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193話 オルキス大聖堂へ

トライセリア法国に到着した私達は一先ずレオン達が暮らしている拠点へと向かう事に。その間も勇者に声をかけてくる民衆がいたが全て振り切った

レオン達はパーティを組み始めた頃からそこで生活しているらしく、その場所は法国にあるどの宿よりも設備がしっかりしているそうなのでお邪魔させてもらう事にした。希望するなら人数分の部屋も用意できるというあたり結構大きい家なのかもしれない




「着きました。ここが俺達のホームです」




レオンが指を差している家は私の予想の上をいっていた。レジティア領主の屋敷よりも大きく、まるでお城の様な規模の屋敷と広大な庭。門の前やその周辺には先程の門番と同じ格好をした者達が巡回警備を行っている。これだけの待遇を受けれるのは流石勇者といったところだが、4人で暮らすにはあまりにも過剰な広さだ

警備の人に門を開けてもらい屋敷の中へと向かう。扉を開けるとクリスティアと同じ神官の姿をした女性が数名立っていた。聞くところによるとこの人達は屋敷の管理やレオン達の身の回りの世話を任命された方達で、この屋敷で共に生活をしているようだ。これだけの広さとなると当然給仕を任せられる人材が必要になるだろうし仮にも勇者と呼ばれている者に洗濯や掃除は任せられないか

それにしたって随分と至れり尽くせりだな。私の時はこれ程の待遇は望めなかったから少し羨ましく感じる




「お帰りなさいませレオン様」


「ただいま、今日は客人を連れて来たんだ。いきなりで申し訳ないんだが彼女達の部屋を用意してくれないか」


「畏まりました、ただちにご用意致します。あっそれとこちら剣姫様からの手紙になります。レオン様達が国を出たすぐ後にいらして預かっておりました」


「師匠から?一体なんだろうか」




剣姫からの手紙を受け取りその中身の内容を読み始めたレオンは暫くしてため息をつき、それを見ていたグレゴールが問いかける




「手紙にはなんて書いてあったんだ?」


「それが俺達が国を出た後暇になったからと言ってまた山に籠ってしまったらしいんだ。あの人は本当にじっとしていられない人だな」


「暇といっても剣姫様もやり残していた仕事が山ほどあったような・・・考えるだけ無駄かもしれませんね」




子供の頃から山に籠っていたという話は聞いていたがそれは今も健在だったのか。随分と気ままというか自由奔放な人なんだな

剣姫がいないとなると途端に予定が狂ってしまう。一度山に籠ってしまうと中々戻ってこないようだし暇を持て余してしまった




「すみませんエレナさん、わざわざここまで来て頂いたというのに」


「まぁいないのなら仕方ないですしせっかく法国に来たんですから今日のところは観光でもさせてもらいますよ」


「だったら私とエレノアがご案内させていただきます」


「えっ、私もついてくの・・・部屋でゆっくりしたかったんだけど」




レオンがいては人だかりが出来てまともに観光ができないだろうということで名乗り出てくれたクリスティアと半ば無理矢理同伴することになったエレノアに観光案内をお願いする事にした

最後に来た時から随分と年数が経っている為私の知っている街並みとは大分変わってしまっていたが、一ヶ所だけ変わっていない場所があるそうで、クリスティアはそこへと私達を連れていってくれた




「こちらがオルキス大聖堂になります。ここには毎日たくさんの方がお祈りにやって来るんですよ。皆さんも是非お祈りしていって下さい」


「これを・・・登るんですか」




私達の前に立ちはだかったのは何百段とある階段。この階段は昔からあるもので確か以前数えた時は1000段は優にあったはずだ。大聖堂に祈りを捧げるにはこの階段を登るしか手段はない

記念にと1回程度なら登ってみようと思う者もいるかもしれないがここの信徒達はそれを日課としてほぼ毎日かかさず行っているのだから恐れ入る。セレーネなんかはフレイヤを使って空からひとっ飛びしようなんて提案をしてきたがそんな事をしたら大騒ぎになるのは必至。しかしそれ以前にそんな姑息な手はクリスティアが許してはくれなかった

この階段を一段一段自分の力で登ることによって大聖堂に着いた時の感動を一際強く感じる事が出来るのだとセレーネに言い聞かせていた。止めに入らないといつまでも話し続けそうだったので、なんとか中断させとりあえず大聖堂を目指して登り始める事に。この程度の運動私達には屁でもないが、そうでないものが1人だけいた




「はぁはぁ・・・もぉ無理~エレナおんぶしてよ」


「あともう少しで着くよ。ほら頑張れ頑張れ」




一般人並かそれ以下の身体能力しか持ち合わせず、最近は本ばかり読んで運動不足なセレーネにとっては過酷な道のり。荒々しい息遣いをさせながら一段また一段と重くなった足を前に進める。そうしてようやく頂上にある大聖堂に到着し後ろを振り返ると、そこには壮大な景色が広がっていた

空気が澄んでいるお陰で遠くの山までくっきりと見える。フレイヤの背中から見る景色とはまた違い、自分の足で登ってきた達成感もあって気分がいい。しかしセレーネはそれどころではないようで、登り終えた所に設置されていたベンチで真っ白になって燃え尽きていた。帰りもあるのに大丈夫だろうか・・・

セレーネが回復するまで休憩し、歩ける位になったところで大聖堂へと歩を進めた。ここに入るのも久しぶりだな、外観は変わっていないようだが果たして中はどうなっているか





読んでいただきありがとうございました!

「よかった」「続きが気になる」など少しでも気に入ってくれたいただけたら幸いです

次話投稿時間はTwitterの方で告知させて頂きます。よろしくお願いします!

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