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185話 砂嵐舞う遺跡目指して

冒険者から借りた地図を頼りに遺跡を目指した。少し進んでいくと砂漠地帯のある一帯だけ激しい砂嵐が起こっている場所が目に見えてくる

砂塵が発生している前に到着すると改めてその凄まじさを実感する。この碌に視界を確保できない状態で荒々しい砂嵐の中に入ったら前後左右が分からなくなってしまいそうだ。それに少しでも道を逸れたら仲間の姿を見失ってしまうだろう

助けた男性から聞いていた話が本当か確かめようと魔法を砂嵐に向けて放ってみた。すると砂塵に直撃した瞬間魔法が霧散して消滅したのであの男性が言っていた事は本当だとというのが理解できた




「今からこの中に入るけど皆このロープを持って絶対に離さないように。ラミアスは飛ばされちゃうかもしれないからキューちゃん見ててあげてね」


「キュッ!」


「あっ、あとこれも全員着けておいて」


「これは・・・ゴーグルですか?」




レオンの言うゴーグルという物がこれを指しているのかは分からないが、これは中に入る前にと思って私がフレイヤの背中に乗っている間に作っておいた防塵用の眼鏡だ。目の周りに密着するような作りでこれを着けずに砂嵐の中に入ったら宙を舞う砂に目をやられてまともに開ける事も難しいだろう。これを全員に配っていく。不格好ではあるがあるのとないのとでは大きく異なるからな




「よしっ、皆装着できたな。慌てずゆっくりと進んでいこう」


「先頭はアンタなんだから間違っても迷わないでよね」




全員がロープを持ち眼鏡をかけた事を確認しレオンを先頭に砂嵐の中へと入っていく。入った瞬間暴風に襲われ体が飛ばされそうになるのをグッと堪え前へと進む

助かったのは砂嵐の中にさっきの人達が遺跡に向かった際に帰り道用として刺しておいたであろう杭があった事。風で今にも吹き飛ばされそうで少々頼りないがないよりはずっとマシだ。これと地図があれば迷う事なく遺跡に辿り着くことが出来るだろう

周りを警戒しながら杭伝いに遺跡へと進んでいくが魔物の気配は全く感じられない。この環境下では流石に地中にいる魔物でも近づけないのかも

そう思っていた私の推測を裏切るかのように砂塵に紛れて右の方で何か大きい物体が動いたような気配を察知した




「ん?今あそこ何か動かなかった?」


「いや、何も・・というかここからじゃ何も見えないよ」




気配のした方を指差してみるが誰もその気配は感じ取れなかった様子。魔法が使えれば一発で分かるんだけど・・・様子を見に行くわけにもいかないしここは少しでも早く目的地に到着する事をを優先しよう

その後周囲の警戒を一層強めつつ、歩みを止める事なく遺跡を目指したが結局あの気配は一度きりでそれ以降確認する事ができなかった。やはりあれは私の勘違いだったのかもしれない

他の魔物にも遭遇することはなく私達は遺跡の近くまで来ることができた。付近の杭は抜けてしまっているのでここからは自力で遺跡を見つけなくてならない

お互いが目視できる距離を保ちつつ辺りに目を凝らしながら遺跡がないか探す。するとフレイヤが何かを見つけたようで声をかけてきた




「ご主人様、あそこ山みたいになっていませんか?」




フレイヤが見つけた場所を見てみると確かに一か所だけ砂嵐が巻き起こっているにも関わらず砂が積もっている場所があった。地図と照らし合わせてみた感じあそこが遺跡の場所で間違いないようだ

早速そこへ向かう為歩を進めようとしたその時、先程感じた気配を再び察知した。しかも今度はこちらにどんどん近づいてきている感じがする

皆にその事を伝えようとした瞬間、砂の波が私達を覆い被さる様に襲ってきた。その波から現れたのは鯨位ある巨大な体で頭の先端に槍の様に鋭く長い角を生やした魔物。私の記憶にはない見たことがない魔物だ

その魔物は私達の頭上を飛び越えていってまた地面へと消えていった。砂波のせいで余計視界が悪くなってしまったがロープのお陰でまだなんとか皆の位置は把握できる。しかし次また同じのがきた時また全員無事とは限らない。次のが来るまでに遺跡の中へと入らなくては




「皆!急いであそこまで行こう!」




皆を起き上がらせフレイヤの見つけた砂の山へと一直線に駆け抜ける。後方からはさっきの魔物が私達より速い速度で迫って来ている状態

砂山まで残り30、20、10・・・・目前まで来るとそこには遺跡への入口が見えてきた。小さい洞穴の様になっているからあの魔物が入って来ることもない

そう思っていた矢先にあの魔物が再度地中からダイブして襲ってきた。こちらは入口までもう目と鼻の先まで来ている




「飛び込めええええ!!」




グレゴールの声と共に遺跡の中へとダイビングで飛び込む。転がりながら受身を取り体勢を立て直して入口の方を見る。襲ってきた魔物は角が洞穴に突き刺さって暴れているが暫くすると角を引き抜いて砂嵐の中へと消えていった

すぐさま周りを見渡し全員いるかを確認、砂がクッションとなってくれたお陰で怪我をした者もおらず1人も欠けることなく遺跡に着く事が出来た。あれのせいで体の至る所まで砂まみれになってしまい気持ち悪いが




「一波乱あったがなんとか無事に着けたようだな」


「もぉ~あいつのせいでただでさえ体中砂だらけだったのが凄い事になっちゃったじゃない!早く終わらせてお風呂に入りたいわね」


「油断は禁物だぞエレノア。俺達の目的はここからなんだから」




そう、これから取り残された人達の救出をしなくてはならない。装備や服に入ってしまった砂をさっと落とし、私達は下層へと向かう準備を行った





読んでいただきありがとうございました!

「よかった」「続きが気になる」など少しでも気に入ってくれたいただけたら幸いです

次話投稿時間はTwitterの方で告知させて頂きます。よろしくお願いします!

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