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78話 女の子?男の娘?

エルロンド帝国領を出て転移でレジティアに戻ってきた私達はスイムを自宅へと案内した




「スイム、ここが私達の住んでいる家だよ。遠慮せずにくつろいでもらっていいからね」


「素敵なお家ですねぇ。お言葉に甘えて暫くお世話になります!」




スイムが加わったことによってこれからは6人暮らしとなる。家を建てたばかりの3人だった頃に比べたらこの家も大所帯になってきたな

人族とエルフに竜に自動人形、魔族で魔王の娘に人の姿になるスライム。ここまで他種族が一緒になって暮らしている家も珍しいだろうな

賑やかになったのは良いことだがその分家の中のスペースは徐々に狭くなってきている。ここまで増えることは想定していなかったので部屋数もスイムが来たことでもう一杯

当面は問題ないだろうがそのうち増築とかしてもいいかもしれないな


家の中を一通り案内し、使っていなかった部屋の掃除をしてスイムに渡した後はお風呂に入り長旅の疲れを癒した




「はぁ・・・久しぶりの自分家のお風呂。やっぱり落ち着くなぁ」


「お背中流しに来ましたぁ♪」




湯船に浸かって寛いでいると、スイムがやってきた

お世話になるからとタオルを持って背中を洗いに来てくれたくらしい

気を使わなくていいとは言ったが今日位はやらせて欲しいと強く迫られたので既に洗い終えていることは言わずに洗ってもらうことにした




「では失礼しますねぇ♪」




スイムが中に入ってきて体に巻いていたタオルを取ると、私の視線は下のある部分に釘付けにされてしまった

何故かというと通常女性にはついてなくて男性についているものをスイムがぶら下げていたからだ




「あの、スイムさん。その股間にぶら下げてるものは一体なんですかね・・・」


「えっ?あわわわ!すみません。まだ体の調整に上手くいかなくて。今直しますね」




私が指を差して教えてあげるとスイムはようやく気がついたのか慌てて自分の体に男の大事なものを引っ込め始めた

スイムの説明で発覚したが、スライムは無性というのが私達の中で一般的な常識だったけどどうやら真逆の両性とのこと

確かにスイムの見た目は女性寄りではあるが男性とも取れる中性的な見た目だ

まさかこんな形で知ることになるとは思わなかった・・・




「もっと驚かれると思いましたけどエレナさんは驚かないんですねぇ。経験がおありでしたか」


「いや、経験はないよ。小さい頃父親と入っていた時にね」


「あーそっちでしたかぁ」




まぁそれも本当の話ではあるがまさか自分にも昔ついてて見慣れてますから・・・なんて言えるわけないよなぁ

スイムが満足いくまで私の体を洗わせてあげ、洗い終わったようなので再び湯船へと戻ろうとするとスイムに呼び止められてる

どうやらおもてなしはこれだけではないようで、何をするのかと思って見ていると何故か湯船に浸かり始めた

一体何をしているのかと様子を窺っていると、浴槽に溜められていたただのお湯が徐々にスイムの色と同じ桃色のものへと変化していった




「今度はスライム風呂です~。どうぞ入ってみて下さい」


「す、スライム風呂?」




スイムに促され恐る恐る入ってみるといい意味で期待を裏切ってきた

さっきまでただのお湯だったのが変色しただけでなくとろみまでついていて、肌にまとわりつくような感覚がなんとも言えない。そして暫く入って肌を確認してみるとモチモチすべすべへと変貌を遂げていた

他にも肩こりや冷え性等にも効き目があるらしい。これは世の女性達が飛びつきそうな効能だな

スライムの風呂屋なんて開いたら繁盛しそうだ。スイムの体液ってことを考えないようにすればだが・・・


それからスイムと一緒にお風呂に入りながら色々な話を聞いているうちにスライムの国について少しずつ分かってきた

スライムの国には様々な種類のスライムが住んでいて、スイムが知っているだけでも百数十種類のスライムが存在しているらしい

私が知っている数種類のスライムは氷山の一角でしかなかった事に驚いた。世界は広いなと実感させられた

どうやって意思疎通を図っているのか聞いてみると普段は念話でお互い会話をしている事も分かった

言葉を話すスライムもいるようだが一部だけで、その中から更に人の姿に変身することができるのはスイムとごく一部の者だけなようだ。何百種類といるスライムの中でも相当珍しい種族なんだろう




「本当にどこにあるんでしょうかねぇ。目印でもつけておけばよかったなぁ。恥ずかしい話です」


「とりあえず明日は図書館に行ってスライムの国について書かれてる本がないか探そっか。そのうち王都にも仕事で行くからその時にそっちでも調べてみるよ」


「助かります〜!改めてよろしくお願いします!」




一応ギルドマスターにもそれとなく訊ねてみるか

こっちのギルドマスターはともかく王都の変態の方は・・・何か要求されそうなのが怖いが聞くだけ聞いてみるか


私が上がった後もスイムは他の皆にも同じようにもてなしをしていた。スライム風呂は皆からもとても好評で暫くの間私達の家ではスライム風呂が続いた

そのせいでスイムの体が縮んで消滅しかけたがそれはまた別のお話


読んでいただきありがとうございました!

「よかった」「続きが気になる」など思っていただけたら幸いです

少しでも気に入ってくれた方ブクマ、評価、感想等々頂けると大変励みになります

次話投稿時間はTwitterの方で告知させて頂きます。よろしくお願いします!

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