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189話 ヒュドラを倒すには

アルカンヒュドラと戦う事になった私とレオンは二手に分かれ、まずはどのような魔法を持っているのか探りを入れる為相手に攻撃を仕向けるよう動き様子を窺う事に

レオンが時計回り、私がその逆でヒュドラの周囲を掛けていく。まず最初に攻撃を仕掛けてきたヒュドラの頭の1つが私目掛けて口を大きく膨らませて人の顔位ある毒玉をいくつも吐きかけてきた。大した速度ではないので避ける事は然程難しくないが、地面に毒が直撃した瞬間石材がドロドロに溶けてしまった。酸と毒が合わさったアシッドポイズンといったところか、生身の体で浴びたら一瞬にして浴びた部分が液体にされてしまいそうだ

その他の蛇も石化の魔法や昏睡、混乱・・・といったように状態異常になるような魔法を次々と放ってくる。万能耐性(オールレジスト)を事前にかけておいたから効きは弱いだろうが、だからといって油断していると簡単にやられてしまうので当たらないに越したことはない

攻撃系の魔法はというと雷に風、炎の3種類。当たり前だが7つの頭があるという事は1つ1つが意志を持っているのでそれぞれが別々の行動を起こしてくる。他が魔法を放っている間に他の頭が物理攻撃を仕掛けたり逃げ場を塞いできたりするので実質2対7といっても過言ではない

ヒュドラの攻撃を軽くいなしつつレオンの様子を窺ってみると相手の攻撃を受けるのに精一杯といった感じで反撃するまでにはいかないようだ




「くっ・・・!このままでは防戦一方だ。どうにかしなくては押し切られる!」


「任せて下さい」




ヒュドラの周りをぐるっと一周してきたところでレオンと合流、ちょうどそのタイミングでヒュドラがこちらに向かって頭突きをかましてきたのでそれを2人合わせて跳躍で躱す。その後空中に一時的にだが足場を作ることが出来る魔法、空中盤(エアボード)を利用し反動をつけて加速。伸びきったヒュドラの首目掛けて剣を振り下ろした

鱗は盾に利用される位硬いが身体強化を施しているから硬い鱗でもお構いなし。しかし丸太よりも太い首なので半分程しか斬る事が出来なかったのですかさず握りを変えて今度は斬り上げをお見舞いし、胴体と繋がってる部分に更に攻撃を加える。そうする事でようやく頭の1つを切断する事が出来た




「流石ですエレナさん!この調子でいけば倒せますよ!」


「いや・・・」




早々に1本の首を落とした事でレオンの歓声がヒュドラの体越しに聞こえてくるが実際はそうはいかない。ヒュドラが持っている魔法よりも厄介なのはこれからだ。私が頭を斬り落としたことで動きを止めていた筈のヒュドラの首がうねうねと動き出すと斬った部分からみるみるうちに再生していき、あっという間に元の姿へと戻ってしまった




「シャアアアアアアアア!!」


「落とした首が元に戻った・・・!?」




この魔物には超速再生という固有のスキルがあり多少の切り傷は一瞬で治癒され、首を落としても十数秒程で元に戻ってしまう。むしろ首を落とされたことによって本格的に私達を敵と認識したようだ。ヒュドラは戦闘態勢に入ると目が赤く充血し攻撃力が跳ね上がる。ここから本当の戦いというわけだ




「こんなの一体どうやって倒せばいいんだ・・・!」




アルカンヒュドラには倒し方が3つある。まず1つは再生が終わる前に全ての頭を斬り飛ばすこと、頭のどれか1つでも残っていれば再生をされてしまうのなら全部一遍に落としてしまおうという方法だ。しかし今の私では再生が終わる前に切り落とすことが出来るのは恐らく最大で5つまで。私1人でも聖技を使えば7つ全ての頭を落とせなくはないが、ヒュドラを倒すとなるとそれなりに強力な技を使わないといけない。そうなると体にかなりの負荷がかかってしまう。ここがどこだか分からない以上ヒュドラを倒した後の事を考えるとそれは避けておきたい。残り2つの頭を斬り飛ばすことが出来るかとヒュドラの攻撃を躱しつつレオンに問いかける




「すみません、難しいですね・・・」




悔しそうな表情を浮かべながら不可能だと答えるレオン、変に見栄を張ってくるより断然いい。曲がりなりにも何度も剣を交えてきたのである程度の実力は把握しているので今言った方法が難しいという事は予想ついていた。冷静な判断が出来ているならまだ戦いに加えることはできる

もう1つの方法はヒュドラの体内にある核を破壊すること。核を破壊することが出来れば動きが鈍くなって倒すことができるが、核も頭の数と同様に7つありそれは体内で動く。その核を同時に破壊しなくて弱体化をする事はできないのでこちらの方が難易度が高い。となると残された手段は・・・・




「ヒュドラを倒すには最後の手段しかなさそうですね。これは体力使うから結構大変なので気乗りはしないんですが・・・」


「・・・と言いますと?」


「ヒュドラの超速再生は確かに厄介ですが当然無限に回復できるわけなく限界はあります。なので超速再生が出来なくなるまで傷を与え続けて倒す方法です」


「なるほど、それならシンプルで私にも出来そうです。で、それってどれ位続ければ倒せるんですか?」


「多分2、300回程首を落とし続ければ再生は出来なくると思います」




私の言葉を聞いた瞬間目が点になってしまったレオン。確かに骨が折れるやり方だけどこれが今私達がヒュドラを確実に倒す手段である

それにレオンにとってこれはいい機会でもある。どの道時間がかかってしまうのならこれを機にレベルアップするのも手だろう。実力を上げるにはうってつけの相手だしな





読んでいただきありがとうございました!

「よかった」「続きが気になる」など少しでも気に入ってくれたいただけたら幸いです

次話投稿時間はTwitterの方で告知させて頂きます。よろしくお願いします!

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