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79話 新たな生徒達

レジティアに戻ってきてからというもの、図書館に通って色々な本を漁って調べてみたが未だに有力な情報は得られていない

そもそもスライムについて詳細に書かれている本自体が皆無で、見つけてもスライムの生態が簡単に書かれている程度のもので国という文字すら出てこなかった

ギルドマスターや受付のお姉さん、他の冒険者にも色々話を聞いてみたが結果は同じ

そうこうしているうちにあっという間に2期目の新人冒険者を育成する日がやってきた

この街では何も収穫がなかったので私達は頼みの綱の王都にある王立大図書館へ行ってみることにした

王立大図書館とは国が資金を援助して作られた図書館であり、レジティアにある図書館よりも遥かに大きく数多くの本が取り揃えられている

そこにいけばもしかしたらスライムの国について何かしらの情報は得られるかもしれない




「私とスイムは王都に行ってくるね。夜には戻ってくるから」


「どうぞこちらお弁当です。私達もあとで図書館に行って探してみたいと思います」


「我も一緒に探すぞ!」


「2人ともありがとうね。じゃあこれ、まだ探してない場所のリスト」




シエルとラミアスは家の事が終わったらこちらの図書館で引き続き探してくれるらしい

フレイヤはレジティアに戻ってきてからというもの、世界樹での苦い敗戦を機に特訓に明け暮れていた。その休憩がてらに近くの町や村に寄って聞き込みもしてくれている

フィオナはよく働きにいくお店で接客をしながらお客さんにも話を聞いてみてくれているそうだ

そして王都にやって来た私とスイムは今目的の図書館の目の前までやってきた




「わぁ・・・本当に大きいですねぇ。一体どれ位の本が置いてあるんでしょう」




詳しくは知らないがこの図書館は見て回るだけでも数日はかかるみたいだ

なので図書館の中で食事も提供していたり、リラクゼーションスペースが設けられていたりと様々な工夫が施されている

お昼になったら一緒にシエルからもらったお弁当を食べる約束をし、それまではスイムには悪いが1人で探してもらうこととなる

一度攫われているので変な人に連れていかれないようリザさんから貰っておいた合図を送るアイテムを念の為スイムに渡し、私はその場をあとにして冒険者育成施設へと足を運んだ


施設に到着すると外には既に新人冒険者達が何人か集まっていた

まだ時間はあるようなので私はリヴィアさんがいる部屋へと向かい、スイムの件を話すことにした




「リヴィアさん、お久しぶりです」


「おぉ、久しぶりだねエレナ嬢。君と会える日を今か今かと待ち侘びていた」


「リヴィアさんに聞きたいことがあるんですが今日訓練が終わった少し時間ありますか?」


「華麗にスルーされてしまったが・・・まさか再会早々君からお誘いがくるなんてね。君の頼みなら勿論空けておくとしよう」




リヴィアさんとの約束も無事取り付けることがてきた。行く時は帝国で買ったお土産を無理矢理渡して無茶な要求を出来ないようにしてやろう

私は身支度を整えて新生徒が待ち構えている訓練所へと向かい、生徒達の前に立って挨拶を行った




「初めまして、戦闘指南を担当するエレナと言います。よろしくお願いします」


「「「よろしくお願いします!」」」


「ではまず準備運動から始めて下さい」




私の指示に嫌な顔せず淡々とこなしていく新生徒達

うんうん、今回は反発してくるようなこともなくてスムーズに訓練ができそうだな

そう思っていた矢先、準備運動を行っている生徒達の中から1人の女性が私の方へと向かってきた

私はその女性の顔を見て思わず目が飛び出そうになった

カステルの村の隣町に住んでいるはずの女性が今私の前に立っている




「ケイティ・・・」


「久しぶりねエレナ。今は先生とつけた方がいいのかしらね」




どうしてこんな所にケイティがいるのか。いや、冒険者になりに来たというのは分かるが、ケイティは冒険者のような職より花屋のような可愛いものに囲まれながら生活していくのが好きだと思っていたから以外だ

多分それを捨ててここにやって来た理由は・・・・




「貴女が王都で冒険者を育成しているという話を風の噂で聞きつけてね。これなら合法的に貴女一緒に入れると思ってね。うふふ♪」


「あ、あぁ・・・そう、なんだ・・・」




やっぱりこの人なんか怖い・・・私に会いたいなら普通に来ればいいのに。場所だって知ってるだろうし何故か変わった手段を用いて接触を図ってくるんだよな

それにしてもまさか冒険者になってまで会いにくるなんて・・・




「知り合いとはいえここでは他の生徒達と一緒で特別扱いは出来ないからね。入った以上は訓練もしっかり受けてもらうよ」


「は〜い、エレナ先生♪」




ケイティは私に手を振りながら皆の元へと戻って準備運動を再開した

今回は穏やかに授業を行えると思ったが・・・・どうやらそうもいかなそうだ

他の生徒と一緒と言った以上変に避けるわけにもいかないからな。面倒事がまた1つ増えてしまったよ・・・

読んでいただきありがとうございました!

「よかった」「続きが気になる」など思っていただけたら幸いです

少しでも気に入ってくれた方ブクマ、評価、感想等々頂けると大変励みになります

次話投稿時間はTwitterの方で告知させて頂きます。よろしくお願いします!

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