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86話 学校初日

ラミアスがしっかりと学校まで行けるか心配になった私はラミアスに気づかれない距離を保ちつつ様子を見守ることにした

スキップをしながら学校のある方角へと向かうラミアス

すると途中でよく行くお店のおばさんに声をかけられ呼び止められた




「ラミちゃん、1人でいるなんて珍しいわね。おや?その制服・・・」


「ふふん、そう。今日から学校に通うのだ!」


「あらあら!それは楽しみねぇ。じゃあはいこれ、学校の子達とでもお昼の時に一緒に食べるといいわ」


「おぉ!ありがとうなのだ!」




ラミアスの制服に気づいたおばさんが入学祝いとして紙包みに色々と果物を入れて渡してくれていた。あとでちゃんとお礼を言っておかないとな

それからもラミアスの事を知る人達が制服姿を見てはそれを褒めてくれ、学校へ向かう道のりを見守ってくれていた

そんな感じで道中ちょこちょこと声をかけられるものだから学校に到着したのは時間ギリギリで入学早々遅刻しそうになっていたが、迷う事なくどうにか到着することができた


さて、いくら保護者とはいえ流石に無断で学校の中にまで入るわけにはいかない

ここからは離れて観察するしかない。木に留まっている一羽の鳥に簡易的な隷従の魔法をかけ、更に知覚共有の魔法を使ってラミアスを追いかける

2階の廊下の方へ移動させると先生に連れられて教室へと向かうラミアスを発見した

教室に入っていくと他の生徒達の視線が一斉にラミアスに向く。教壇の隣に立つと先生が先に口を開いた




「は〜い皆さん、今日はこのクラスに新しくお友達が加わることになりました。では自己紹介をお願いします」


「えと、今日からここで一緒に勉強させてもらうラミアスという・・・言います。よろしくお願いします」




簡単な挨拶を終えてラミアスがお辞儀をすると皆から温かい拍手が教室に響き渡る

よし、ちゃんと挨拶は練習していた通り普通の口調でできたな

あの喋り方も個性だけど最初が肝心だから親しくなってからでもないと変に思われちゃうかもしれないからな

先生に席を案内されていよいよ授業が始まる。最初は算数の授業のようだ




「じゃあ今日は計算の小テストをしますよー」


「「えぇ〜!」」


「え〜じゃありませんよぉ、前から言ってたんですから。今までの授業をちゃんと聞いていれば簡単な問題ですよ」




初っ端からテストとはついてないな。まぁけど算数であれば買い物に行った時とかに遊び感覚で問題を出していたりしていたから初等部程度のものなら問題ないだろう

問題用紙が配られていきテスト開始。淡々と問題を解いていく子もいれば頭を悩ませる子もいた

さてラミアスの方は・・・うんスラスラと書いていってるしあの様子ならすぐ解き終わりそうだ

テストが開始されてから20分ほどが経過して採点が行われていく




「次はラミアスさん。はい、満点です。よくできました」


「おー!ありがとうございます!」




先生から花丸が書かれた満点のテスト用紙を渡されると喜ぶラミアス

今まではただ遊び感覚で問題を出してただけだったけどああやって点数として評価された方がやっぱり嬉しいものなのかな。帰って来たらちゃんと褒めてあげなくちゃ


それから他の授業も次々と行われていったが特に(つまず)くこともなく淡々とこなしていき、時間は正午を回り昼食の時間に

授業よりもこっちの方が気がかりだ。大体こういうのは仲良しのグループと一緒に食べるのがセオリー

私の時は大抵校舎裏でひっそりと食べていたりしてたからそういうのとは縁がなかったし1人でも平気だったが、ラミアスは私とは真逆のタイプだろう

ソワソワして様子を見ていると、昼食の時間になった途端に他の子達がラミアスの方へとわらわらと駆け寄っていく




「ラミアスちゃん、一緒にお昼食べよう~」


「う、うん!あっ、来る途中でお店のおばさんからこれ貰ったから良かったら食べて」


「いいの?ありがとう〜!」




私の心配などどこ吹く風でたくさんの子達に囲まれ昼食を共にするラミアス。おばさんから貰った果物も喜んでくれているみたいだ

食堂がある場所へ移動し、お弁当を開けるとシエルが今日の為にいつもより豪華にしたおかずの数々が。更にハートや星などのあの位の少女達が好みそうな形を型どって工夫もされている

周りにいた女の子達から再び注目が集まる




「わぁ~ラミアスちゃんのお弁当可愛いねぇ♪」


「家のシエルっていうメイドが作ってくれたの」


「ラミアスちゃん家メイドさんいるの?すご~い!」




お弁当をきっかけにラミアスに次々と質問が投げられていき、好きな食べ物や嫌いな食べ物。出身等の答えに詰まるような質問もあったが上手くごまかして楽しく食事が行われていった

そして一緒に住んでいる私達も話題に上がった




「ねぇねぇ、ラミアスちゃんってあのエレナさんとこの家で住んでるんでしょ?この前一緒に歩いてるところ見たの」


「うん、そうだよ〜。エレナの事知ってるの?」


「この街の人で知らない人いないよ〜。いいなぁ、私もあんな強くて綺麗なお姉ちゃん欲しいなぁ」


「エレナは・・・・お姉ちゃんっていうよりもお兄ちゃんって感じかも。結構ガサツなところもあるし」




お兄ちゃん・・・普段から男っぽい格好してるし女性的なことは全く見せられてないからな

まぁいいお手本は私以外にいるからそっちを参考にしてもらうとしよう

この後もラミアスへの質問攻めは止まらず、心配していた昼食の時間は杞憂に終わって午後からは外に出て体育の授業のようだ

もう見守る必要もなさそうだし私は帰るとするか。学校生活を楽しく送っていけそうで本当によかった



読んでいただきありがとうございました!

「よかった」「続きが気になる」など思っていただけたら幸いです

少しでも気に入ってくれた方ブクマ、評価、感想等々頂けると大変励みになります

次話投稿時間はTwitterの方で告知させて頂きます。よろしくお願いします!

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