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崩壊世界とぽんこつラジオ  作者: ナタデ 小町【・△・】
1章【崩壊都市トウキウ】編
11/12

10話【逃走勝ち】

 ギィィィ………!


 二つの刃物が打つかり、耳障りな音が響く。

 刀とサーベルは両面から伝わる強い力により、ガタガタガタ…と揺れた。

「ディオニュソスと仰有(おっしゃ)りましたか…?貴方…ブレス様の名前を知っていましたね?」

「あぁ!勿論っ!あの顔っ!あのラジオっ!あの掴みどころのない態度っ!上から見ていたが…「ふんっ!」…ぬぉっとぉ!?おいおい…お前の質問に答えてやっているのだぞっ!?斬りかかるなっ!」

 不気味である。

 軽い口調のサーベル男・デュオニュソスはその口調に反し、やはりポーカーフェイスだ。感情と表情が分断されているのかとすら感じるゼファー。デュオニュソスへの沸々(ふつふつ)と湧き上がる怒りは、順調に沸騰へと近づいていった。

 対するデュオニュソスは怒りの一撃をサーベルによって軽く流し、1度部屋の外へ落ちるギリギリまで下がった。

「さて…私からも1つっ!お前を特徴からブレスの配下・ゼファーだと仮定して問うっ!私がブレスの命を握っていると言えば…お前はその刃を止めるか?」

「……脅しですか?」

「選択を出してやってるだけだっ!まぁ…命はかかっているけどなっ!」

 ゼファーは動きを止めた。

 その場で立ち尽くし、目に、腕に、体は緊張をしている。

 けれどもデュオニュソスが間合いに入っても尚、動きはしなかった。

「数日前、私達はここ…トウキウの西口に基地を作りった!とても簡易的で、便利なんて言葉からはかけ離れていますがなっ!なぜ基地を作ったかっ!…だが。簡単なことだっ!お前たちがここへ来ると知っていたからだっ!だからっ!あらかじめ、準備をしておいたんだっ!………ヒトガタの撒き餌を…なっ!」

「……なに?」

「安心しろっ!お前が怪しい行動をしなけりゃ…発動なんてしなっ…!つぅ………!?おいおい…主人が死んでも良いのかよっ!?」

 デュオニュソスの言葉は続かず途切れる。

 ゼファーが高速の一線を放ったのだ。

 デュオニュソスは紙一重で目前まで迫った白刃を避けようと身を引く、されど、ノーモーションで放たれた一撃には、少し気づくのが遅れた。


 スゥ………。 


 ゼファーには手応えがない。されど、刃には血が付いている。

 デュオニュソスは死んでいない。依然変わらずにポーカーフェイスでいる。されどその左目の下にある【BUCKS】という焼印は下半分を自身の流血で汚し、読めなくなっている。そして、刃を避ける為に身を引いたことで、バランスを崩し、床に尻もちをついてしまった。

 然しそれでは終わらない。

 ゼファーは大きく腕を振り上げて…。


 デュオニュソスは諦めたように両手を上げ、サーベルを手から落とす。カラカラッ…と金属の打つかる音を鳴る。


 …デュオニュソスの目前で白刃はピタリッ!と動きを止めた。


 流れる沈黙。

 見つめ合う4つの瞳。


 先に口を開いたのはゼファーだった。


「ブレス様がもし、ヒトガタ程度に死ぬような人ならば…いまごろ私は生きてはいない。やってみると良いでしょう」

「そんだけの理由で…か?」

「そもそも…ブレス様を始末しろと部下に命じているではありませんか?…もう発動しているのでしょう?貴方(あなた)は嘘も準備も苦手なようですね」

「……御名答(ごめいとう)っ!完敗だっ!完敗っ!全部まとめて大正解だっ!…けど。私を、いやこの【BUCKS】という字を切ったのは…大ミスだ。もう少しお前と話してみたかったよ…。……ゼファーっ!また会おうっ!」

「…ん?」

 【BUCKS】という焼印はオレンジ色の光を淡く発生する。

 同時にデュオニュソスは事切れたかのようにドサッ…と床に倒れる。口からは泡を吹き、目は白目、みるみる内に体は青白くなっていく。ピクピクと僅かな痙攣(けいれん)が起きて、その光はゆっくりと消えた。


 光が収まった頃には痙攣もなくなり、指先1つ動くことはなくなった。


「………」

 ゼファーが顔の中心にシワを寄せた。

 見下ろされたデュオニュソスの左目の下の【BUCKS】という焼印は、無くなっていた。


「はぁ〜い!皆さん!こっんにっちわぁ〜〜〜!!!!!現在時刻っ!6時半っ!!!天才スチィィィムゥ!パァンクロッカァ〜!!!!!ハァ!!!トォ!!!のぉっっっ!終末世界の極楽浄土ラジオぉぉぉぉぉ!!!はっ!じっ!まぁるよぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!」

「……!?これは、ブレス様に何か!?」

 ゼファーが部屋から少し身を乗り出し、下を眺めれば次々と白い液体へとなっていくヒトガタが見えた。哀れなまでに天高く投げられたラジオへ手を伸ばし続けるヒトガタ。まるで救いを求める地獄の住人のようであった。




 ……俺は今、物凄く悩んでいる。

 現在、15階の階段前にいるわけなのだが…突如として聞こえてきた足音が数個。下へ向かったようだが、妙だ。

 下の階から絶えず足音が聞こえるのだ。

 上からは何やら男の声が聞こえる。

 それと耳障りな金属音も…。

 …ゼファーが相手しているのだろう。


 となると下の奴らの狙いは必然的にブレス…若しくは隠れていた俺・ティークが見つかったということになるのだが…。

 はたして…今の御時世(ごじせい)では珍しい常識を持った一般人の俺は奴等に純粋な殺し合いで勝てるのだろうか?

 それもさっき拾っていた十字架から推測するに…十中八九(じゅっちゅうはっく)最近話題の新興宗教だろ?人殺しとか、街の乗っ取りとか、黒い話が絶えないぞ?そんな奴等相手に戦えるか………?


 すぅ………。


 いやいやいやいやいや…!

 冗談きついってぇ〜!

 ムリダヨ〜!絶対無理!てかほんと…!

 全然無理だねぇ〜〜〜!!


 ……ここで油売ってるわけにもいかねぇか。

 さっきのラジオ…ブレスが少し気掛かりだ。

 極力先頭を避ければ良い。

 隠れていこう。…隠れて。


 「おい!てめぇ!!誰だぁ!?ここで何してやがるぅ!!?」

 わ〜お★見つかっちゃった★

 嘘だろ?まだ13階じゃ〜ん?

 足音もう少し遠かったじゃ〜ん?

 何で後ろにいるのかねぇ!?

「やべ…」

「侵入者っ!侵入者だぁーーー!」

 ですよね〜!仲間呼ぶよねぇ〜!!!

 ガッガッガッガッと聞こえる下階から近づく足音。

 少なくとも10人以上はいる。

 世界が崩壊してから3年…。

 ずっと厄年に感じる。

 それもこれも…全部あのブレス(バカ)に振り回されてる結果なのだけども…。

「おい!そいつを絶対に逃がすなよ!」

「わかってるっ!」

 今俺は階段の途中に立っているわけだが。

 後方に1人、前方には…何人だ?数えんのめんどくさい…程の人数がいる。

 そいつ等はみな、十字架を首から下げていて、松明の轟々と燃える火が、男達の顔を照らす。見ればその顔はまるで獣のように滾っている。そいつもあいつもこいつも…。

「お前がブレスか…話に聞いていたよりも華奢だな…」

「こいつ…本当に強いのか?」

「どうせどっかで噂が大きくなっただけだろ」

「別人だったりしないか?」

「どっちにしろ始末しなくてはならんだろ…!」


 すぅ…。


「かかれぇ!!!」

「まじかよ!?まじかよ!?来るなぁ…!来るなぁぁぁ!!!」

 背後の1人と前方から2人、手に持った槍や剣で一斉に斬り掛かってくる。

「……よけ…るぅぅぅっ!!!!!」

 俺はそれらの攻撃を階段から、下の階段へと身を投げ出すことで危機一髪避けれた。お陰で、場所も階段を登って来たそいつ等の最後尾のちょっと下段に来れた。これで逃走路もなんとかなったなぁ…!正直、槍が太腿(ふともも)にか(かす)りそうだったが、ギリギリ服が少し避けた程度で終わった。…普段の行いが良かったからだろう!神が味方してくれたんだきっと!

「うおっしゃぁぁぁ!!!!!九死に一生!神マジでありがとう!神っ!!!」


「…!?おい!そいつを斬れ!」

 安堵(あんど)(つか)の間。

 飛んできた号令に反応し、斬り掛かってくる最後尾の剣士。

 慌てて剣を前に出し、その攻撃を防ぐことには成功。

 けれども、衝撃までは殺しきれなかった。

 階段から飛ばされ、残り7段ほどの高さから12階の床に叩きつけられた。


 痛いっ!超絶痛いっ!めっちゃ痛い!

 腰が!特に!いったいっ!

 お゙ーーー!お゙ーーー!と身動(みじろ)ぎしながら(なげ)く。すると足音が足早に迫る。

 見れば飛び掛かって来る剣士。

「ちょ…たんま!たんまっ!こっちが腰痛めてるだろぉー!」

 と慌てながらだったが…ごろん!と体を回して避けれた。

 さっきまで俺の顔があったところには床を砕いて存在する剣。久しぶりにおしっこをちびるかと思った。

「くっ…そ…がよぉ!」

 まさか避けられるとは思っていなかったのだろう。

 口を開けた剣士の脇腹へ寝ながらに蹴りを入れ、倒す。

 剣士が起きる前にと何とか立ち上がり、12階の暗闇の中へ駆け抜ける。

 後ろからは少し離れて迫る足音が幾つかある。

 まじこえぇ…。


 …どこか。どこか入り込める場所。

 あれは…トイレか…。扉ないな。逃げ込めやすそうだが…。

 ん…いや。まてよ?

 ……あー。いい案思いついたわ。

 よっしゃ!これで行くか!よしやろう!一か八かっ!

 トラップだぁ!


 まず、トイレ前の部屋の扉を開けて…。

 

 ギィィィ…。


 よし…部屋に入らずにそのまま閉めるっ!


 バタンッ!


 んでトイレの…あー!ここ女子トイレじゃん!?

 ……つべこべ言ってる暇はないよな!

 ごめん!俺の正義感!今は死んでくれ!!!!

 よし、トイレの手洗い場に身を潜める。


 これで部屋に入ったように見せかけれる!

 できれば引っかかってくれると嬉しいんだが…どうだ?

 即席の割には中々にいいと思うんだが…。

 はたして…奴等はそんなに馬鹿なのか?


「おいっ!この部屋だ!囲め!ここに逃げていきやがったぞ!……会議室。行き止まりだ…。馬鹿めぇ!よしお前ら!入るぞぉ!」

 そうして全員が部屋に入っていく。ぞろぞろと。


 わーお★すっごい馬鹿★たんじゅ〜ん★

 まじかよ…正直通じるとは思ってなかったぞ?

 よっしゃ…。逃げよ逃げよ。ブレス待ってろよ!今助けに行くからな!そんで、ついでに俺を守ってくれ!!! 

やほ!

小町だよ!

結局冬休みでは1章完結しなかったね★

仕方ないね★お年玉のせいだ!

私は悪くねぇ…!!


……なんですか?投稿頻度落ちてる?

ゲームばっかしてるせいだ?


……うるさーーーい!

ガンバッテンダヨー!ワタシダッテー!

それはそうと…今日は一段と寒かったですね。

皆さんもお体にはお気をつけて。

ではまた次回♪

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