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64話 世界樹の泉へ

朝起きたら突然子供の姿になっていた私は裸のままでは出歩くことができないので、一先ずフィオナの家にあった服を貸してもらってその場を凌いだ



「フィオナの小さい頃の服ピッタリね。とっておいてよかったわ」


「似合ってますよエレナさん♪」


「う、うん・・・」



貸してくれたのは有り難いけど花柄のワンピースって・・・可愛すぎだし動きづらいんだけど

複雑な気持ちだけどとりあえず今はこれで我慢するしかない

とにかく今はこうなった原因を解明する為に私達はフィオナの両親からも話を聞くことにした



「こんな時にすまないが昨日言いそびれてしまったので自己紹介だけ。フィオナの父ロデリオです。娘がお世話になっているねエレナ君」


「あっ、どうも初めまして。こちらこそお世話になってます」



この人、昨日酔い潰れていた人だ。この人がフィオナの父親だったのか

二日酔いで怠そうだけどとりあえず話に参加してもらおう



「それにしてもどうしてエレナさんだけこんな姿になってしまったんでしょうか?」



確かに他の人は見たところ全く異常が見られない。どうして私だけ子供の姿になってしまったのか

昨日の宴会の後はすぐベッドに入って寝ちゃったから何かあったとしたらそれより前なんだけど・・・ダメだ、原因が思い当たらない

まさか寝てる間に誰かに何か仕込まれたとか?



「うーん、何か変な物食べたとかですかね?」


「変な物って言われても・・・昨日は皆に出された料理と同じ物しか食べてないんだけどなぁ。キング・ボアの肉に山菜、あと数種類のキノコとか色々かな」


「キノコ・・・あっ」



昨日食べた物を何となく上げていくとフィオーラに何か思い当たる節があったのか、質問を投げかけられた



「もしかしてその食べたキノコの中に他のキノコより傘が大きくて黄色っぽいのなかったかしら?」


「あーはい、昨日フィオナが焼いてくれたものの中にありましたね。見た目はいまいちでしたが美味しかったです」


「やっぱりねぇ。昨日フィオナが食べさせたそのキノコ、それは人間には有毒だと聞いた事があるの。でもまさか小さくなっちゃうなんて思わなかったわ~」



あのキノコ、あんなに美味しかったのに毒だったのか!

つまり私が小さくなったのはフィオナから貰ったキノコが原因だったってこと?



「そ、そんなぁ!あのキノコにそんな毒があったなんて知らなかったんですぅ!」


「まぁ悪気がないのは分かってるから。死んだりするような毒じゃなかっただけよかったよ」



そう、有毒というのなら魔法で解毒すれば元の体に戻れるはずだ

そう思い早速解毒の魔法を試そうと自分の体に手を当てた

しかしどれだけやっても魔法が発動しない。なんとこの体になった事で魔法までもが使えなくなってしまっていた

どうやら体が縮んだだけでなく年齢まで相応になってしまっているらしい

見た所今の私は7、8歳程度といったところか。魔法が使えない年齢まで下がってしまったのか・・・



「あの、これを治す薬ってエルフの里には・・・」


「ないわねぇ・・・エルフには無害だったしそもそもその薬の作り方も知らないわ」


「時間でも戻ったりとかは・・・」


「うーん、少ししたら元に戻るかもしれないし一生そのままの可能性も・・・」



つまり分からないということですね・・・

治す薬もいつ元に戻るかも情報ない今為す術もない。王都に戻って探せば治せる薬が見つかるか?

でもこんな姿になったと知られたらヤバそうなのが1人・・・いや2人いるんだよな

そう思うと王都に行くのは最終手段として可能ならここで解決させたい

そういえば先程からやけに静かにしているフレイヤの様子が気になるな。普段こういう時はうるさい位会話に入ってくるというのに今日はプルプルしているだけで大人しい



「フレイヤ?どうかしたの?」


「すみません・・・ずっと我慢していたんですがもう限界です」



そう言うや否やフレイヤは私を持ち上げ、強く抱き締めて頬を擦り付けてきた



「ご主人様かわいすぎです〜!少しでいいので抱かせて下さい!」


「ちょっと!今はそんな事やってる場合じゃないから!」



精一杯に力を振り絞ってフレイヤを引き剥がそうとするが、今の私の力では抵抗することもできない

私は諦めてフレイヤにぬいぐるみの様に抱かれ続けた



「もういっそこのまま子供の姿で暮らしてはどうだ?我の妹になるがいい!」



ラミアスまでこんな事を言い始める始末。このままでは皆のおもちゃにされてしまいそうだ

そうだ、帝国ならどうだろうか。全く知らない場所だがそれ故に未知の物も多く存在するはずだからこの体を元に戻す薬もあるかもしれない

エルフの里にはもう少し滞在していたかったが、こっちの方が優先事項だ

早速帝国までの道を調べ準備に取り掛かろうと思っていた矢先、ロデリオさんが何か思い出したのか突然口を開いた



「そうだ、世界樹に行けば治るかもしれない」


「世界樹ですか?」


「あぁ、世界樹の中に泉があってそこに入れば病や毒、呪い等のあらゆる症状を治すことができる。そこならきっと元の姿に戻れるはずだ」



世界樹にそんな泉が・・・行きたいなとは思っていたがまさかこんな形で目指す事になるとは。けどその泉に入る事ができればきっとこの体も元に戻せるはずだ

帝国に行くよりも世界樹へ向かう距離の方が短いし決まりだな

とりあえずはそうだな・・・まず始めに服から着替え直そう。ワンピースでは恥ずかしいし動きづらくて仕方ない


読んでいただきありがとうございました!

「よかった」「続きが気になる」など思っていただけたら幸いです

少しでも気に入ってくれた方ブクマ、評価、感想等々頂けると大変励みになります

次話投稿時間はTwitterの方で告知させて頂きます。よろしくお願いします!

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