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192話 トライセリア法国到着

遺跡から取り残された人達を助けた私達は砂漠で助けた人達がいる町まで送ってあげ仲間と合流させてあげた。その者達が助けてくれたお礼をしたいと言ってきて、最初は断っていたが中々退いてくれそうになかったので私達は法国に行くまでの追加の食料を頂戴することにした。遺跡の入口で待機していたフィオナ達に料理の用意をお願いしていたのでその分だけを貰うことに

その日は日が完全に沈み夜がやって来てしまったので私達も町で一泊する事となり、明朝に法国への移動を再開することが決まった。夕食時の話題はやはりヒュドラとの戦いの話で持ちきりとなり疲れ果てて今にも眠りそうなレオンの代わりに私が話をすることになってしまった。その話をしている最中、終始不機嫌そうな顔をしているラミアスが視界に入ってきて気が気でなかったので何を食べ何を話していたか殆ど記憶にない

そんな生きた心地のしない夕食を済ませ部屋へ戻ると先に戻っていたラミアスと目が合った。私は恐る恐る声をかける




「ラ、ラミアス~・・・?」


「・・・・・」




声をかけてみるもまるで私がいないかのように淡々と着替えの準備をしてお風呂場へと消えていってしまった

合流した時からこんな風何度も話かけてみてはいるものの全く反応してくれない。私達が下の階層に行っている間に機嫌を直してくれるかなと思っていたがアテが外れてしまったようだ




「どうしよう・・・もしこのまま仲直りが出来なかったら立ち直れる気がしない」


「今は拗ねちゃってるみたいですけど少ししたらきっといつもみたいに元気な姿を見せてくれますよ」


「そ、そうかなぁ・・・」




そうはいってもやはり不安で仕方ない。このままほとぼりが冷めるまで待つなんて私には無理だ。一体どうすれば仲直りできるだろうか

やっぱりお詫びに何かあげた方がいいのかな?甘いものでもあげたら機嫌を直してくれるんじゃ・・・でもそれで物で釣ってると思われたら余計悪化しそうな気もする。というかそもそもあれはラミアスの事を思って言った事だしあまり下からいくのも違うんじゃないか?いやけど・・・

そんな事を延々と考えていたら外から鳥のさえずりが聞こえてきて、外を見るといつの間にか日が昇り始めていた。夕食後から何をしてたか忘れる程思い悩んでしやっていたようだ

結局何も行動に起こす事が出来ずに法国へと向かう事となった。フレイヤとフローリアの背中に乗ってまた移動するのだが、いつも私の前にいた筈のラミアスは今回レオン達がいるフローリアの方に乗り始めている




「あら、今日はこちらに乗られるんですか?」


「途中であっちに行きたくなっても戻れないわよ」


「今日はこっちに乗りたいからいいんだ!」




鼻息を荒くしながら一番前の場所を陣取りそこから梃子でも動かないつもりでいるらしい。こうなったらどうにもならないのでフローリアも問題ないようなのでお願いすることに

ここから1日かけて砂漠地帯を越え翌日法国に到着する予定で移動を開始。本当はこの移動の最中に仲直りするきっかけを作ろうと思っていたのだがまた逃してしまった。仕方がないのでこの時間でどうラミアスとの仲を取り戻すか考えることに決め、移動中はずっと頭を悩ませた

一方フローリアの方に乗り換えたラミアスはというとエレノアやクリスティアと会話をしているようだった




「貴女エレナと仲直りしなくていいの?」


「いいのだ!だってエレナが悪いんだから」


「別に貴女達の関係にしつこくどうこういうつもりはないけど仲直りは早めにしておいた方がいいわよ。時間が経つにつれてどんどん気まずくなって関係修復するのが難しくなったりするんだから。あとで後悔しても遅いわよ」


「むぅ・・・・・」




一体何の話をしているんだろうか。もしかして私に対しての不満でも吐き出してるんじゃ・・・なんて事を悶々とした気持ちを抱えながら考えていたらいつの間にか砂漠地帯を抜け、抜けた先で野宿しその翌日には法国に到着してしまった




「見えてきました。あれが私達の国トライセリア法国です」




私達の目の前には幾つもの教会風に建てられた家が並んでいて全ての建物に十字架が飾られていた。昔と変わらずここは少し異様な光景にも見えるが、住民全員が信徒で望んでやっていることなので部外者がとやかく言える権利はない

地上に降り立ち門前まで行くとそこには門番が立っており、レオン達の顔を見ると背筋がピンと正して敬礼を行った




「お帰りなさいませ勇者、クリスティア様」


「ただいま戻りました」


「失礼ですが行きの時より人が多いようですが・・・そちらの者達は?」


「この方達は勇者様のご友人で剣姫様に会わせようと思って連れて参りました。この方達の応対は私達がしますので気にせず仕事を続けて下さい」




クリスティアの言葉に門番は何も言わず一礼だけして元の配置へと戻っていった。勇者の友人という初めて聞かされた肩書きのお陰で私達は身分を証明するものを提示する必要もなく入国が許可された。中に入るとこちらに気づいた人達が続々と勇者一行の元へと歩み寄って来た




「勇者レオン様一行がお戻りになられましたぞ!」


「お帰りなさいませ勇者様!」




瞬く間に勇者達の周りに人だかりができて私達は完全に蚊帳の外となってしまった。レジティアではこういう光景は見たことがなかったが、ここではしっかりと勇者扱いを受けているようだ

このままずっと集まって来た人達の相手をしていたら時間がいくらあっても足りないので、レオン達は人混みをかき分けて目的地へと足を向け私達もそれに続いた



読んでいただきありがとうございました!

「よかった」「続きが気になる」など少しでも気に入ってくれたいただけたら幸いです

次話投稿時間はTwitterの方で告知させて頂きます。よろしくお願いします!

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