不純愛ものの難しさについて語ります。
最近、不純愛もののラノベをよく見るようになって来ました。色々見て来て、やべーこれやべー。うわーってなる作品もあれば。いやいや待て待て。主人公おい待て。ステイストップシャラップシッダウンとなる作品、様々でありますよと。
感情がスクランブルエッグされて、しばらくまともに会話できなくなるような作品もあれば、逆に冷静にされる作品。
まぁ、要するに、不純愛ものって書こうとしたら難しいんですよね。はい。
というわけで、不純愛ものを分解して行きましょうヒャッハー!
なんか疲れた。ここからは僕の頭の中の後輩ちゃんに任せます。よろしく。
はいはい。さて先輩。想定する設定としましては。とりあえず主人公の男には彼女さんがいますよっと。それでまぁ、関係としてはそこそこ上手くいってます。あーそうそう。ここで主人公の彼女さん。クズ女にしちゃ駄目ですよ。わかってると思いますけど。先輩。
良いですか? わかってますよね? ここでクズ女にしたら背徳感って奴が薄れるんですよ? ぶち壊しですよ? わかってるのなら良いです。
なんなら良い子が良いですねぇ。主人公が浮気するなんて微塵も疑っていなくて、それはもう、子犬のように主人公にじゃれついて。なんなら初めての彼氏で浮かれているくらいがグッドです。
えっ? そんなことしたら、横槍刺してくる女の子出しづらいじゃないか、ですか? そんなこと言うのでしたら普通にイチャイチャ甘々ラブコメ書いててくださいよ。茨の道を歩く決意も覚悟も無しに不純愛ものなんて書けませんから。甘えちゃダメですよ、せーんぱいっ。
そうですね丁度良いですし。横槍ヒロイン。不純愛起爆ヒロイン。いっときますか。
まぁとりあえず。そうですねぇ……なんと言いますか。ここなんですよね。不純愛ものの難しいところ。
今カノちゃんが滅茶苦茶可愛くて魅力的な女の子である上で、それでも選んでしまう、選ばざるを得ない、いわば魔性の魅力。それが、横槍ヒロインに必須な要素ですよ。
勘違いする人は、それを、今カノを下げることで得ようとする。今カノに誰が見てもおかしいポイント、そんなん別れた方が良いやんとなってしまう目に見える要素を初っ端からぶち込むんですよ。甘えですね。
そんなのただのざまぁにしかならない。違うんですよ。
不純愛ものの魅力は背徳感なんですよ。感情がかき乱されてぞくぞくして、気がついたら横槍ヒロインの魅力にはまってる。いわば毒なんですよ、不純愛ものというのは。
駄目だ駄目だ。あんないい子を泣かせたら駄目だ。でも、抗えない。選ばざるを得ない。どっちも選べれば良いのに。そうでなくても、この子に先に出会っていれば良かったのに。
恋の熱で毒が溶けだし流れ込んで少しずつ溺れていく。息ができない、痺れていく。
そこに平行して、今カノちゃんのちょっとあれな要素を小出しにしていく。少しずつ、少しずつ、じわじわと真綿で首を絞めるかの如く。今カノちゃんから見えてくる、付き合っているからこそ、人間関係の距離が限りなく近づいたからこそ見えてくる欠点。冷静に考えれば、ちゃんと話し合えれば。けれど二人の間で揺れてしまっている不安定な主人公にとっては、決定的な横槍ヒロインに傾いていってしまう要素を。
今カノちゃんが悪いとは言い切れないような小さなものを少しずつ。少しずつ積み重ねて。
あぁ、脳が壊される。
その間も横槍ヒロインは容赦なく、主人公に好き好きアピールをして距離をガン詰めしていくのですから。己の魅力を十全に発揮して迫っていくのですから。
まぁ結論から言いますと、一見すれば自分だったら絶対に別れないと言える聖母様と崇めたくなるような女の子と、こんな子に迫られたら即日陥落しますわって言える悪魔のような女の子を用意しなければならないのです。難しいっすね。
あと、主人公君は簡単に陥落しちゃだめよと、何度打ち倒されそうになっても、何度脳みそを直接溶かされそうになっても立ち上がり、今カノの元に帰ろうとする鋼の意思を持たねばならぬと。
落ちるところまで落ちて、言い訳のしようが無いようなこともして、それでも今カノに戻ろうとして。でも、今カノに対する自分の感情すら信じられなくなってそして、自分と向き合って。その奥にある感情。自分の気持ちが誰に向いているか考えてそして、初めて横槍ヒロインに『好き』を言う資格得られる。
物語は積み重ね。これがよくわかる。それが不純愛もの。
難しいですね。書いてみたいですけど。