85話 ラミアス、学校へ通う
スライムの国で一夜を明かした私達はスイムと別れを告げ、スライムの国をあとにした
帰り際には王様からお守りを頂いた。なんでもこれを持っていれば外のあの妨害魔法の効果を受けることなく入ることができるようになるようだ
魔力量が少ないスライムが妨害魔法を構築するには相当大変だと聞かされたので、消してしまった張本人として妨害魔法を習って代わりに再構築をしてあげた
そしてスイムにはずっと身に着けさせていたリザさんのアイテムをそのままあげることにした
あれを持っていれば何かあった時すぐに駆けつけることができる
今日は帰ったらすぐに仕事行かなければならないので長居できなかったが、時間ができた時にでもまた皆で会いに来よう
その時にはまた知らないスライム達と仲良くなれるといいな
私達は帰宅途中ハンナさん宅に寄って報告をしてから帰路へついた
家に帰ってくると1人分のスペースが空いた事によってどこか物寂しさを感じた。増築の必要はまだ無さそうだな・・・
そしてスイムと別れてから数日が経過。私達は普段の生活に戻りつつあった。が・・・
「暇なのだ~・・・」
ラミアスは今まで家のお手伝いはしてくれていたが、優秀で疲れを知らないシエルが1人でもテキパキとこなしていくのでラミアスが請け負う手伝いの量が僅かなもので、1日のうちの自由時間が増えて暇を持て余していた
どうにかラミアスにその時間をもっと有意義に使わせてあげたい
するとそれを横で聞いていたフレイヤが何か閃いたのか、1つの提案があがった
「じゃあ学校とかに通ってみるのはどうだ?」
「おぉ!学校!」
「学校かぁ。いいかもしれないね」
確かにラミアス位の年齢なら学校に通っている子も多いし家で手伝いばかりしているよりも友達を作り見聞を広めるのもいいかもしれないな
最初の頃に比べて人間への不信感が無くなった今のラミアスなら大丈夫だろう
レジティアには確か男女共学の学校があったからそこの初等部に入れてもらえるはずだ
それにしても学校か。私は転生者である程度の知識があったから昔と今の一般常識のすり合わせをする程度でしか学校に通っていなかったから特段いい思い出はなかったなぁ
「で、学校とはどういう場所なんだ?」
「知らないでテンション上がってたのか・・・学校っていうのはラミアス位の子達が集まって色んな科目の勉強をしたりする場所の事だよ」
「へぇ~、面白そうだな!我、学校に行ってみたいぞ!」
「じゃあ次の休みに手続きしに行こっか。色々必要なものも買い揃えなくちゃね」
こうして学校へと通う事となったラミアスと次の休みに入学手続きと一緒に学校に通う為に必要な物の買い出しに行くことに決まった
季節は秋で微妙な入学となってしまうから出来上がったグループの中に入っていくのは中々大変だろうが、明るい性格のラミアスならすぐ仲良くなることだろう
そして当日。私とラミアスはまず1番初めに被服店へと向かい、寸法を測って制服を仕立ててもらうことにした
制服は一から作ってもらうこととなるので、特急で仕上げてもらうよう依頼して明後日には出来るように手配を
その次に文房具、鞄、運動時に使う服等を揃えていき、それから学校で手続きを済ませて教科書を購入し、着々と準備が進められていった
そして登校する前日に頼んでいた制服が届いたのでサイズに問題ないか試着をすることに
「これが私の学生服・・・!どうだどうだ?」
「うん、いいね。凄く似合ってるよラミアス」
「でもちょっと大きくないですかご主人様?」
「きっとすぐ大きくなるだろうから大きめに仕立ててもらったんだ」
スカートをひらめかせて自慢気に私達へ見せてくるラミアスを見て微笑ましく思う
けど他の子達と上手くやれるかとか勉強についていけるかとか始めはラミアスなら大丈夫だろうと軽く考えていたが、準備が整っていくにつれて段々と不安になってきていた
楽しみにしている分、思っていたのと違っていたり他の子達と上手くいかなったらどうしようとか起きてもいないことを懸念していた
そんな私の心配を時が待ってくれるわけもなく初登校の日がやって来る
「じゃあ行ってくるのだ!」
「行ってらっしゃいませ、こちらお弁当です。お気をつけて」
「学校までの道は大丈夫?迷ったりしない?」
「問題ない。この前行った時に覚えた!」
そう言って学校へと向かうラミアスの姿を皆で見送った
本当に大丈夫だろうか・・・道に迷って迷子になったりしないか。考えれば考えるほど不安になってくる
「心配ならコッソリついて行ってみればいいんじゃないんですか?」
無事に辿り着けるのかと心配でソワソワしていた私を見兼ねたフィオナからの助言
そうか、バレずについていけば怒られることはない。何かあった時はすかさず助けにいくこともできるしな
なんだかストーカーのような行為でケイティを彷彿とさせるが・・・これは見守っているだけであってやましい気持ちは一切ないのでセーフなはずだ
私はラミアスに気づかれないよう身を隠しながら尾行を開始することにした
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