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第53話 勇者集合

イレイスの奴らが行方不明になってから9ヶ月ほどが経った。王はイレイスを死んだことにして探すのをやめた。似ている顔を見たと言う情報はあるが大体嘘か勘違いだろう。まぁ別に俺には関係ないがな。そんなことより最近俺以外の勇者が何人か死んだか行方不明になっているらしい。俺より弱い奴が多いが勇者は勇者だ。普通の魔物には負けるはずないだろう。

今日はその件について王やその配下。俺以外の4人の勇者が集まった。


「勇者達よ。よく集まった。もう知っていると思うが最近火の勇者と闇の勇者が死んだ。その死体には体の半分が吹き飛んでいた。」

「おいおいまじかよ。一体どんな奴なんだ?」

「落ち着け、風の勇者。王が困っているだろう。」

「すまんすまん。はよ戦いたくてな。」

「別によい。その心意気はありがたいものだ。それで勇者達を殺したのは同一人物であり、人間だ」

「!?」

「人間だと、魔物じゃないのか」

「魔力の種類的に間違いないはずだ。死体を調べたときに人種族特徴の魔力が付着していた。」


......まさか1人の人間の仕業なのか。勇者を殺せるぐらいの人間なんて居るはずがない。もし居るなら情報が来るはずだ。それなのにいきなり最近になって現れたのか。どういうことだ。

「あの.....その人はどこらへんに現れたのですか?」

俺の反対側の席にいる女が口を開いた。こいつは水の勇者だな。この中で唯一転移魔法が使えるので情報収集をよく頼まれている。

「......黒緑の森だ。現在は龍王が住んでいる」

「まさか黒緑の森とは予想外でした。なぜそんな所に人が....」

「それは原因不明だ。水の勇者よ。今回はお前にはその調査をして欲しい。でも今回は今までで1番危険だ。」

「でしょうね。でも私なら大丈夫ですよ。これでも1番な古株ですし、もし何かあったら転移魔法で逃げるので」

そう水の勇者はこの中で1番昔から勇者をやっている。俺と一緒で異世界から来て、転移魔法とかの強力な魔法が使える。王からは1番のお気に入りのようだ。


「分かった。でも死ぬ前に絶対逃げてくれ。お前がいないとこっちが不利になってしまうからな」

「分かっております。王よ。準備をしたいので今回も魔道具を」

「分かっておる。用意しておこう。それでは水の勇者よ任せたぞ」

「はい」

そう言うと水の勇者が席を立ち、扉から出て行った。

でもまだこの会議は終わらないだろうな。これで終わるなら俺達は呼ぶ意味がないからな。

「それで終わりじゃないだろ?」

「そうだ。光の勇者よ。お前達にはそれぞれ仕事がある。この手紙を」

王がそう言った途端、後ろのメイド達が手紙をそれぞれに渡してきた。俺にだけないのは何故だ。

「これはなんです?開けていいです?あれ開かない」

そう言ってメイドに開けてもらっているのは獣の勇者だ。元は人間だが、こっちの世界に来たときの魔力の影響でこうなったらしい。たまに異世界に渡るときに現れるようだ。

「これは、各国の招集願いだ。」

「なんで招集なんだ。俺達を呼ばなけりゃ行けない事が起きてるのか?」

「そうだ。風の勇者よ。それぞれの国で色々あったんだ。簡単に言えば宣戦布告だ。」

「宣戦布告です?それはどこからです?」

「それは龍王からだ。少し前に各国に1人の魔物が現れて貰ったようだ。内容はそれぞれの国に魔物の軍を送るということのようだ。」

「なぜ今になっていきなり?」

「分からん。だが魔王が死んだ今、魔物達が動き出したのだろう。」


魔王が死んでからの間、あの一件以外動きがなかったがこのときのためか。それにしても一体何が目的なんだ。

「それで俺達にそこに行って倒して来いということか。」

「そうだ。みんな行ってくれるか?」

「俺はいいぜ」

「僕もです」

「僕も大丈夫ですよ」

「それなら今から向かってくれ」

こうして獣、光、風の勇者が部屋からいなくなり、俺と王とその配下しかいなくなった。


「......で俺はなんのようだ?」

「時の勇者よ。お前には他の勇者とは違う仕事がある。お前にしてもらう仕事は王都を守ることだ。」

「王都の守りだと......まさか!」

「そのまさかだ。ここにも魔物の軍が来るようだ。だから1番の実力のある時の勇者。お前を呼んだ。」

そう言うことか。それなら俺をここに呼んで最後まで残した理由がわかったぜ。

「最近、俺のパーティーに入った魔術師の力も知りたかったところだ。分かったぜ」

「そう言ってくれるとありがたい。報酬は弾む。任せたぞ」

「おう」

そうして席を立ち、部屋から出た。もう日が落ちており空が暗い。久しぶりの大仕事だ。腕がなるぜ。


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