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92話 寝込みに忍び寄る影

ダンジョン攻略遠征当日、生徒達と共に前回使用したダンジョンへとやって来た

シエルとラミアスに留守番を任せてフレイヤ、フィオナの2人に今回も付き添いを頼んだ

ダンジョンでは以前と同様に魔物と戦う生徒達の様子を後ろから拝見させてもらった

これまでの道のりは順調も順調。皆危なげなく魔物と戦えている

ケイティは最初の頃より更に身のこなしに磨きがかかっていて、味方が戦いやすいよう魔物を上手く分断させたり時には敵の背後を突いて急襲したりといい具合に翻弄していた

王子の方はというと変則的なケイティとは正反対に自ら前線に出て味方を鼓舞しながら敵の指揮官級の魔物を選んで次々と倒していっていた


今回の生徒達はこの2人が筆頭となって動いている。私にとっては色々と問題がある2人ではあるが・・・・

前回は比較的バランスがとれた構成でパーティ編成ができたが、今生徒達は攻撃能力に長けている者が多く結局盾役を担う人材を育てることができなかった為、生徒達には簡単な防御結界が使えるよう指南した

魔道クラスの方からも攻撃面より防御、回復系の魔法を得意とする生徒達を多めに呼んでもらっている

そのお陰で現時点では皆無傷で来ている。私の方も一度このダンジョンを経験しているのでどの階層にどんな魔物が来るか把握できている分安心して見守ることができた


そんなこんなで初日は前より早くセーフティエリアまで到着することができた

しかし油断は禁物。初めての魔物との戦闘でいつもより疲労している事を考えると深追いは良くない

今日はもう休息に入るとしてあとは各々の判断に任せる。動き足りないものは体を動かしても良し、明日に備えて装備の調整をして休息を取るも良し

行動を縛り過ぎても良くないのでセーフティエリアを出ない限りは基本自由行動を許可することにした




「ここまでは順調に来れたね」


「この分なら前より更に下層に進むことができそうですね」




着々と野営の準備は進められていき、それが終わったら今度は見張りの順番を決めて交代で行っていく

以前と同様私、フィオナ、フレイヤの3組に分かれて行う

その結果ケイティは私が同じ組となった。前回のようにお風呂を作って入っていた時終始ケイティがこちらを見ていていつ襲ってくるのかと気が気でなかったが、その時は何事もなかった

流石に場所が場所なだけにそういう事はないか・・・とその時はそう思いテントに戻り休息を取ろうとフィオナに声をかえた




「それじゃあ先に休むから4時間後に交代ね」


「分かりました~。ゆっくり休んで下さい」




最初にフィオナのグループに見張りを任せてその次に私が見張り行う

2番目に行う見張り番は途中で起こされる為、集中力が散漫になる事があるので1番大変な順番でもあるから私が担当することにした

テントの中にある寝袋に入り少しでも多く眠ろうと目を閉じる

目を閉じている間、家の事が思い浮かんできた。今頃シエル達も夕食を済ませてお風呂に入りベッドで寝入っている頃だろうか。2人とも大丈夫かな

よく2人で留守番させることは多いが、今回のように長期的に家を預けるのは初めてだからちゃんとやれているか心配だな


シエルは問題ないだろうけどラミアスの方はどうだろう

宿題はちゃんとやったかな。寝る前に歯磨きはしただろうか

お腹出したりして寝てないといいけど・・・・なんだか最近親目線になっていってる気がするな

自分ではちゃんとやってたつもりでも私の両親もこんな感じで幼い頃はよく心配をかけたのだろうか

まぁシエルがその辺りもしっかりサポートしてくれるだろう

仕事の一環とはいえ家の事を任せきりにしちゃって申し訳ないな。今度何かお礼してあげなくちゃ・・・・




「ん・・・、結構寝ちゃったかな」




考え事をしていたらいつの間にか寝てしまっていたようだ

あれからどれくらいの時間が経ったんだろう。流石に見張りの交代時間は過ぎてないだろうが


寝袋から体を出して様子を確認しようとすると、寝袋の中で違和感を感じた。私が最初入った時よりなんだか寝袋がキツいぞ?

私が動くとそれに反応して中でもぞもぞと何かが動き出した。寝袋の中に確実に何かいる

恐る恐る確認するとそこには何故か生まれたままの姿をしたケイティが眠っていた

それを見た瞬間血の気が引いていくのを感じた私は急いで寝袋から飛び出た

体に異変は・・・良かった、何もされていないようだな

貞操を奪われたかと思ったが下着がズレていたり服がはだけた様子はない

異常がないことに安堵しているとケイティが遅れて目を覚ましてきた




「ん、んぅ・・・あ、エレナ。起きたのね」


「ケ、ケイティ!なにやってるの、ここは私のテントだよ。それになんで裸なの!」




私が荒い声で問いただそうとするとケイティは目に涙を溜めて涙声で返してきた




「だって訓練の時以外に声をかけようとすると何かと理由をつけてどっか行っちゃうじゃない。王子の話は聞くのに・・ ・私ばかり除け者扱いで酷いじゃない!もっと私に構ってよ!」




それで全裸で忍び込んでくるのが理解できない・・・

確かにケイティに声をかけられていた。除け者扱いにしたつもりはなかったが条件反射で思わず逃げてしまうことはよくあった

それが原因でまさかこんな行動に出るとは・・・行動を起こす前にまず話し合ってどうにかして欲しいものだが、ケイティはこういう事においては衝動的に動く事があるんだよな




「はぁ・・・分かった、一緒に寝ていいよ。ただし!寝袋は分けて隣で寝てね。ちょっとでも変な事したら追い出すから。あといくら安全な場所とはいえ服は着なさい」


「ホント!それでいいわ!ふふっ♪」




許可した瞬間私に抱きついてくるケイティ。言ったそばから・・・まぁこれくらいは許容範囲

あまり拒否し続けて戦闘の方に影響が出ても仕方ないし見張りの交代時間が来るまでの少しの間だけ我慢するとしよう



読んでいただきありがとうございました!

「よかった」「続きが気になる」など思っていただけたら幸いです

少しでも気に入ってくれた方ブクマ、評価、感想等々頂けると大変励みになります

次話投稿時間はTwitterの方で告知させて頂きます。よろしくお願いします!

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