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81話 リヴィアの紹介

初日の訓練を終えた私はスイムのいる図書館へとやってきた

お昼に一緒にお弁当を食べる為に一度様子を見に行ったがその時点では進展はなかった

係の人に話を聞いてスライムに関して書かれている本が集められている区域は教えてもらったみたいだが、それでも相当数の本が収められていたようだ。そこからピンポイントで目的の物を探し出すには骨が折れる事だろう




「さて、スイムはどこにいるのかな」




スイムがいるであろう場所までやってきて預けておいたアイテムを先程から使っているが反応がない。熱中して忘れてしまっているだろうか?

適当にぶらぶらと人気のない場所を歩いて探していると、どこかからかうめき声のようなものが聞こえてきた




「うぅ〜、誰かぁ・・・」




よく聞くとそれはスイムが助けを求める声。声を頼りに駆けつけるとそこには雪崩のように崩れた本の山があった

私は急いで本を退かしてあげて本に埋もれたスイムを救出した




「スイム大丈夫?」


「ぷはぁ!た、助かりました・・・上にある本を取ろうとしたら他の本まで落ちてきて死んじゃうかと思いました」




落ちている本の山を元の場所に戻していき、一段落ついたところでスイムに今のところの成果を聞いてみた




「で、どうだった?何か収穫はあった?」


「だめでした~、サッパリですねぇ。前の図書館よりはスライムについて書かれている本が多かったですけど・・・」


「そっかぁ。でもまだまだたくさんあるみたいだし根気強くやっていこう」




その後は私も加わり一緒になって探して回ったが、閉館の時間になっても結局手がかりを見つけることはできなかった

日も完全に沈んでいたので先にスイムだけ家に帰して次に私はリヴィアさんが待つギルドへと向かった

入るや否や予想通り擦り寄ってきて変態的な要求をしてきそうだったので、王子の事を黙っていた件とお土産で黙らせてこちらの事情を話し情報を求めた




「残念ながら私もそのスライムの国というのは見たことも聞いたこともないね」


「そうですか。では失礼します」


「待ちたまえ、話は最後まで聞くものだ。そのスライムの国について情報を提供することは出来ないが、その問題を解決出来そうな人物を紹介することはできるよ」




リヴィアさんの伝手でその人物がいる場所を書いてもらい、その日は既にいい時間だったので後日伺わせてもらうことにして私も帰路についた

レジティアの方で調べてくれていた皆からも色々聞かせてもらったがやはり進展はみられなかった

そして翌日、この日も訓練があったので昨日と同じ様に私とスイムで再び王都へと向かった


その日の訓練内容は昨日決めた武器を使って生徒間による模擬戦を行っていくもの

冒険者となって戦うのはなにも魔物だけとは限らない。自分の武器がどの武器と相性が悪いか、どんな相手なら有利かを体で理解してもらう

不安視していたケイティと王子だが、ここでの授業は真面目にしっかりと受けている。授業は・・・だが

終わった後しつこく私に迫ってきたので全力で図書館へと避難した。他の授業がなかったら地の果てまで追ってきそうで本当に厄介だ・・・


昼からはまたスイムと昨日の場所を引き続き探し回ったが、やはりスライムの国について記載されている本は見つからなかったので私達は昨日リヴィアさんに教えてもらった場所に向かってみることにした

リヴィアさんが書いてくれた地図にはスイムも必ず一緒に連れていくようにと一筆書き加えられていた

何やら問題解決の為に当人が必要とのことらしいが一体どんな方法だろうか

紙に書かれている場所に到着するとそこにはボロ小屋のようなものが建っていた。どこかで道を間違えたのかと地図を見直したがこのボロ小屋で間違いないようだ

入るのに少し躊躇しつつも思い切って扉を叩いた




「ごめんくださ~い」




声をかけてみたが返事がない。留守なのだろうか?

ドアノブに手をかけると鍵が掛けられていないようで扉が開いた。不用心だなと思いつつも再度声をかけながら中に入らせてもらった

中は薄暗くて周りには妙な置物が並んでいてなんとも奇妙な空間だ

こんな怪しい場所で本当に手がかりを得ることができるんだろうか?




「なんじゃねお嬢さん達は?」




周りに気を取られていると奥の方から老齢な男性が現れた

声をかけても出てこなったのではなく足の運びが単に遅かっただけのようだ




「勝手に入ってしまいすみません。私達はリヴィアさんからの紹介で来た者です。聞きたい事があってお邪魔しました」


「ほぉ、あの子からの・・・」




リヴィアさんからの紹介だと聞くと男性は私とスイムの体をジロジロと見始めた

この舐めるような視線・・・誰かさんとソックリだ

案の定男性は私の周りをウロウロと回った後にお尻を鷲掴みしてきた




「ヒッ!」


「おぉ、引き締まったいいケツをしておるのぉ。弾力も申し分ない。あの子からの紹介で来ただけはあるようじゃ」




今すぐ殴り飛ばしたいところだが相手はおじいさん。殴って逝かせてしまったら大問題になる

私だけならなんとか我慢できたが、スイムのお尻にまで手を伸ばしかけていたので流石にそれは阻止させてもらった

けどこの感じで確信したぞ。このおじいさんは間違いなくリヴィアさんと同じタイプの人間だ




「ほっほっほ、料金はしっかり頂いたぞい。本当はそっちの子のケツも触らせて欲しいところじゃが今回はお嬢さんのケツに免じて許してやるとしよう」




今のが代金代わりだったのか。果たして得をしたのか損したのか・・・・今は深く考えないでおこう

私はおじいさんに事の経緯を説明してスライムの国というものがないか質問をした

しかしおじいさんもその事については全く知らないとこの事だった。触らせ損かと思い早々立ち去ろうとすると、おじいさんが制止してきた




「そのお嬢さんの国の事は知らんが辿ることは出来るぞい。こちらに来てくれるかの」




そういうとおじいさんは奥の部屋へ入るよう誘導してきた

また変な事をしてくるのではないかとおじいさんを問い詰めたが、スイムの国を調べるのに必要な事だというので私達は半信半疑で部屋の中へと入っていった





読んでいただきありがとうございました!

「よかった」「続きが気になる」など思っていただけたら幸いです

少しでも気に入ってくれた方ブクマ、評価、感想等々頂けると大変励みになります

次話投稿時間はTwitterの方で告知させて頂きます。よろしくお願いします!

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