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第61話 エミネルの花

木々をかき分けて周りを見渡す。

イレイスさん達が戦っている方向から爆発音がしている。

(急がないと)

イレイスさん達が相手を足止めしている間に早くエミネルのは花を見つけないと行けない。

半年以上前に見た花が出す光を目印に森を駆け回る。

「うわぁ」

足に木の根が引っかかり倒れそうになるのを抑えて走り出す。今この瞬間もイレイスさん達は一生懸命に戦っている。

時々魔物と遭遇するが見たらすぐに魔法を使って攻撃をしているため襲われることはない。

それを繰り返しながら森の中を走っていると遠くに光が少し見えた。

「急がないと!」

さっきよりも速く光っている方に走り出す。

魔物も見つけても無視をして逃げ切る。とにかく早くイレイスさん達のところにエミネルの花を持っていかなければ。

「はぁはぁ......あった」

目の前には光っている白い花があった。一本しか生えていないが問題はないだろう。

「よし、はやく......」

「うがぁぁぁぁぁ」

エミネルの花を抜こうとした瞬間背後から雄叫びが聞こえてきた。反射的に横に跳ぶと、隣に鋭い爪が振り下ろされた。

「あ、危なかった......」

爪が振り下ろされた方の腕を見てみると服が破けており血が出ていた。少しでも避けるのが遅れていたら腕が裂けていたかもしれない。

「こいつは確か......フラベアーか」

ブラベアー。普通のクマよりも2倍ほどの大きさをしており凶暴性も高い。ランク2の下位ほどの実力を持ちパーティーでの討伐が推奨されている。イレイスさん達とダンジョンに向かう最中に一度会ったがその時は特に困ることはなかった。でも今回は違う

「1人でこいつをか......」

昔より強くなったとはいえブラベアーを1人で討伐するのは厳しいだろう。エミネルの花だけ取って逃げるか。いや、ここでもし逃げても追いつかれてしまったら戦いになる。最悪の場合、イレイスさん達のところまで連れて行ってしまう可能性もある。ならやるべきことは一つだ。

「強化魔法」

イレイスさんもシルフも命懸けで戦っているんだ。なら僕も命を賭ける必要がある。勝てる自信はないがやるしかない。

「うがぁぁぁぁ」

「うお!」

奴の爪がまた僕を目掛けて振り下ろされた。さっきよりも速く振り下ろされた爪を避けると地面に大きな爪痕を残した。さっきよりも威力も上がっている。相手も僕を殺す気だ。

「回復魔法」

血の出ている腕に手をかざして回復魔法を使い傷を治す。まだ魔力は余裕がある。

右手に力を込めて石の槍を複数作り、奴に向かって飛ばす。ブラベアーの体は丈夫だ。だから限界まで鋭く、固くして飛ばす。

「ぐぁぁぁ」

その石の槍は奴の右腹を当たった。しかし貫くことはできず血を流す程度の傷になった。

「やっぱ首を狙うしかないな」

ブラベアーは近接攻撃が得意だから出来れば遠距離攻撃で倒したい。でも魔法だと威力が足りないからこの剣で首を斬らないといけない。首なら僕の攻撃でも切れるかもしれない。奴の攻撃が当たったら死ぬ可能性はあるがやるしかないだろう。

「うごぉぉぉぉ」 

奴の雄叫びを開始に僕は剣を抜き向かって行った。

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