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第47話 作戦開始

僕達は、イレイスさんのお母さん達と作戦を立てて、さっそく森へ向かった。ファリフェンと戦うのは僕とシルフ、イレイスさんのお母さんとライアさんの4人で向かうことになった。

「シルフ!場所分かるか?」

「大丈夫です!お父様の匂いは覚えています」

「吹き飛ばられちまう〜」

「情けないですよ。ライアさん」

少しでも早く救出するために、シルフには狼になってもらって移動している。作戦のためにはライアさんとお母さんがは必要になる。

「主様、匂いが強くなってきました。後少しです」

「それじゃあ作戦通り頼みました!」

「おう。レンナさんは任せな。お前らもフェルトを助け出してくれ」

「はい!」

戦いの場所から少し離れたところにお母さんとライアさんを待機させておく。ライアさんがお母さんを守りながら魔法の準備をするそうだ。


「!?」

お母さん達をシルフから降ろして、出発しようとすると近くで光の柱が一瞬現れた。

「なんですか!あれ」

「.....フェルトさんの最終奥義だと思います。あれを使ったということはギリギリなんでしょう。急いでください!」

「シルフ!」

「はい!今すぐに」

光の柱が現れた方向に、シルフを全力で走らせる。

シルフにはファリフェンの戦い方については教えてもらった。見えない攻撃がくるそうだが、対処法は考えてある。

「見えました!」

森の中を駆け出していると、砂埃の中で2人の姿が見えた。1人は見覚えのあるお父さんの姿でもう1人は茶色の毛をした屈強なら獣人だった。

「シルフ!頼んだ」

「うがぁぁぁ」

シルフがファリフェンに向かって突進すると魔力の玉が飛んできた。

「防御魔法!」

前方に魔力の壁を作ると、何かが衝突する音が聞こえてヒビができたが見えない攻撃は防げた。

「よし!」

「マジか!うぉ」

シルフがファリフェンを咥えて遠くに投げ飛ばした。

僕はシルフから降りて、お父さんの側に寄る。

「大丈夫ですか!」

「なんでお前らが」

お父さんに回復魔法をかけてみる。しかし予想通り体の傷は治らなかったが多少は魔力は回復しただろう。

「助けにきました!ここからは僕達が戦います」

「お前らだけじゃ....ん?ライアか!お前も来たのか」

多分、今ライアさんの拡散魔法で作戦を伝えているんだろう。

「....うん....うん、分かった。今すぐ向かう。おいイレイスの仲間、お前らを信じるからな。」

「信じてください!僕達もイレイスさんに鍛えられています。お父さんはお母さんのところへ」

「お、お義父さん?!チッ、まぁいい。任せた」

お父さんがポケットから魔道具を取り出し、転送されていった。位置はライアさん達のところだ。


「くっ!」

お父さんがいなくなると同時に銀色の髪が目立つ狼が跳んできた。

「大丈夫ですか!シルフ」

「問題ありません。主様」

シルフが跳んできた方向を見るとファリフェンがこっちに歩いてきていた。

「おいおい!暴君。なんで人間のガキと一緒にいるんだぁ?」

その獣人には今さっきできたと思われる大きな切り傷がついていた。

「うるさい!ファリフェン。私は変わったんだ。お前と違っていい主を見つけれたよ!」

「あぁん?そこのガキが主だと。馬鹿げたもんだな」

ファリフェンが僕に向かって見えない攻撃を繰り出してきた。でも対処法はもう知っているしタイミングもわかる。

「防御魔法!」

右側からくる攻撃を防いで、ファリフェンに向かって火の玉を繰り出す。

「こんなん効かねぇよ!てか暴君、こいつに俺のことを教えたようだな?」

「ふ、それがなんだ。卑怯とでもいうか?」

「別に、これぐらいバレても問題ねぇよ。それよりなんだ?お前らが俺の相手をするのかぁ」

「そうです!僕とシルフでお前なんか十分です」

「シルフ?それが今のお前の名前か。てか俺も舐められたもんだな。ならかかってきな」

ファリフェンが体に身体強化魔法をかける。それに合わせてシルフも同じ魔法をかけて、ファリフェンと向き合った。

「主様、作戦通りに」

「はい。シルフも気をつけてください」

「はい!」

そう言って僕は後ろに下がった。今の所作戦通りだ。

「久しぶりだな!お前と戦うなんて。魔王軍にいたときぶりだな。」

「.....」

「あの頃のお前の惨めな姿、面白かったな!一回も俺に勝ったことないのに、俺と戦うだぁ?ふざけているのか!」

「...ふざけてないさ。今の私ならお前を倒せる。」

「そうかよ。今回はお前を殺すのが目的なんだ。さっさと終わらせようぜ!」

「あぁ!」

2人の姿が一瞬消えて、周りに衝撃波が飛んでくる。

なんて速さなんだ。シルフがここまで全力なのは初めて見た。イレイスさんと戦うときもこんな感じだったのだろうか。

「氷結魔法!」

上空に氷柱を作り出し、シルフに当てないように打ち出す。何発かファリフェンに当たるがダメージはない。リレイさんに簡単な魔法を教わっておいてよかった。

「そんなもんか?ファリフェン!」

「お前こそな!」

2人の攻防を見ながら、僕は出来る限りの魔法を打ち出す。火や水、土に加えて風も。なんでもいいからたくさん魔法を出す。魔力を充満させるんだ。

「水魔...やばい」

魔力を纏った見えない攻撃がとんでくる。周りの魔力が増えると近づくまで気づけない。でもまだ作戦通りだ。

「水魔法」

腕に攻撃が当たって痛いが魔法を出し続ける。魔法を使って、周りに魔力を充満させるのが目的だ。

ファリフェンの攻撃は初見なら対処は難しいが分かっていればどうにかなる。あいつの攻撃は空気に魔力を付与して、空気の塊を相手にぶつける攻撃だ。空気だから僕達は見ることはできないが、魔力に気付ければ避けれる。

「おらよ!」

「うっ」

シルフがとばされて木に打ち付けられる。ファリフェンが物理攻撃をしながら見えない攻撃を使ってくる。

少しシルフが不利だな。

「シルフ!」

「大丈夫です。私のことは気にせずに主様はそのまま頼みます」

急いでください。イレイスさんのお母さん。


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