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223話 その後

「ん・・・ここは・・・?」




目を開けるとそこはまっさらな何もない空間で私1人がそこに立っていた。この空間は憶えている、魔王との戦いで命を落とした時に来た場所だ

ということは私はまた命を落としてしまったのか?生命(ライフ・)変換(コンバージョン)を使用したとはいえ死に至ってしまう程使ったつもりはなかったんだが

体は言う事をきくみたいだがどうしたものか・・・困り果てているとどこからともなく声が聞こえてきた




「目覚めましたか勇者エイク。いえ、今はエレナでしたね」


「この声は・・・もしかしてルキナス様?」




そういえばこの空間に来た時もルキナス様に転生をさせてもらった時だったっけ。前回は姿を見せてくれたが今回それはないんだな

しかしそうか、やはり私は死んでしまったんだな。最後に皆と言葉を交わすことも出来なかったなんて・・・全員で街に帰ってまたお店をやったり他にも色んな場所に行ってみたかったんだけどな




「二度目の人生・・・楽しかったなぁ。けどもっと皆と一緒にいたかったな」


「勘違いされているようですが命を落としたからここにいるわけではないですよ。貴女と少しお話がしたくてここに来て貰っただけです」


「あっ、そうなんですね・・・」




私の早とちりだったようだ・・・それを聞いて安心した、また皆のところに戻れるのか。ここで死んでしまったら頑張った意味が無くなってしまうからな

ルキナス様が私と話したかったのは当然魔神の件についてで、魔神の企みに気づかず襲撃を許してしまったことについて謝られてしまった

ハリオンも女神様に悟られないよう細心の注意を払いつつ魔族を使っていたから仕方がないとは思う。結果的に最悪の事態を避けることが出来たのだから女神様を責めるつもりはない

それとは別に以前セレーネがルキナス様と話したという魔王復活の件について、セレーネはあの時全く気づいていなかったがあれはルキナス様を装ったハリオンだったようで、法国に向かう恐れがあった私達を近づかせない為にした行いだったそうだ

長年離れていたとはいえ友の偽物かどうかなんて気づかなかったとは・・・あとでセレーネとよーく話をしないといけないな




「それであの魔神は倒せたのでしょうか?」


「残念ながらあれは一時的に消滅させることは出来ても完全に倒すことは私達でも難しいのです。なので魔神が出現する度私の遣いに対応を任せているのですが懲りずに何度もやって来ます。恐らくまた何かしら企んであの世界に現れてくるでしょう。けど暫くは魔神が現れる事はないはずです。あれがあの世界に生まれ落ちるには力を蓄えないといけない、今回で従えていた魔族がいなくなった事で魔神はそれを失った、あれが再び現れるのは恐らく数百年後になるでしょう」




やはりあの程度では魔神は死なないか。セイバーはハリオンが現れる度にああやってあの世界を守ってくれている。けど今回のようにセイバーがすぐ到着するとは限らない。数百年後に現れるとしたらその頃には私はもういない・・・もしまたハリオンが現れた時の為にセイバーだけに頼らず人間達だけでも戦えるよう色々と準備をしておかないと。これまで以上に力をつけ、それを後世に残していけるよう頑張って行こう




「今回は貴女の力もありお陰で世界の危機は去りました。私達の子供達を守ってくれた事感謝致します」


「いえ、私はただ自分の守りたいものを守ろうとしただけですから・・・あれ?体が段々消えていく」


「そろそろ時間のようですね」




体が徐々に透けていき目の前がぼやけていく。どうやらルキナス様と話せるのもここまでのようだ




「最後に一つ聞かせて下さい、今の暮らしはどうですか?」


「この体になってまぁ色々とありますが・・・家族や仲間達のお陰で充実した毎日を送っています。私にもう一度生を授けてくれて本当にありがとうございました」


「そうですか。二度目の人生、どうか謳歌して下さい」


「はいっ!」




その言葉を最後にルキナス様の声は聞こえなくなった。目覚めたらまたあの場にもどるんだろうか

起きたらやる事が沢山だな。怪我人の治療に壊された建物の修復に倒した魔物の処理、全部出し切った状態で体は相当怠いだろうがもうひと踏ん張りだ




「ん、んん・・・」


「ん~・・・・」


「うわぁ!?」


「ふぎゃ!」




現実の世界に戻ってきた瞬間、眼前に口をすぼめて迫って来るフレイヤがいたので思わずふっ飛ばして扉を壊してしまった

天井には見覚えがある、ここはレオン達が暮らしている屋敷の寝室か。屋敷に戻った記憶がないがハリオンを倒した後から時間が経過しているのか?一体どれ位の時間寝ていたんだ?

状況を整理しようとしていると扉が壊れた音を聞いたフィオナ達が寝室に入って来た




「あっ目が覚めたんですね、おはようございます。といっても外はもう真っ暗ですけど」


「中々目を覚まさないから心配したぞ!」


「フィオナ、それに皆も・・・真っ暗ってあれからどれ位時間が経ったの?」




フィオナ達に話を聞いたところ、ハリオンを倒した日から3日も時が経過しているらしい。私はハリオンを倒した後気絶してそのままずっと眠りについていたようだ。その間に私が想定していた作業は順調に進み、怪我人の治療は終わっていると聞かされた

セイバーはというとハリオンがいなくなった事確認した後すぐ姿を消してしまったらしい。またあの世界樹にでも戻ったんだろうか

兎にも角にもまた全員の元気な顔を見る事が出来て安堵した。安心したら3日も寝ていたからかお腹が減りすぎてくっついてしまいそうだ。まずは食事をして栄養をしっかり取って体調を戻すとしよう




読んでいただきありがとうございました!

「よかった」「続きが気になる」など少しでも気に入ってくれたいただけたら幸いです

残り1話!よろしくお願いします!

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