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崩壊世界とぽんこつラジオ  作者: ナタデ 小町【・△・】
1章【崩壊都市トウキウ】編
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3話【嫌な信頼】

「準備できましたか?」

「うん、なんとか!」

 ベルト右腰のアタッチメントにぶら下げたラジオを、カンカンと叩いて返す。

 ゼファーは黒いロングコートに身を包み、白い息を吐いている。ゼファーの視線は横にいる“彼”へと向けられていた。


「俺も忙しいんだが、一体何用なんだ?面倒事の予感しかしないんだが?」

 タマムシ色の瞳を眼鏡越しに向ける彼が悪態をつく。

「良いじゃん。どうせ客こないんだし」

「てんめぇ!帰るぞ!良いんか?てめぇ!」

 十歩があった距離をトントントントントン!と詰め寄り、僕の額に指をグリグリと押し当てた。

「年がら年中まともな商売してない奴が忙しいとか…ねぇ?ゼファー?」

「……えぇ、まぁ、はい。それはそうですね」

「お前もかよ!?ゼファー!あんた真面目な礼儀正しいキャラだろ!主人の悪口注意しろよ!」

 今の今まで僕の頭を突いていた彼の人差し指がビシッ!とゼファーに向けられる。

「良いかぁ!?俺は!お前達が頼み事があるって聞いて態々こんな寒い中!お前達の家まで来てやってんの!分かる!?もう少し頼むなりの態度とってもらっていいかなぁ!?ねぇ!!!」

「それで頼み事何だけど…」

「無視!?」

「トウキウに1日ぐらいで行きたいんだけど、方法ないかなって…」

「……なぁ。あんたの主人、本当に耳付いてる?」

「……」

「あっ…あんたも無視なのね」

 はぁ…と、溜息を1つ吐いた彼。

 咳払いを1つ挟み、語り始めた。

「えっとぉ…トウキウに行く方法か。そりゃぁ…ある…にはあるけど…EDENにでも頼めばいいだろ?この時期にあんな危険地帯に行くなんて絶対にEDEN絡みだろ?」

 こくん。首を縦に振る。

「いや、分かるよ?お前がEDEN超絶嫌いなのは知ってるよ?でも、絶対にその方が良いじゃん?ね?安全に快適に現地までいけんじゃん?何なら連絡手段持ってんじゃん?頼みなよ…」

「……いい?ティーク?よ〜く聞いてね?今君が僕のお手伝いしないとトウキウ跡形も無い未来迎えるからね?君のせいで…」


「うっわ!なにそのクソみたいな我儘責任転嫁!?」


 ティーク、タマムシ色の瞳の男。


「わぁ〜ったよ!分かった!手伝うよ…馬と馬車貸すよ…」


 ここイチアの街に住む古物商。


「助かるけど、それだけ貸して貰っても意味ないからね?」


 ゼファー同様にこちらの世界へ僕が訪れて1年くらいの時に、出会った青年。


「は?」


 面倒事を嫌い。


「いや、僕もゼファーも乗馬技術ないから…」


 常々、僕に振り回されている。


「え?まって?」


 殊、様々な場に(おもむ)く足として使われる事が多く。まぁ…僕のせいなんだけど…。


「俺に着いて来いっつってる?」


 毎度のことながら、苦労を掛けている。


「え?俺、普通の人間だよ?あんたみたいに霊気操れないし、あいつみたいに剣の腕が人間やめてる程あるわけじゃない一般人よ?それを踏まえてもう一度聞くね?」


 まぁ…。反省はしてないけど。


「もちっ☆」

 ( ´∀`)bグッ!とティークへサムズアップを捧げる。満面の笑みで、めっっっちゃ元気良く、サムズアップを、捧げる。

「てめぇ!!俺をなんだと思ってんだ!!クソガキぃ…!こ…んのぉ…クソがぁぁぁ………!」

「便利屋☆」 

「……分かったよ。もう。うん。お前は話し通じねぇよね…。うん、知ってた。くそ…。なんかあったら守れよ?良いかぁ?俺は近くまで乗せてくだけだからな?帰りは知らねぇぞ?良いなぁ?い!い!なあ!?」

「やったよゼファー。足ゲット!」

「えぇ…。素晴らしい釣りでしたよブレス様」

 僕はゼファーからの拍手を受け、v(´∀`*v)ピースとティークへ感謝のVサインを贈った。

 これにぶち切れたティークの説教から長い半日ほどの馬車の旅は始まった。



「ヒトガタの反応多数。その数およそ3000程。崩壊リスク54.2パーセント。常規の崩壊リスクをダブルスコア以上で超越。敵兵はヒトガタを除き200人程。統率者は新興宗教の一角を担う侵蝕者、名をバッカス。喰性は恐らく酒に関したもの。人質多数。目的は恐らく【トウキウの崩壊】。その為、【苦白(くじら)】を発生させる事。【デウス・エクス・マキナ】となっているものは【酒樽】。場所は不明。トウキウの街を(ほとん)ど占領状態。今朝。トウキウの統率者。アウルから要求所の連絡を受けました。」

 白いタイルの壁。潔白のコンクリートの天井。純白の大理石の床。灯すランタンは宙に浮き、大きなディスプレイに無数のデータが放り出されている。

 階段状のその場は、広く横長の机と椅子がいくつも置かれ、その全てに余すことなく人が座っている10、20なんてものじゃない。500程の人数だ。

 その誰もが皆、前に立つ白髪の青年へと視線を向ける。

 勿論。ゼウスも。


 ここはEDEN本部。中央会議場。

 集まったものは組織の重役。【総括−ゼウス】を始め【侵蝕者特別部隊・第8部隊長へついこの前昇格を果たしたギュスターブ】、【技術開発長−エアヘッド】、更には保護国家カホクドウのリーダーまでもがこの場に揃っている。

 そんな誰も彼もの視線を浴びながら【白髪の青年−侵蝕者特別部隊・第5部隊長−レイ】は話を続ける。

「状況で言うならば、トウキウが助かる可能性は0と言っても過言ではないでしょう。然し、この状況を打破する為にとある助っ人を我々は、ご用意しました。それが、彼です」

 レイがディスプレイへ手をかざし、右へと小さくスライドする。すると現れる新たなデータ。黒い髪。短髪。笑っている為、線となっている目。白い歯。日焼けしているというわけでも真っ白というわけでもないシンプルな肌。目立った特徴のないその青年。

「彼の名前はブレス。この中でも見知った人はいるでしょう。ですが、改めて彼についてお話しをします。私同様の侵蝕者。その喰性は…」

 おびただしい程の人数が同じ場所へと集まっている。それにも関わらず、まるで死んでいるかの如く静かなこの空間にレイの声が響く。

「【適応】。詳しく省きますが、彼は唯一、この世界で【苦白(くじら)】への耐性を持つ人間です。」

 苦白。旧世界に終末を与えた異常。天を割り現れる白い液体。白いナニカ。純白で、神々しくも、気味が悪く、禍々しいソレ。元々は【白い苦しみ】と呼ばれていた。

 然し、誰が言ったか。

 その規模の大きさ。

 その威圧感。

 それ等のことから天を泳ぐ【(くじら)】。

 またはどこかの本になぞられ【白鯨(はくげい)】。

 そこから取っていつの間にか畏怖の思いを込められ、【苦白(くじら)】。そう呼ばれるようになった。


 暫くの静寂は変わらない。

 然し、明らかに空気感が変わる。

 信じられないものを見たように目を開く者。

 疑うように口を鼻で笑う者。

 睨む者。眉を寄せる者。様々だ。

「待て。確かにそいつが苦白への耐性を持っていることは素晴らしい。とても役に立つだろう。然し、だからといって、そいつに何ができる?そいつに戦う力はあるのか?そいつは頭が切れるのか?そいつ1人が耐性を持っていたところで、結局、敵の数が膨大なことに代わりはないだろう?そこはどうするつもりなんだ?」

 始めに口を開いたのはエアヘッド。白衣を着た金髪の天パ。技術開発長の彼はレイを見つめる。

 エアヘッドに続いて、幾人かの出席者はデータ上の彼に口々に疑問や文句をぶつける。

 初めこそ、静かなものだったが、次第にその声の大きさは増していく。


 エアヘッドの瞳を恐れることなく、見つめ返すレイが口を開こうとしたその時、横槍を投げたのは…。

「実力ならあたしが保証してやんよぉ!技術開発長さんよぉ!あいつはあたしよりとこそ言えないがっ!それでもそこらの部隊長よりゃ…よっぽど実力があるぜ?」

 …ギュスターブだ。

 エアヘッドに、否、この場にいる誰も彼もに、鋭い眉で、鋭い瞳で、鋭い歯で、鋭い笑みで、噛み付いた。

 多くの者はその迫力に口を黙らせる。

 されど、エアヘッドは、ほう…?と面白そうなものを見つけた子どものようにギラついた瞳を輝かせた。


「彼のことなら、僕も保証しましょう!」

 ブレスを擁護(ようご)する声がもう1つ上がる。

 ゼウスである。

 その場にいる全員が再び目を見開いた。

 当然である。

 この組織EDENといえば、この新世界を支配するのに最も近い組織の1つだと言っても過言ではない。ましてやその組織を束ねる王が、絶対的な神が、彼を、ブレスを、認めているのだ。

「それでも尚っ!彼に疑問を抱く者は挙手をしてくれるかな?」

 その後、その会議でブレスへの疑問、文句は上がるはずがなかった。

こんにちは!こんばんは!

小町ですぅ〜!

てなわけで!3話投稿だぜ〜!ワイルドだろぉ?

もう書き疲れてねむねむですよぉ〜!

さて、そんな私の作品、皆様を少しでも楽しませることができたら幸いです!

良いねとかお待ちしてますね〜♪

なんでかって?

私の活力になるからだよっ!(こっ☆)

それではまた!!

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