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216話 黒幕

インフェルノ・グラトニーを倒した後拘束した魔族ディアボロに事の経緯を聞き出そうとラミアスの元まで連れて行った。ラミアスから話を聞いたところ、かつて世話係として接点があったとの事であの時ラミアスが前に出てきた時あからさまに動揺したのも頷ける

お互いが再び対面すると真っ先にディアボロが拘束された状態でありながらも平伏して言葉を述べた




「ラミアス様ご無沙汰しております。ラミアス様が目覚めるであろう時期に魔王城跡へ赴いてみたのですがいくら探しても見つからなかったのでてっきり・・・ご無事でなによりでした」


「ディアボロ、お前もな。まさかこんな形で再会することになろうとは思わなかったが。聞きたいのだが今回の計画を立案して他の魔族達に指示を送っていたのはディアボロなのか?」


「・・・ここにいる人間共を根絶やしにしこの国を拠点として侵略を行う。これも全て魔族が再び繁栄の時を迎える為なのです」




ラミアスの質問に対して少しの間の後決して肯定しているとも言えない曖昧な答えで返してくるディアボロ、それが心の中で引っかかりまだ何か隠しているように感じた。この辺りからはもう新たな魔族の反応は感じ取れない、探知外でここより遥か遠くにいる可能性はあるが今すぐ何かしてくるということはないだろう。ディアボロの言葉を聞きラミアスは語り出した




「なぁディアボロ、我はここにいる者達と人間の世界で暮らしているんだ。最初は思うところもあったが皆との生活は毎日が充実していてとても楽しい。初めて友達だって出来たんだぞ。お前達の気持ちも分かるが皆との楽しい生活を壊さないでくれないか」


「ラミアス様・・・それはまやかしでございます。ラミアス様は関わる全ての者に自分が魔族だと打ち明けられましたか?違いますでしょう?貴女が実は魔族だったと知ったら人間は手のひらを返して忌避してくるはずです。その者達と共に生活を送っていると仰っていましたがそれも貴女を監視する為、楽しい生活?友達?そんなもの甘い蜜に浸らせて牙を抜いておこうという人間達の罠に違いありません」


「ちがっ・・・皆はそんな・・・」




ディアボロの言葉に思わずたじろいでしまうラミアス。自分の中でそうではないと理解していても隠し事をしてきたという事実が心の中で引っかかり、それがラミアスを惑わせているのかもしれない。けどそれも私達が軽く背中を押してあげればいいだけこのことだ




「お前の言う通りラミアスが魔族だと知ったら避けようとする人は現れるだろうね。けどラミアスの事をよく知る人達であれば魔族とか種族なんて関係なく接してくれるって信じてる。それに例え世界中を敵に回したって私はラミアスから離れないよ。ラミアスは私達の家族なんだから」


「私もどこまでもお供しますラミアス様」


「私の次位にはご主人様に愛されているからな。生意気だが」


「皆・・・」




私達の言葉に涙を浮かべるラミアス、そこへそっと寄り添うキューちゃん。この場にいないフィオナやセレーネ、フローリアもきっと同じ事を言うだろう。誰もラミアスを1人になんかさせない

同じく私達の言葉を聞いていたディアボロは1人1人に鋭い視線を向けてきた後、再びラミアスに視線を戻しゆっくりと喋りだした




「どうやらラミアス様を取り巻く環境は随分と変わられてしまったようですね・・・私は貴女のように純粋な目で見る事はできませんしその者達が述べた言葉も何一つ信じていません。けれど貴女が信じて進む道であるのなら私はそれをただ見守るだけです。かつての世話係として」


「ディアボロ・・・」




そう言うとディアボロは微かに微笑んだ。和解・・・とまではいかないが話はついた。半数以上は倒してしまったが残りの魔族も抵抗しないようであれば殺さずに和解を試みたい。レオン達がまだ相手しているだろうから助けに行ってあげるか

神聖魔法を使ったからか体が重たい。今回は2人の神力を無理矢理私に流し込んで使った威力重視の荒技だったからか発動後の反動が凄い。万能の魔法でも発動する事は出来たが2人の力を合わせた一撃までには至らなかっただろう。万能も万能ではないということかな

拘束しているディアボロを立ち上がらせレオン達の元へ向かう。これで一旦騒動は解決、かに思われた




【おいおい、勝手に幕引きにされては困るよ】


「この声はハリオン様?」


【どうやら貴様の役目はここまでのようだなディアボロよ。その体この私の為に明け渡してもらうぞ】


「それは一体どういう・・・まさか!お止めください!」




突然独り言を喋り始めたディアボロは何かに対して酷く恐れている様子で、拘束されている状態にもかかわらず何かから逃れようと必死に抵抗しだした

ジタバタと暴れだしたのもものの数秒、今度は全身の力が抜けたようにガックリと項垂れる。心配したラミアスが声をかけようとしたその時、ディアボロが意識を取り戻し顔を上げた

その表情からは先程までの人物とはまるで違う雰囲気を放っていた。こいつは今さっきまで会話をしていたディアボロという魔族なんかではない、別の何かに乗っ取られてしまった。そう直感で感じた




「んん~、久々に肌で感じる外界の空気はいいものだな」


「誰だお前は・・・ディアボロじゃないな」


「吾輩は魔神ハリオン、魔族の祖にして悪の権化なり」




読んでいただきありがとうございました!

「よかった」「続きが気になる」など少しでも気に入ってくれたいただけたら幸いです

次話投稿時間はTwitterの方で告知させて頂きます。よろしくお願いします!

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