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13話 いざ王都へ

レジティアの街から王都まではおよそ3日。馬車に揺られながら街道を進んでいく

御者はハワードさんが務めてくれている。グランツ侯爵が心配だからとお目付け役を言い渡されたようだ


「シスカお嬢様、改めまして警護をさせていただきますエレナと申します。こちらは仲間のフィオナとフレイヤです」


領主に仕事を頼まれた際に挨拶した時以来だったので馬車の中で再び自己紹介をすると、少女は両手でバッテンを作りながら私達に言った


「お嬢様なんて呼ばなくていいよ。お姉ちゃん達の方が歳上なんだから気軽に接して欲しいな」


「そう?じゃあよろしくねシスカ」


シスカはあまり上下関係みたいなのは気にしない性格なようだ。領主自身からもそれに近いもの感じたし接しやすくてこちらとしては有難いな


「それにしても凄い馬車ですね!座席がふかふかで座っていても全然お尻が痛くなりませんよ」


高級な馬車に初めて乗って興味津々なフィオナは小さく跳ねて感触を確かめていた

フィオナの言う通り、普段乗るような馬車とは違って振動対策も施されているから揺れを感じることも無くとても快適だ


するとシスカが座席の感触を楽しんでいるフィオナの方に手を伸ばしいき、何をするのかと見ていたらおもむろに胸を触り始めた


「きゃっ!?なんですかシスカちゃん!?」


「初めて見た時から気になってたけど、どうしたらこんなに大きくなるの?」


フィオナの胸をこれでもかという程触って感触を確かめるシスカ

シスカ位の年頃だったら気になり始める年頃なのかもしれないけどそんな執拗に揉むのはやめてあげて・・・


「ふぅ・・・満足した♪次は・・・」


ひとしきり揉んで満足すると、今度はフレイヤの方に移動して尻尾を触り始めた


「うひゃあ!?な、なにをする!」


「竜族に会うの初めてなの!わぁ・・・尻尾って意外と柔らかいんだね。角はどんな感じなんだろう」


「やめろー!角を触っていいのは私の親とご主人様のみだ!」


シスカが角の方へ手を伸ばすとフレイヤは触られまいと必死に抵抗する

竜族の間では肉親と忠義を尽くすと決めた者にしか角を触らせてはならないという習わしがある

それを説明すると不満気な顔をしながらもそれ以上の追求を諦めてくれた


そんな感じでシスカが2人をいじりながらも順調に王都へと進んでいき、お昼の時間になったので食事休憩をすることにした


「うん、今日のご飯も美味しいね。流石フィオナ」


「ありがとうございます〜♪」


私達がフィオナの弁当を堪能していると、シスカが興味があるのかじっと見つめていたのでフィオナが勧てみると喜んで食べてくれた

フィオナも美味しそうに食べてくれて喜んでいるようだ。普段いいものを食べてる子にも好かれるのだからやはり相当な腕前だな


昼食を終えた後もつつがなく進んでいき、夜は近辺に町や村がなかったので野宿をすることとなった

魔法で地面を掘り、その周りを生成した石で固めてお湯を張り皆で入る

体を拭くだけで我慢しようとしていたシスカはお風呂に入れると聞いた瞬間大喜びしてくれた

お風呂に入っている最中でもフィオナの胸やフレイヤの尻尾の付け根を確認したりと両方を堪能していた


「はぁ・・・まさか野宿でお風呂に入ることが出来るなんて。エレナさんの魔法は便利だね!」


「気に入ってくれて良かったよ。さ、明日も早いからそろそろ寝ようか」


簡易的な家とベッドを作りシスカを眠らせ、私達は交代で見張りを行い夜を明かした

そして2日目、今日も昨日と同様順調に進むかと思われたが、山越えをしている最中探知魔法に反応した盗賊の一団を発見する

距離は1キロ程度で数は30から40といったところか。ここからでは目視出来ないが、どうやら待ち伏せして私達に奇襲を仕掛けようとしているようだ

このまま進んでもこちらの戦力でどうとでもできるが、シスカとハワードさんに万が一があったらいけない


「フレイヤ、ちょっと先に行って倒しきてもらえる?私達はシスカを守りながら向かうから」


「分かりましたご主人様!」


「お願いしますフレイヤさん」


竜の姿へと戻させ、攻撃するまで敵から認識されなくなる魔法をフレイヤにかける。盗賊程度ならこうすればたとえ正面から行っても気づかれることはないだろう


「わぁ!大きい!」


初めて見たであろう竜の姿にシスカは少しも物怖じせず目を輝かせていた

竜の姿を見たら大抵の人は近寄るのを躊躇するけど・・・まだ小さいのにこの子は肝が据わっているな


「では行って参ります!」


翼を大きく羽ばたかせ、盗賊の元へと向かうフレイヤを見送ってから私達はゆっくりと移動を再開する

盗賊が潜んでいる場所に徐々に近づいていくと男達の悲鳴が聞こえてきた

奇襲をかけようとしていた自分達がまさか竜に奇襲をくらうとは思ってもいなかっただろうな

盗賊が待ち構えていた場所に到着した頃には既にフレイヤが無傷で一団を壊滅させていた


「ご主人様、盗賊達を懲らしめてやりましたよ♪」


「お疲れ様。ありがとうね」


褒めて欲しいと擦り寄ってくるフレイヤの頭を撫でてあげてから私達は移動を再開した

結局敵と遭遇したのはこの1度のみでそれ以降は盗賊や魔物と出くわすこともなく順調に進んでいき、3日目の昼前には王都が見える距離までやってきた


「あれが王都グランデリアですかー!大きいですねー!」


久々に見る王都は前世の頃とは比べ物にならない程大きくなっていた

魔王がいた頃は戦争に資金を費やしていて国の発展が後回しとなっていたが、200年程でこんなに栄えたんだなぁ

そんな思いに耽っていると王都にやってきた目的をまだ聞いていなかった事に気づきシスカに尋ねてみた


「そういえばシスカは王都には何をしにきたの?」


「エレナさん知らないんですか?明日は勇者エイク様の生誕祭なんですよ!」


「へぇ勇者エイクの・・・・・生誕祭!?」

読んでいただきありがとうございます

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次回更新は月曜日19時です。よろしくお願いします!

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