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61話 エルフの里へ

講師の仕事が暫く休みになったので、私は久々に冒険者として依頼をこなしていた

ダンジョンでミノタウロスと戦って以降魔物との戦闘は全くなかったので新鮮で楽しかった

しかしそれは数日程で飽きてしまい、畑も今季は何も育てていないので今は暇を持て余している

のんびりするのも悪くないが、暇だからといってずっとそれだけしてるのも良くない気がする



「はぁ、どこかに遠出とかしたいなぁ」


「唐突ですね。行きたい場所とかあるんですか?」


「いや、ないけど・・・強いて言うなら空気の美味しい所に行きたいかな」


「でしたら私の故郷に行きますか?」


「フィオナの故郷に?」



エルフの里がある場所の近くには世界樹が確かあったはず

世界樹は王都にある古代樹より更に昔から存在していて知らない者はいない有名な大樹。前世では魔王攻略ルートから大きく外れていた為、世界樹を見る機会には恵まれなかったからいいかもしれない

ただ世界樹がある場所は国境を超えた先。なので検問を受けるのに入国許可証が必要だが、その点は私達が持っている冒険者登録証があるから問題ないだろう

冒険者1人につき同行人1人が許されているからシエルやラミアスも許可証がなくても大丈夫なはずだ



「今の季節だと一面に広がる紅葉が綺麗で山の幸が豊富ですし、冬眠に備えてそれを食べる獣の肉も脂が乗っていて凄く美味しいですよぉ♪」



紅葉に山の幸か・・・どちらも魅力的だ。益々行きたくなってきた

世界樹の近くは魔力が満ちているだけでなく土にも栄養が行き渡っていて、その影響を受けているキノコや山菜、木の実等の食べ物が大変美味だと聞いている

脂の乗った獣を倒してそれと一緒に調理すれば間違いなく美味しいはずだ



「あっ、でも私達が行っても大丈夫なの?エルフの里にエルフ以外の種族が入るのはまずいんじゃない?」


「うーん、長老さんからの許可を貰わないといけないと思いますが私が一緒にいれば多分大丈夫だと思いますよ〜」



なんか適当な返事だな・・・本当に大丈夫だろうか

けどここでただ時間を潰すより断然いい

そうと決まれば善は急げだ。早速準備を始めてエルフの里へ向かうとしよう



「お出かけするのか!?」


「うん。皆でエレナの故郷に遊びに行こう。シエル、ラミアスの準備を手伝ってあげてくれる?」


「畏まりました。行きましょうラミアス様」


「お出かけ楽しみだなぁ♪」



2人は荷支度をしに2階へ消えていった

そういえばラミアスは街を出て出掛けるのはこれが初めてか。浮かれるのも無理はない

フィオナが言うにはここからエルフの里までは徒歩で2、3週間程。フレイヤにお願いすれば休憩を挟んでも数日で到着できるだろう

小一時間程で出発の準備を整え、私達はフレイヤの背中に乗せてもらってエルフの里を目指して出発した



「うおー!いい眺めなのだー!」


「こら暴れるな!落ちても助けてやらないぞ!」



流石に4人もいると速度は落ちるか。軽量化する魔法を私達にかけて負担を減らそう

時間はたっぷりあるんだ。安全飛行でのんびり移動すればいい

休憩を挟みつつ飛行を繰り返し、宿は道中で見つけた村のを利用させてもらい明日に備えた

しかし2日目は生憎の豪雨。出鼻をくじかれた思いだったが落雷の危険もあったので急遽もう1日そこの宿で泊まり、3日目に移動を再開してその日の日没前には国境沿いまで来ることができた

私、フレイヤ、フィオナの3人は冒険者登録証の提示で入国し、シエルとラミアスの2人は同行人として無事全員検問を抜けられた

ここからはエルロンド帝国領に入る。ここから南下していくと首都があるとの話なので、エルフの里に行った後にでも行ってみてもいいかもしれない

その日は検問所に併設されていた宿泊施設で一夜を明かし、4日目を迎えた


4日目正午。エルフの里まで数時間程で到着する所までやって来ると景色が変わってきた

赤く染まる木の葉をつけた樹々。それが辺り一帯が埋め尽くされていてまるで赤い絨毯が敷かれているようでとても綺麗だった

ここまでの紅葉を見たのは生まれて初めてだ。思わず見入ってしまう



「凄く綺麗だね。これだけでも来た甲斐があったよ」


「それは良かったです♪あっ、ほら見えてきましたよ。世界樹です」



フィオナの指さす先に目を凝らすと世界樹がうっすらと見えてきた

周りの樹々も十分立派だがそれが可愛く思える。それほどまでに世界樹は圧倒的な存在感を示していた

ここからでもあれだけの大きさだ。目の前まで行ったらどれほどの大きさなのか想像もつかない


エルフの里に近づいてきたら地上へ降りて徒歩に切り替えて移動する

周りにある樹の根っこが露出していて、行く手を阻むように生えていたので思ったよりも時間がかかってしまった

途中でラミアスが音を上げてしまったので、私がおんぶして残りの道のりを歩いた


そしてようやく森を抜けると、目の前には木の杭の壁で覆われた場所が現れた



「あれが私の故郷、エルフの里です」



数日かけて到着したエルフの里

一先ず移動疲れを癒したいところだが、果たしてすんなり入れてもらうことはできるだろうか


読んでいただきありがとうございました!

「よかった」「続きが気になる」など思っていただけたら幸いです

少しでも気に入ってくれた方ブクマ、評価、感想等々頂けると大変励みになります

次話投稿時間はTwitterの方で告知させて頂きます。よろしくお願いします!

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