表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

95/224

95話 今年最後のトラブル

私は落ち着いている場所を見つけてゆっくりと王城の料理を味わった

シエルも料理を食べてその味を再現できるよう味わってしっかりと解析まで行っていた

ラミアスはシスカは2人仲良くやっているようだし、他に来ていた子達と一緒に子供向け料理を食べて楽しんでいるな


皿に取った料理が尽きてしまったので新しく料理を取りに席を立つと、見知った顔を見つけたので声をかけに行った




「リヴィアさん、来ていたんですね」


「おや、エレナ嬢も呼ばれていたのかい。普段の姿もいいものだが着飾っている姿もとても麗しいね」


「そういうリヴィアさんも今日はちゃんとドレス姿で来たんですね。いつもは私と大差ない格好しているのに」


「流石にこういった席ではね。私は自分がこういう格好するよりも可愛らしい女性を愛でる方が性に合っているんだがね。そう、君達のようなね」




相変わらずな人だがこの人のこれにももう慣れたものだ。こういう人物だと知っていればあしらうのもお手のもの

最近は本人もそうなるのを分かっていてあえてそのやり取りを楽しんでいるように見える

まぁ間違っても無理矢理襲うようなマネはしてこないだろう。そんな事してきたら問答無用で殴り飛ばすし


それからリヴィアさんを私達の席へと案内して食事をしながら雑談に花を咲かせていると、外の方がなにやらザワザワとしだしたのを察知した

その気配にリヴィアさんも気がついたようだ




「ん・・・?なんだか外が騒がしいね。何かあったのかな?」




すると突然扉が開かれた

扉を開けたのはこのお城の見張りを任されている王の近衛兵

随分と慌てた様子のようだが、お偉い方の前という事もあってか近衛兵は走りたい気持ちを抑えて国王の元まで早足で近寄っていった




「どうした、何かあったのか?」


「国王、至急お耳に入れて頂きたいことが・・・」


「・・・・なに!?分かった」




何かを耳打ちされた国王は焦ったような顔をして近衛兵に連れられて出ていってしまった。何か問題でも起こったのだろうか?

国王が席を外してからも宴会は続いた。私達も挨拶を済ませたセフィリアや王子と共に宴に興じていたが、少しして先程の近衛兵が戻ってきたと思って見ていたら私達の方へと近づいてきた




「失礼します。リヴィア様、エレナ様。国王様がお呼びで御座います」


「へっ?わ、私もですか?」


「はい、そのようにと伺っております。緊急の用件とのことです」


「わざわざ別室に呼ぶなんてなんだろうね」




ここでは出来ないような話なんだろうか。私まで国王に呼ばれるなんて嫌な予感しかしないんだけど・・・・

私達は食事を中断し、近衛兵に案内されて国王が待つ別室へとやって来た




「国王様。リヴィア様、エレナ様を連れて参りました」


「入りたまえ」




返事が返ってくると案内を務めてくれた近衛兵が扉を開き、私とリヴィアさんは国王の元へと近づいて膝をついた

国王の顔を覗いてみると明らかに深刻そうな顔をしている。やはりいい話ではなさそうだ




「すまないな、楽しんでいるところに水を差してしまって」


「いえ、それはよろしいのですが私達をお呼びになるとは一体どういったご用件でしょうか」


「そうだな、時間もないので単刀直入に話させてもらおう・・・・実は王都近辺に魔物の群れを確認されたんだ」


「魔物の群れ・・・ですか?」




ちょうど食事をしている時にその話もしたが、この王都近辺で確認出来ている魔物の数はせいぜい百に満たない程度で、強さも大したことのない魔物達だとリヴィアさんから聞かされていた

けどそれだけならわざわざ私達を呼ぶ必要はないだろう

国王が話を続ける




「その数が異常でな。城門で見張りを行っている衛兵の情報によるとざっと見積もって1万は超えていると聞いている」


「い、1万!?それほどの魔物の数は確認されていませんでした。昨日まで影も形もなかったのにどうして突然・・・」


「その魔物の軍勢は今のところ動きは見せていないがいつ王都を襲撃して来るか・・・。君達を呼んだのは他でもない。魔物の襲撃に備える為に知恵を貸してくれ」




突然魔物の軍勢が一斉に王都に現れるなんて十中八九何者かによる仕業に違いない

そういえば昔にもこういう事があったな。魔物を使役する魔族が魔物の軍勢を率いて城を攻めて来たという事例がある

その時は30万にも及ぶ魔物の数で攻められ、為す術なく一瞬にして国が滅んだ

それに比べたら今回はたかだか1万だ。しかしされど1万

王国の中に1体でも魔物を侵入させてしまったら国民に危害が及ぶかもしれない

それを避ける為には後手に回らず先手で動いて相手を殲滅し、魔物を使役しているであろう犯人を捕らえてなくては

私は国王とリヴィアさんに動員できる数を尋ねた




「年の終わりということで今王都には兵士が少ない。ただちに動かせる兵数は1万弱といったところだ」


「ギルドの方でも緊急依頼として招集するが集まっても2、300程度だろうね」


「それだけいれば十分です。私に考えがあるので先に先行して様子を見てきます。集められた冒険者、兵士は城門前と城壁に配置していただけるでしょうか」




私の要望に国王は頷いてくれ、控えていた近衛兵にその事を伝えて行動に移り、リヴィアさんも急いで緊急招集をかけにギルドへと向かった

私の方も宴会場に戻り未だに肉を頬張っているフレイヤを呼んで事情を説明し、空から魔物の偵察へと出た



読んでいただきありがとうございました!

「よかった」「続きが気になる」など思っていただけたら幸いです

少しでも気に入ってくれた方ブクマ、評価、感想等々頂けると大変励みになります

次話投稿時間はTwitterの方で告知させて頂きます。よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ