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第12話 拠点探し2

「そういえばミリスさんは、どんな家を探しているのですか?」

「そうだなぁ」

シュン君に聞かれて、私は改めて考える。

「まず、自然豊かな場所がいいな。」

「森や海が近いところですか」

「それに加えて、町が近い方がいいな。」

「食料などを買うときに便利ですからね」

「後は広い方がいいな。」

「えー広いと掃除大変ですよ」

そんな感じでシュン君と話していると、目的地に到着した。

「すいませんー」

「はいー」

店の奥から人の声が聞こえて、少し待つと老人が杖をつきながら出てきた。

「どうしましたか?」

「ここら辺に住みたいと思っているんだ」

「どのような家かは決まっていますか?」

「あぁ、まずは立地は......」

そうして、シュン君と決めた内容を老人に話した。

お金に関しては、魔王を倒したときのものがまだ残っているから問題ないだろう。

と思いながら老人を見ると困った顔をしていた。

「んんん」

「どうしたのですか?」

私が聞く前にシュン君が老人に聞いている。

「いやな、一応その要求を満たせるものはあるのだか、一つ問題が...」

「お金なら問題ないぞ」

「いやな〜まぁ行けば分かるか」

「んー?」

そう言って老人はゆっくり立ち上がり、「とりあえず見に行くか?」と聞かれたので頷き、行くことにした。



何が問題かは物件に行く最中に気づくことができた。

目的の物件は町からも行きやすい森の中にあった。しかし、その森が問題だったのだ。

「ミリスさん、この森魔物が多くないですか?」

「よく、気づいたな。」

シュン君も気づいているようだ。そう、この森には魔物が多いんだ。それも普通の魔物とは違い、知性がある。それを体現するかのように、魔物がいきなり飛びかかってこない。

「いますね」

シュン君も周りを見ながら、警戒している。旅の最中にも魔物に何度も襲わられていたから分かるのだろう。

「そんなに警戒しなくても、大丈夫だ。」

「そうなんですか?」

「あぁ、知性が高いから襲ってくるとしても寝ている最中にくるだろうからな」

「大丈夫じゃないですか!!」

そんな感じの会話を繰り返していると、大きな屋根が見えてきた。

「着いたぞー」

目の前には、大きい建物があった。全体的にぼろぼろで汚いが建て替えれば特に問題はないだろう。

「汚れてますね」

「しょうがないだろう、魔物のせいで誰も寄りつかないだろうしな。」

「どうじゃ。見れば分かるがこの森は魔物が多い。この家に関しては、建て替えれば特に問題もない。お金に関しても、一般的な値段よりも安い。」

確かに、森の魔物以外は問題がない。逆にその点に目を瞑れば、好条件だと言えよう。

世の中考え方を変えることが大事なのだ。

「決めた!この家にしよう」

「えーー!」

隣から不満のこもった声が聞こえてくる。

「なんか不満があるのか?シュン君」

「もちろんですよ!この森、魔物が多いんですよ。それも知性が高いんですよね。危ないですよ」

「しかし、他の条件は最高じゃないか。しかも森の魔物を使えばシュン君の鍛錬にも使えるし。」

「本当にいってるんですか?!」

「もちろんだとも」

そう言うとシュン君は説得を諦めたようだ。すまんな。私は意思が固いんだ。

「それでは、建て替えについて詳しく話しましょう」

こうして私達は新しい拠点を見つけることができた。シュン君は少し不満そうだが、どんな場所でも住んでみればいつかは慣れるもんさ。そう諭して私達は、話し合いを進めた。

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