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98話 騒動解決

拘束した男を王都の収容所へと連れていき収監

魔物の残党は兵士と冒険者の手によって順調に倒されていった

途中でタクト達が魔物と戦っている様子を発見したが、危なげなく魔物と戦っていた

自分で豪語していただけあって確かに私が見ていた時よりも更に剣の腕に磨きがかかっているようだ。仲間とも上手く連携をとれているようだし順調で何より


王都を移動している最中街中は騒ぎになっていた。魔物がすぐそばまでやって来たのだから当然だろう

しかし様子を見る限りどうやら魔物が襲ってきたことによって起こった騒動は既に解決しているようで、今はまた別の事で騒ぎが起こっているみたいだ




「あの光は一体なんだったんだ」


「きっと神の御加護を受け賜ったのだ。あの神々しい光はそうに違いない」




聞き耳を立てているとそんな会話が聞こえてきた

どうやら魔物の軍勢よりも私が発動した魔法の方が騒ぎの原因となっているようだ

一部では神様が助けてくれたという話も上がっている。そちらはまぁあながち間違いではないが

色んな説で湧いていたが私がやったことはおろか、一個人が使用した魔法だとは皆夢にも思っていない様子。こちらにとっては都合がいい

リヴィアさんや指揮官の人も約束通り口外しないでくれているようだしこのまま適当な理由をつけてなぁなぁにしてしまおう


男を収容所へと収監した後、リヴィアさんとフィオナがいるギルドへ向かい合流してから王城へ

今回の事を話すには国王以外の者には聞かれたくなかったので他の者には席を外してもらうよう国王にお願いした




「エレナよ、此度の件そなたには感謝の念に堪えない。そなたのお陰で我が国の兵士、国民に一切の被害が出ずに解決に向かうことができた」


「いえ、国王様もご無事で何よりです」




国王から労いの言葉を頂き、それから魔物を従え王都を襲撃した張本人を見つけて捕らえ、現在は収監していることを報告した

私が使用した魔法については私は今回の件に関与していない事にしてほしかったので、あの魔法は国の秘宝を使って発動しただと国民に説明してもらうことにした




「それにしても剣技だけでなくあのような魔法まで使えるとは、そなたはまるで伝承で聞かされてきた勇者のようだな」


「あ、あはははは・・・・勿体ないお言葉です。私などまだまだ勇者様の足元にも及びません」


「はっはっはっ、謙遜するでない」




び、ビックリした・・・バレたかと思った

実際力は戻ってきててもあの頃と比べたらまだまだ。魔法に関しては今の方が断然使い勝手がいいけど

なんにしてもこちらの希望通り世間に広まる事は無さそうだから一安心だ


最後は報奨の話。今回の活躍は相当なもので名声を広められない代わりに他の願いを可能な範囲で叶えてやろうと国王から言われた

特に欲しいものがなかった私は無難に少しばかりの金品と先程食べた料理に使われた材料を望んだ

皆美味しそうに食べてたしシエルが既に今日の料理を解析してくれていると思うので材料があればいつでも作ることが出来るはず




「ではそのように手配しておこう。ではこの件はこれで終わりだな」


「国王様、最後にもう1つだけよろしいでしょうか?」


「ん?なんだ。申してみよ」


「何故この王都に防御結界が展開されていないのでしょうか?」




以前から気になっていた。この王都には防御結界が張られていないのだ

防御結界があるのとないのとでは違いがかなり大きい

結界があれば急襲を受けても戦闘態勢を整える時間を作ったりもできる

国王にその事について聞いてみると、10年程前までは問題なく稼働していたようだがある日突然何者かによって破壊されてしまったという

どうにか直そうと試みたが、昔からある装置でその仕組みを知る技術者がおらず、下手に触ると悪化させてしまう恐れがあった為修理方法が見つかるまで放置していたそうだ

10年前というとあの男も同じ位の時期から魔物を使役し始めていたような事を言っていたしタイミング的に関与している可能性があるな

けど跡形もなく消されてしまったのならともかく、壊れているだけならなんとかなりそうだ




「良ければその装置私が直しましょうか?」


「なんと!直すことが出来るのか!」


「状態を見てみないとですが恐らくは可能かと」


「是非宜しく頼む」




今日のような事がまたいつ起きるかも分からないので、善は急げで早速防御装置がある王城の地下へと案内してもらった

聞いた通り派手に壊されていたが、幸い部品等はそのままだったので私は魔法を使って修理を開始した

修理というより元の状態に戻すと言った方が正しいか。無機物の物にだけ使える時間遡行の魔法で壊される前の状態へ戻した

流石に10年近く前のものだったから戻し切るまでに時間はかかったが、無事元通りにすることが出来た

あとはこの装置に魔力を流すだけ。その作業は他の者に任せるとしよう

国王に防御結界装置が直った事を知らせると再び感謝され、追加の報奨金を頂くこととなった



これは後日知った事だが、男を取り調べて分かったのは以前この王都にいた研究者らしく昔は薬を作ったりと人を助けていた人物だったらしい

しかしその薬は裏で助からなそうな人間を利用した人体実験によって作られたことが判明して男は牢獄行きとなったが、少し目を離した隙に脱獄されてしまったそうだ

その逆恨みとして今回の事件が起きたということか。巻き込まれたこちらはいい迷惑だ


今年最後の日は慌ただしい夜になってしまったが、これだけの額貰えたし来年も安泰だな

来年はもっと穏やかな日々を送りたいものだが、これからも騒がしい日常が続きそうだ


読んでいただきありがとうございました!

「よかった」「続きが気になる」など思っていただけたら幸いです

少しでも気に入ってくれた方ブクマ、評価、感想等々頂けると大変励みになります

次話投稿時間はTwitterの方で告知させて頂きます。よろしくお願いします!

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