表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

45/224

45話 元同級生は変態さん?

市場を一通り見終えるとお店が開く時間になっていたので、私達は市場をあとにしてお店へと向かった

お店の人のお客さんを呼び込む活気のある声。大通りは朝来た時と比べると人が増えていて随分と賑やかになっていた


お店に到着したらメモを取り出して次々とカゴに入れていく。昔からよくおつかいで通っていたお店でどこに何があるか把握しているので、メモに書かれていた物はすぐカゴに入れ終えてあとは会計を済ませるだけだった



「あっ!ちょっとそこのあなた!」


「え・・・私、ですか?なんでしょうか?」


「やっぱり。久しぶりねエレナ」



会計を担当している店員さんに声をかけようとしたら突然他の女性店員が私を呼び止めてきた

はて、この女性と知り合いだっただろうか?

相手はこちらの事を知っているようだが思い出そうとしても全く記憶にない

以前お店に来た時はいなかったと思うが・・・

頭を捻るも一向に思い出せないでいると女性の方が痺れを切らして声をあげた



「私よ!ケイティよ!忘れたの?」


「ケイティ・・・あっ、もしかしてあのケイティ?」


「お知り合いですか?」


「うん、この人はケイティ。私と同じ学校に通ってた子」



ようやく思い出した。子供の頃町にある学校に通っていた時に同じクラスにいた子だ

最後に会ったのは子供の頃だったから全然気づかなかった

けど通っていたといっても一般常識を学ぶ為にほんの一月程だけだったし・・・それに思い出してきたけど私この子に嫌われてたんだよなぁ


私が学校に通い始めてから数日が経った頃、私は彼女からイタズラをされるようになった

元々すぐ辞めるつもりだったし子供と話が合うわけもないので目立たないよう過ごしていたが、それが逆に彼女の機嫌を損ねたのかよくちょっかいをかけられていた

わざとぶつかってきたり水をかけようとしてきたりしたが、その頃から私は体を鍛え始めていたから当てられるはずもなく全て躱してやった


そんな感じで全く堪えない私に次第にイタズラをする回数は減っていき・・・なんてことはなく、ケイティは頑なにイタズラをしてきて、結局私が学校を辞めるまで続いた

彼女を怒らすような事は何一つしていないはずなのにどうしてあそこまでしてきたのか今も謎のままである

そんな彼女との数年ぶりの再会。一体何を言われるのやらと考えていると、私の予想とは相反し彼女はなにやらモジモジしているなと思ったら突然頭を下げてきた



「エレナ、ごめんなさい!」


「えっえっ?」


「私のせいで学校に来なくなっちゃって・・・私ずっと謝りたかったの」



一瞬何を言っているのかよく分からなかったが、どうやらケイティは私が学校を辞めたのは自分のせいだと勘違いしているようだ

あの程度の事何とも思ってなかったが。実際こうして会うまで完全に忘れていたし

けど彼女はずっとその事を気にしていたようだ



「学校を辞めたのはケイティのせいじゃないから別に気にしなくていいよ」


「そ、そうなの?良かった・・・私あなたに嫌われたかと思って」


「えっ?ケイティは私のこと嫌いだったんだよね?」


「へっ?私あなたのこと嫌ってなんかないわよ?」



お互いが頭に疑問符を浮かべる

どういうことだ?嫌ってもいないのにあんな事をする理由が見つからない

意味が分からない私は彼女に再度問いかけた



「だってわざとぶつかってきたり水をかけようしたりしてきたのって私が嫌いだったからでしょ?」


「違うよ。ぶつかろうとしたのは・・・あ、あなたにくっつきたかったからで水をかけようとしたのは・・・どんな下着つけてるのか気になっちゃってつい」



ケイティは顔を赤らめながら私に対して行ってきたイタズラの理由を明かしてきた

口ぶりから察するにケイティは私と仲良くなりたくてあんなことをしてきたんだろうけど・・・にしてももうちょっとやり方があったんじゃないか?

・・・もしかして御手洗の時に必ず隣に入ってきた行為も故意でたまに運動着が無くなってたのも彼女が・・・?



「あぁ、お人形さんみたいに可愛いかったエレナ・・・大人になっても綺麗で素敵・・・」



最初に声をかけられた雰囲気とは明らかに様子が変わるケイティに私達は反射的に後ずさりする



「ご、ご主人様。この女なんかヤバい匂いがします」


「私もこの人はちょっと危険な気がします・・・」


「ケイティさんの興奮度が段々と上昇して異常値に達しています」




まさかここで働いてるのも私がよく使っていたから?

そう思うと鳥肌が立ってきた。今まで口説きに来た男達の事は何とも思わなかったが、彼女は別次元すぎて形容しがたい恐怖を感じた



「ね、ねぇエレナ。これから私の家でお茶でもしない?2人きりでゆっくり・・・とね」


「結構です!お邪魔しましたー!」


「あっ!ちょ、ちょっと~!」



貞操の危機を感じた私は会計の人にお釣りの事など考えず、お金だけ置いて全速力で逃げた

朝ガイン達に会っただけでも災難だったのに久々に出会った同級生がヤバい奴で・・・今日はなんて日なんだ

流石にこれ以上は何も起きないと願いたい




読んでいただきありがとうございます

「よかった」「続きが気になる」など思っていただけたら幸いです

少しでも気に入ってくれた方ブクマ、評価、感想等々頂けると大変励みになります!

次回更新はTwitterの方で告知させて頂きます。よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ