表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

25/224

25話 開幕

剣舞祭当日、会場には続々と人が集まってきていた

昔からあるコロッセオを今風に改装されたこの場所が試合会場となる

試合のルールは勝ち抜き戦で、魔法等の使用は一切禁止されており純粋な剣技のみで勝敗が決する。戦闘不能にするか相手が降参したら試合は終了

優勝するには計6回勝たなくてはいけない。剣舞祭は2日に分かれて行われるらしいので今日で半分減るというわけか

フレイヤとフィオナは・・・いた。客席の最前列の方でこちらに向かって手を振っている



「エレナさーん。頑張って下さーい」


「ご主人様ー!やっちゃってください!」



2人の声援に手を挙げて応える

にしても周りは男だらけで女性を全然見かけないな

女性の参加者は私しかいないんじゃないか?

それに客席からも参加者達からも視線が集中していて気まずい。理由は勿論私が腰にぶら下げている聖剣が原因だろう

分かってた事だけど凄い注目度だな



「あの子が聖剣を抜いた子?綺麗〜。名前はなんていうんだろう」


「えーっと多分エレナって子じゃないかな。女の参加者はあの子ともう1人しかいないみたいだし」



私以外にも女性参加者がいたのか。よかった

女の子同士できれば挨拶位したいんだがどこにいるんだろうか

男性参加者の間を抜けもう1人の女性参加者を探し始めたその時、大柄の男が目の前に立ちはだかってきた



「嬢ちゃんか!聖剣に選ばれたっていうのは!」


「はぁ、そうですけど」


「ん?俺を見ても驚かないってことは嬢ちゃんさては田舎からきたな?俺の名はガイズ。王都を拠点に活動している冒険者だ!ギルドに入っていれば俺の名は知らない奴はいないんだがな」



すみません。全く知りませんでした

レジティアでは聞いたこともないし誇張しすぎじゃないだろうか

確かに周りの参加者よりは強いのかもしれないが・・・



「それで私に何の用ですか?」


「なに、聖剣を手にした人物をこの目で拝見したかっただけだ!邪魔したな!」



そう言い残すとガイズと名乗る男は去っていった

突然現れたと思ったらすぐいなくなって忙しない男だったな

っとそうだ。女性参加者を探してるんだった

もうすぐ開幕式が始まってしまうから急がなくては・・・って言ってるそばから見つけた!

私が女性の元へと近寄ると、気配に気づいたのか女性もこちらの方に顔を向けてきた

その顔は以前見たことのある顔だった。セフィリアと遊んだ時に迎えに来ていたお付きの・・・ユリウスさんだ

この人も剣舞祭に参加するのか



「エレナさんお久しぶりです。というよりこうして挨拶を交わすのは初めてなので初めましてと言った方がいいですかね」


「そうですね、以前はお互い顔を合わせただけでしたからね。ユリウスさんも剣舞祭に参加されるんですか?」


「はい。当初は参加する予定ではなかったのですが気が変わりまして」


「へぇー、どうして参加する気になったんですか?」


「それは勿論貴女ですよ。エレナさん」



先程とは明らかに雰囲気を変えてきたユリウスさん

今は私にしか向けられていない為周りは全く気づいていないが、ここにいる参加者全員を尻込みさせるような圧が放たれている

ユリウスさんが続ける



「初めてお会いした時に感じました。この人は私より遥かに強い存在だと。あの場では平静を装いましたが内心では高揚していました。セフィリア様が招待状を送ったのを知った時に剣舞祭に参加するのを決意しました。胸を借りるつもりで全力で挑ませていただきますね」



どうやらあの日私がユリウスさんを只者ではないと感じた時に彼女も同じような事を考えていたようだ

クールに見えて意外と熱い人なんだな。ここまで言われたらこちらも応えてあげなくてはいけないな



「こちらこそ。期待に添えるよう全力で受けて立ちます」


「エレナさんとは反対のブロックになるので対戦するとしたら決勝戦ですね。楽しみにしています」



それだけ言うとユリウスさんは去っていった

魔法は使えないが久々に全力を出す事ができる。楽しみになってきたぞ

意気込んでいると甲高い鐘の音が鳴り響いた。開幕式が始まる合図だ

最上段の方に目を向けると国王とセフィリア、そしてもう1人男性がやってきた

あの場にいることと身なりからして恐らく王子様だろうか

前回の謁見の時には姿を見せなかったが、よく見ると国王にそっくりだな

私が見ているのに気がついたのか、セフィリアがこちらを向いて軽く手を振ってきた



「おい、王女様がこっちに手振ってきたぞ。俺に振ってくれたのかな」


「バッカ!俺に決まってるだろ。お前にそんな事するわけねぇから」



俺だ俺だと盛り上がる男達。おめでたい奴らだな・・・

王族の面々が席に着き、国王が喋り始めようとすると辺りは一斉に静まり返った



「諸君、今日はよく集まってくれた。これより剣舞祭を開催する。各自自分の実力を存分に発揮させ優勝を目指して欲しい。優勝したものには賞金と・・・そしてこちらの剣を授与する」



王が見せた剣は白金の剣

光り輝く姿聖剣に負けずとも劣らない

あんな立派な剣を優勝賞品にするなんて随分と太っ腹だな



「この剣は聖剣を除けば間違いなくこの国で1番の業物。皆是非とも励んでくれ。それでは健闘を祈る」



国王の挨拶が終わると辺りは再び盛り上がり始める

こうして剣舞祭が幕を下ろした。まずは今日を勝ち抜いて明日に繋げなくては



読んでいただきありがとうございます

「よかった」「続きが気になる」など思っていただけたら幸いです

少しでも気に入ってくれた方ブクマ、評価して頂けると大変励みになります!

次回更新はTwitterの方で告知させて頂きます。よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ