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147話 明日に備えて

一次選考を黒竜のシヴァと同着1位という結果で通過したフレイヤ。十分立派な結果だが本人は満足していない様子だった

まぁ本当の決着はこの後に控えているのだからお預けという形にしといて今は次に備えなくては。ちなみに開始前に私達と会話をしていた地竜も6位とギリギリの順位ではあったがフレイヤと同じく次へと進むことができた

他の竜は黒竜を止めるのに余分な体力を使ってしまった結果、後半スタミナ切れを起こす者が続出したようでそのお陰もあっての通過のようだ。相手に夢中になりすぎて策に溺れてしまったか


休憩を挟んだ後は本選が始まる。それに備えてフレイヤの為に買っておいた出店の料理で栄養をつけてもらう

料理を目の前にするとフレイヤは相当体力を消費していたようで口に入りきらないのではないかという勢いで頬張った




「それで次はどんな事やるの?」


「あとはトーナメント形式で戦う感じですね。それで明日残った4名で戦う事になるんですが本来1位通過したものがシード権を得て明日に進むことができるという決まりなんです。けど今回は私と黒竜の2人が1位同着となったので恐らく抽選になるかと」




今日戦うことなく温存もできるし勝ち上がって来る相手の動きをじっくり観察することができて明日に進めるのであればそれに越したことはない


休息を終えて本選が始まる前にフレイヤの言う通りシードとなる者を抽選で決めることとなった。公平を期す為に赤い石と黒い石を入れてそれを取るのはあの年老いた竜に決まった

そして老竜が手にしたのは赤い石、シードに選ばれたのはフレイヤとなった。これで労することなく本選へと進むことが出来た

シードが決まるとその他の竜達は明日に進む為の試合を行うことに。初戦から黒竜シヴァと白竜の試合が行わた

相手には悪いが黒竜の実力を知る為の人柱・・・竜柱になってもらい戦いぶりを分析しようとしたが、想定以上に黒竜と白竜の実力差が圧倒的で余力を残して勝利を手にしていた

少しでも情報を引き出せればと思ったが黒竜はまだ手の内を隠しているように見える。明日の本選の為にとっておいているのだろう


その後も試合は順調に行われていきフローリアも勝ち上がったことで明日の試合に参加が決まったのは赤竜のフレイヤ、黒竜のシヴァ、青竜のフローリア、そして地竜ダストの4名となった

そしてフレイヤの明日の相手はフローリアに決まった。前回の戦いではフレイヤが勝利したと聞いているので相手はリベンジ戦という事で前回以上に燃えていることだろう




「今日は一足先を越されてしまったが明日はそうはいかないからなフレイヤ!」


「ふんっ!明日吠え面かかせるのを楽しみにしているぞ!」




帰り際にお互いそう言い残して反対方向に去って行こうとするフローリア。といっても他竜族は赤竜族が用意してくれた宿舎に泊まる事となっていて、それは同じ方向にあるので途中まで一緒に帰ることに

その道中フレイヤが人型に戻っていた事もあってか、フローリアもこちらに合わせて人の姿へと変身してくれた

青い髪を(なび)かせて(のこぎり)のようなギザギザで鋭い歯を満面の笑みで見せてくる。見た目はフレイヤより少し大人っぽい見た目をした快活という言葉がピッタリな女の子

所々が人の姿になりきれてなくて鱗が残ってしまっているのは滅多に人の姿にならないからだろう

その後宿舎に到着したフローリアは仲間と合流したのでそこで別れることとなった

私達の方も里へと戻り明日に備えて英気を養う。昨日は私達に料理を振舞ってくれたので今日はお返しにと私達も料理を提供した

私達といっても殆どシエルとフィオナが用意してくれたものだが、昨日のボルケーノボアを角切りにし味付けをした汁に入れてじっくりと煮込んでトロトロになったお肉を振舞った

それを口にした赤竜達は皆目が飛び出るのではないかという程見開いた。今まで味のバリエーションだけで満足してて基本調理方法が焼く一択だったらしいのでこの煮込み料理を大変気に入ってくれたようだ


フレイヤの方はというと明日の試合に向けて皆から喝を入れてもらっていた。その頃には夜も更けていてラミアスもそろそろ眠くなる時間だったので一声かけて先に帰宅することにした

帰宅した後はルべリアさんから赤竜族だけが知っている秘湯というのを特別に教えてもらったのでそこに入りに行くことに。その数十分後に遅れてフレイヤが戻ってきた




「あれ?他の者達はどこかに行ってしまったんですか?」


「あぁ、皆ならルべリアさんに教えてもらった秘湯に入りに行ったよ」


「そうですか。ご主人様は行かなくてよかったのですか?」


「フレイヤを待ってたんだよ」




私はベッドを軽く叩いて座るよう促す。それに従うようにフレイヤは大人しくベッドに腰を下ろした




「あ~えっとフレイヤ。私に何かして欲しい事とかある?」


「い、いきなりどうしたのですかご主人様?」


「いやぁ頑張ってるフレイヤに何かできることはないかなって思ってさ。私にできる事ならなんでもするよ」


「な、なんでもですか・・・」




第三者が魔法等で強化する事は禁止されている為、応援以外で何かできる事はないかと考えたが思いつけなかったのでフレイヤに直接聞いてみることにした

フレイヤは最初こそ戸惑っていたが、何かして欲しいことがあるようで遠慮気味に私に聞いてきた




「あの、明日のやる気を高める為にお願いしたいことがあるんですが・・・」


「うん、何?」


「あ、頭を撫でてくれませんか?」




なんだそんな事か。言いづらそうにしてたからもっと高い要求をしてくるのかと思った

快くフレイヤの要求を飲み頭に手を置き優しく撫でてあげるとまるで飼い慣らされた猫のように擦り寄って甘えてきたので、膝枕で頭をそこへ寝かせてあげた




「はにゃあ・・・ご主人様ぁ・・・」


「別にこれ位だったらいつでもやってあげるのに」


「そ、そういうわけにはいきません!こんな姿は他の者に見せたくありませんから!母上にももう甘える事はできないので・・・・」


「そうなの?じゃあ私だけが知ってるフレイヤの一面だね」




それから皆がお風呂から戻って来るまでの間フレイヤの頭を撫でてあげ、お風呂では髪と背中洗ってあげるとご満悦な表情を浮かべていた

明日は2試合共激戦になるだろうからこれで少しでも明日の活力になってくれればいいな




読んでいただきありがとうございました!

「よかった」「続きが気になる」など思っていただけたら幸いです

少しでも気に入ってくれた方ブクマ、評価、感想等々頂けると大変励みになります

次話投稿時間はTwitterの方で告知させて頂きます。よろしくお願いします!

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