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207話 結界解除の阻止

レオン達と別れた私達はザカリスのいる場所へと向かった。ザカリスがいるであろう場所、それは結界を管理している塔。別れる前にクリスティアがその場所ザカリスがいる確率が一番高いと教えてくれた




「クンクン・・・ご主人様!アイツの匂いが近づいてきました!あの塔で間違いないみたいです!」


「そうみたいだね。ところでフレイヤ・・・これは流石に恥ずかしいんだけど」


「ご主人様は今消耗しているので少しでも休んでいて下さい」




フレイヤの嗅覚でザカリスがあの塔に向かっていたのが明らかとなる。そこに到着するまでの間フレイヤは私を休むようにと気遣ってくれた。そこまではいいのだが今私はフレイヤにおんぶされて現場へと向かっている。緊急事態で周りがこちらを気にする素振りはないものの自分より小さい少女に乗っかっているというのは非常に恥ずかしい。竜の姿になってもらいひとっ飛びすればそんな事気にする必要はないが、今竜化すると避難している国民達を余計混乱させてしまう恐れがあるのでこれが折衷案となった。消耗していることは事実なので今は一時の恥を耐えるしかない

塔に到着したらすぐさま中に入り結界を消される前にザカリスを拘束、その後外にいる魔族と魔物を掃討。結界から外に出た後再度気配を感知したがハッキリと確認できた魔族の数は12、潜伏している魔族がいると予想してそこに数体は加えて行動した方がいいだろう

可能であれば魔族と会話する機会があるといいが・・・ラミアスとだって最初は上手くいかなかったが話をすれば打ち解けることができるかもしれない。まぁ現在進行形で人の国に攻め込んで来ている時点でどちら側の魔族かなんて言うまでもなさそうだけど、もしかしたらラミアスを知る魔族がいる可能性もあるので確認位はした方がいいだろう。ラミアスも既にここに魔族が来ている事は感じ取っているだろうし




「ラミアス、気づいてるかもしれないけどここには魔族が来ているみたいなんだ。もしかしたらラミアスの事を知ってる仲間かもしれない。対話が出来るようだったらしてみるけど難しいようだったらその・・・」


「エレナ、せめてその説得我にやらせてくれないか。同じ魔族である我の方が話を聞いてくれるかもしれないだろ?」




私が何を言いたいのか察したラミアスは私にその先の言葉を遮って自分が説得をしたいと提案を持ちかけてきた。確かに子供とはいえ同じ種族のラミアスが話しかけた方が耳を傾ける魔族が出てくる可能性は高くなる。けど交渉が決裂した場合真っ先に狙われる可能性も十分に有り得る

目的地に着くまでの間悩みに悩み、結果私とキューちゃんがいつでも間に入れるよう隣にいることを条件にラミアスには交渉人を任せることにした。危険が伴う行為なのでこれ位しないと安全は確保できないからな

方針が定まった後、結界管理塔に到着した私達は警戒をしつつ扉を開けた。そこには誰もおらずもぬけの殻、しかしその先から人の気配を感じたので数人を入口の見張り役として置いていくことにして奥へと進む。ザカリスがこの先にいるのは間違いなさそうだ

階段を下っていき下にある扉に着くと鍵がされているようだったので無理矢理壊し突破、するとそこにはザカリスと数名の騎士の姿があった




「あっ!見つけたぞザリガニ!」


「ザカリスだ!思ったより早かったな。騎士達よ、奴等を足止めして時間を稼げ」


「ハッ!」




ザカリスの指示に即座に反応して騎士達が襲いかかってくる。こちらも移動している間にフレイヤにおんぶしてもらっていたので万全とまではいかないが休息は十分にとれた。この後に外の連中との戦いも控えているので出来るだけ力は温存させておきたいところ

剣を振るってくる騎士達の顔を避けながら確認してみると虚ろな目をしていた。この感じからしてどうやらここにいる者達は自分の意志でザカリスの側についているワケではなく魔法によって洗脳されているようだ

斬り捨てるわけにもいかないのでここは動きを封じるだけにしておこう。粘液系の拘束魔法で1人1人壁に接着させて身動きをとれないようにする




「小癪な・・・!ダーク・ビジョン!ポイズンバインド!」




ザカリスが視界を奪う魔法と拘束の魔法でこちらの動きを封じにかかってくる。やはりザカリスが使う魔法は奴が持っている杖によって強化されているな

しかし強化したからといって元が1や2程度の力では増幅させたところでそこまで脅威ではない。結界に閉じ込められた時の様な攻撃魔法を使われたら面倒だがこの地下の部屋ではそんな大きな魔法は使えないだろう。これ位であれば私は勿論のことフレイヤ、フローリアには容易く抵抗(レジスト)することができる




「この程度の小細工で動きを止められると思うなよ!」


「ミストジャミング!」


「くっ・・・!魔法が使えない!」




先程魔法封じられたのでお返しだ。私の魔力が込められているこの霧の中にいる間は魔法を霧散させて発動が出来ないよう阻害する。魔法が使えなくなったザカリスに最早他に手段はなく、あっけなく私の魔法で拘束完了。これで結界の解除は食い止めることができた。そう思っていたがザカリスの背後で動く人影を捉えた

洗脳されていた騎士が1人姿を隠していたようでその者が結界を発動する為に必要な魔力を供給するレバーを下ろして供給を止め、そのレバーを破壊してしまった。ミストジャミングは発動しようとする魔法は阻害出来るが既に発動されていた洗脳の魔法までは阻害出来ない。私達は結界の解除を阻止することができなかった




「ふっ、ふっふふふ。残念だったな・・・私の勝ちだ」





読んでいただきありがとうございました!

「よかった」「続きが気になる」など少しでも気に入ってくれたいただけたら幸いです

次話投稿時間はTwitterの方で告知させて頂きます。よろしくお願いします!

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