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135話 早すぎる挫折

コンサートが終わり近くの食堂で夕食を済ませた後、王城に戻り更に一泊し翌日の生誕祭最終日を皆で1日たっぷりと楽しみ今年の生誕祭は幕を閉じた

ユリウスさんはこの生誕祭の間休暇を貰っていて、初日少し行動を共にした後はツバキさんと会いに行くと言って別行動をしていた

この王都を色々案内してあげたそうだ。積もる話もあるだろうから今回はあえて一緒に回る事はしなかったが、今度来た時はあれば一緒に遊べるといいな


生誕祭が終わり責任を持って王城までセフィリアを送ってあげ、招待してくれたことと連日泊まらせてくれた事のお礼を改めて言い、挨拶を済ませて家に帰ろうとするとセフィリアが私を呼び止めてきた




「エレナさん、最後に少しだけ2人でお話よろしいですか?」


「はい?」




振り返りセフィリアの元へ戻る。2人で話したいという事だったので先に皆を行かせて2人きりとなった

後ろでフレイヤが睨みを利かせていたが、それをセフィリアは華麗にスルーしていた




「それで話というのはなんでしょうか?」


「あのですね、そういえばまだソウカさんを招き入れた時のお礼をまだ頂いていないなぁ・・・と思いまして。どうしようかと思ってたんですが私も今回結構色々しましたし」




最後の最後でやっぱりきたか。何にも言ってこなかったから善意だけで助けてくれたかと思ったがそう上手くはいかないよな

私が無理に言って急遽城に泊めてくれただけでなくコンサートの時は1番いい席まで用意してくれてたし頭が上がらない




「ソウカさんに・・・・と言いたいところですが今の彼女にそれは流石に可哀想なので代わりにエレナさんにお願いしようかと思ったんですが」


「分かりました。私に出来ることであれば可能な限り応えますよ」


「本当ですか!じゃあ〜・・・・」




どんな要求をされるのかと内心ヒヤヒヤしていたが、セフィリアが要求してきた事は以外な事だった




「今後私とお話する時は畏まった話し方はしないで友人と接するような感じでお願いします」


「えっ、それだけ・・・ですか?」


「はい、それだけです。私の周りにはそういった人がいませんし。それにエレナさんとはこれからもっと密な関係を築いていきたいのです」




最後がなんか含みのある言い方な様な気もするけど・・・てっきりもっとハードなお願いしてくるかと思ってたから拍子抜けしてしまった。いやまぁ王女様相手に砕けた話し方をしろというのはそれはそれで大変なことではあるが

しかしそれで今回の件をチャラに出来るというのなら断る理由はない




「そういう事なら分かりま・・・・分かったよセフィリア。改めてよろしくね」


「はいっ♪また近いうちにお会いしましょう♪」




口調を変えてそう言うとセフィリアは普通の女の子の様な顔をして嬉しそうに答えた。普段見せない彼女の表情を引き出せた様な気がした

私はそのまま別れを告げて皆の元へと戻って行った。合流した後は転移してレジティアへと帰還、私達の家へと帰ってきた




「ここが私達の家です。今日はもう遅いので明日からお願いできますか?」


「こ、ここが皆さんのお家ですか。が、頑張ります・・・・!」


「まぁ仕事と思わず普通の家事をしてくれれば大丈夫ですので。とりあえず荷物を部屋に運びましょうか」




空いている部屋にソウカさんを案内し、明日から仕事をしてもらうことにしてその日は眠りについた

翌日、目を覚ましてソウカさんの部屋をノックしてから開けるとそこにはもうソウカさんはいなかった。下に下りてキッチンの方を見てみるとシエルの補助を努めているソウカさんの姿があった




「あ、エレナさん。お、おはようございます」


「おはようございます。どうですか?」


「い、今し、シエルさんに味付けとか教えてもらっていて・・・・シエルさんす、凄く手際が良くて」


「手順を記憶してその通りに調理すれば誰でも出来ますよ」


「まぁゆっくり覚えていって下さい」




見ている限りソウカさんの家事力は私と大差ない程度。硬い野菜を切る時は力がないからか体重を乗せながら切るから少し危なっかしいが、それ以外はおっかなびっくりといった様子だがなんとかやれている

最初の方は勝手が分からないだろうからシエルが付き添ってくれていれば安心だろう









それから月日が経ちソウカさんが家にやってきてから一月は経とうとしていた

あれから家事の方は時々ミスをしながらも順調に上達していき、料理の方もシエルの指導の成果もあって味付けを覚えて1人でも作れるようにまでになっていた

家事の方は口出しすることはない。そう家事の方はだ


一ヶ月が経とうとしているのに肝心の演奏の方はというと全くと言っていい程進展していなかった。私達がいない時に空いた時間で自主練は行っているようだが、皆が見ている前で挑戦してもらおうとすると途端に弾けなくなってしまう

ならばと最初は全員でなく1人だけにしたり対面ではなく後ろ向きで目線を合わせないようにしたりと色々試行錯誤してみたが、聴かれているという事自体が緊張の原因なのかどれも上手くいかなかった

まさかここまでとは思っていなかった。私が聴けたのは余程運が良かったんだろうか・・・・




「や、やっぱりむむむ無理ですぅ〜・・・・・!」


「おい!この前の意気込みはどうした!そんなことじゃ大勢の前で演奏するなんて夢のまた夢だぞ!」




この前の意気込みはどこへやら・・・・これは先が長そうだな








読んでいただきありがとうございました!

「よかった」「続きが気になる」など思っていただけたら幸いです

少しでも気に入ってくれた方ブクマ、評価、感想等々頂けると大変励みになります

次話投稿時間はTwitterの方で告知させて頂きます。よろしくお願いします!

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