと家にいたから葉月に会えていない。

 

 私はとにかく、葉月に会いたかった。

 会えない時間が気持ちを大きくさせると言うけど、それは本当だ。

 私は停学になる前よりもずっと、葉月のことが好きだった。


「会いたいよ……」


 実は他の三人に内緒で、二人で出かける約束もしていた。

 これまで五人で遊びに行くことはあったが、二人は初めて。

 正直かなりのチャンスだし、付き合えるかもしれないと思ってる。


「あの葉月と……フフフ」


 ようやく私と釣り合うレベルの男が現れてくれた。

 葉月なら私に申し分ない。

 胸を張って、私の彼氏だって自慢してあげられる。


 ……なのに。

 停学になったせいでこんなに期間が空いてしまった。

 改めて、この停学が許せない。


「クソ陰キャが……」


 全部全部、水樹と雪宮のせいだ。 

 あの二人が私から貴重な一か月を奪い去った。

 

 今あの二人が一緒にいるかわかんないけど、必ず報復してやる。

 私とアイツらじゃナリ高での立場が違うんだし。

 それをフルに使って、今度こそ後悔させてやる……!



 ――ピコン。



 スマホが振動する。 

 見てみると寛人がグループにURLを送ったようで、そのURLをタップした。



『あっ、んんぅっ! いいよぉ……もっとぉ……』


『オラオラァ! もっと声出せェ!』


『由美、こっちもして』


『もうぅ……しょうがないなぁ』



「……は?」


 頭が真っ白になる。

 意味が分からない。

 何この動画。は?


「……意味、わかんないんだけど」


 そう呟きながらも、徐々に状況が理解できてくる。

 この動画に映ってるのは由美と敦也、そして葉月で。

 

 その三人がナリ高の踊り場で……ヤッてる?

 

「…………は?」


 もっと意味が分からない。

 なんでこの三人がヤッてんの?

 そもそも、なんでこんな動画が拡散されてんの?


 ってか葉月いるじゃん。

 葉月が、由美に……。

 は? 意味わかんない。

 なんで葉月が由美と? は? は?


「はぁ⁉⁉⁉」


 頭に血が上ってくる。

 なにこれ!

 なんで私の葉月が由美とヤッてるわけ⁉


 私でさえまだ葉月とできてないのに、由美が先⁉

 はぁ⁉


「ふざけんな……ふざけんなッ!!!!」


 何してんのあのクソビッチ!

 私の葉月に手出して……信じられない!

 ありえない!


 私が葉月のこと好きなの知ってるよね⁉

 なのになんで葉月に手出してんの⁉

 マジありえないんだけど!


「クソビッチが……!!!」


 慌てて電話をかける。

 既読はついてる。

 だから繋がるはずだ。


 ――しかし。


「どうして出ないの……!!!!」


 葉月も電話に出てくれない。敦也はどうでもいい。

 

 ってか、葉月も葉月だ。

 なんで由美なんか抱いたわけ⁉


 由美抱くくらいなら私抱いた方がいいでしょ!

 絶対私の方が可愛いんだからさ!

 

「ふざけんな……!!!」


 今度は確実に繋がるだろう寛人に電話をかける。

 するとすぐに繋がった。


「なにあれ! どういうことなの⁉」


『お、落ち着けって美琴! 俺もよくわかんなくてさ、三人に連絡してるけど繋がんなくて……』


「マジありえないんだけど!! ほんとキモイ! マジでキモイ!!!」


『美琴⁉ ひとまず落ち着k――』


「クッ!!!!」


 電話を切り、スマホを床に投げ捨てる。

 画面が割れ、地面を転がっていくスマホ。


「あぁああああああああああああああああっ!!!!」

 

 私は髪をかきむしり、行き場のない怒りに心を焼かれていた。

 

 葉月が好きだったのに。

 ずっと好きだったのに。


 なのにあんな、男に性欲処理に使われるだけの、可愛くもない女と先にヤるなんて……ほんとに信じられない。

 正直、葉月に失望していた。


 だってそうだ。

 私じゃなくてあんな女を抱くなんて、気が知れない。

 私の好きな葉月は、そんな安い男じゃなかった。


 もう私とは釣り合わない。

 それが悲しくて、許せない。


 そしてあのクソ女。

 前から見境ないなと思ってたし、倫理感とかなんもわかんない大馬鹿野郎だとは思ってたけど、まさかここまでとは思ってなかった。


 でも、由美なんて葉月といるために作られたグループのモブって認識だし。

 もうどうだっていい。

 あんな女――二度とかかわってなんかやらない。


「っ……!!!!!!!!!」


 そう頭で考えて、落ち着かせようとしても何も解決されない。

 色んな苛立ちが混ざり合ってほどけないようになってる。

 どうすればいいのかわからない。


 ただ一つ分かることは、私たちのグループはもう終わったということ。

 二度と仲良くなんてできない。

 

 ――いや、最初から仲良くなんてなかったんだよ、あんな馬鹿どもと。


「ッ!!!! うわぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!!!」


 クソ、クソクソクソクソクソ!!!!!


 なんで私がこんな目に遭わなきゃいけないの⁉

 私が……この私が!!!!



「あぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッ!!!!!!!!!!!!!」





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(三人と同じグループのため学内カーストがエラいことになってます)
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