087_【紙VSスマホ】スマホの読書は紙の読書より読解力が落ちる #読書 #頭脳
「ジョン・ロックは『読書は単に知識の材料を提供するだけである。それを自分のものにするのは思索の力である』と『随筆集』で語っています」
「やっほー、賢明なる読者様。読むだけで人生よくなる知識を提供する世界一の美女サクラです! 今回は『スマホの読書は紙の読書より読解力が落ちる』のお話をしたいと思います」
「では、よろしくお願いします」
「読者様は読書をしますか? 少なくとも、私とお会いしているので、ここでは読書をしていますかね?」
「……もしかしたら、読み飛ばしている可能性も捨てきれませんが……」
「ともかく、読書でございます!」
「最近ではスマホで読書する機会が増えました。わざわざ紙の本を買う人も少なくなっているのではないでしょうか?」
「紙の本は重たいですし、場所を取ります。保管するのも大変ですし、どこにしまったか忘れると、探すのも一苦労です」
「対して電子書籍は場所を取りません。すべてスマホ一台で完結します。探すのも検索機能で一発です」
「ですが、『スマホだと内容が頭に入らない』と聞いたことはありませんか?」
「この問題について、日本の昭和大学が2022年に調べてくれました」
「ということで、今回はスマホの読書と紙の本の読書で、読解力が変わるのか? についてお話しします。どうぞ、お楽しみください」
「研究者は34人の日本人の大学生を集めて実験を行いました。大学生なので平均年齢は20歳です。若いですねぇ……」
「被験者には2種類の本をスマホか紙の本で読んでもらい、その後に内容に関するテストを行いました。きちんと内容を理解しているか確認しました」
「2種類の本とは、一つが村上春樹の『ノルウェイの森』です。もう一つが同じく村上春樹の『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』です」
「すべての被験者は、どちらの作品も以前に読んだことがない、と回答しています。初めて読む本でトライしてもらいます」
「被験者にはそれぞれの書籍を、それぞれで読んでもらいました。スマホで『ノルウェイの森』を読んだら、『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』は紙の本で読む、という具合に被らないようにしました」
「小説は一部を抜粋しており、約3000文字を読みました」(今回の話がだいたい3000字です)
「テストは小説に関する内容が10問用意されました」
「被験者の脳波と呼吸を調べるため、頭には脳波計を着け、口と鼻には呼吸を調べるマスクを着けた状態で読書をしてもらいました」
「これで集中して読書ができるのですかね? とはいえ、スマホの読書も紙の読書も条件は同じです」
「研究者もリラックスできるように、読書の前後で休憩時間を設けています。気を使っているのです」
「まあ、そんな感じで、被験者に読書をしてもらいました。テストの点数やスマホと紙の読書で呼吸の違いが出るかが確認できたわけです」
「で、結果はというと、紙の本で読んだ方がテストの成績がよかったのです!」
「つまり、スマホで読書をすると、本の内容が頭に残らないことが判明しました。スマホ、残念!」
「このお話を読んでいる読者様も、今回の内容を覚えられないのです。とてもとても、もったいないです」
「どれくらい、テストの成績に開きがあったかと言いますと、スマホの読書の場合、平均して7.5点くらいでした。対して紙の読書の場合は、平均9点くらいでした」
「小説の種類による成績の違いはありませんでした。あくまで、成績の違いは紙かスマホかの違いでした」
「ここまで差がつくと、紙の本の圧勝ですね」
「今回の実験は、読書前の休憩、読書、読書後の休憩、内容確認のテスト、問い流れで行いました。休憩時間は2分です。読書時間に制限は設けていません」
「つまり、内容を忘れるほど時間は経過してません。単純に読書した時の理解力に差がついたと言えます」
「この実験では脳波と呼吸も調べていました」
「呼吸はですね、スマホで読書していた場合、深い呼吸の回数が減っていることが確認できました」
「『呼吸が減っているのは、集中していたから?』とお考えの読者様はいますか?」
「シンプルに考えてください。呼吸が浅くなると、脳に酸素が送られません。脳は酸素がないと働きませんよね」
「つまり、脳の働きが鈍くなる、と考えられます。脳が頑張ってくれないと、理解力が落ちても仕方ないです」
「脳波にも変化は現れています。スマホで読書をしている時の被験者は、前頭前夜の辺りが活発になっていました。いわゆる額の裏側ですね」
「『脳が活発に活動してくれて、何か問題でも?』とお考えの読者様はいますか?」
「適度に活性化するなら問題ないのですが、スマホ読書の場合は前頭前夜が活発になりすぎていたのです。前頭前夜の過活動が起きていました」
「行きすぎていたのが問題なんです。前頭前夜が過活動を起こすのは、脳のキャパシティオーバーの証なんです」
「頑張りすぎた結果、逆に能力が落ちていたのです」
「読者様も頑張りすぎて、空回りした経験はありませんか? 私はあります。しょぼーん……」
「研究者は、『スマホで読書をすると、深い呼吸が抑制される、前頭前夜の過活動が起きる。相互作用で読解力が落ちる』と述べています」
「紙の読書の場合、脳の活動が活発になると、深い呼吸もしくは溜め息を吐くことで前頭前夜の過活動を制御していました」
「いやー、この結果は面白いですね。単純にスマホで読書する際は、呼吸に気を付けたら、読解力が落ちない可能が出てきました」
「スマホの読書が呼吸を抑制するなら、自分の意思で呼吸をコントロールすればいいのです」
「これなら、スマホ読書のデメリットを打ち消すことができるかもしれません」
「読書前に深呼吸、読書中の深呼吸、読書後の深呼吸。これらを忘れなければ、スマホで読書をしても良さそうです」
「それでは、今回のまとめです。昭和大学がスマホの読書と紙の本の読書の違いを調べたぞ」
「すると、紙の本で読んだ方が内容が頭に入っていることが確認できたぞ」
「スマホで読書した場合は、深い呼吸が減って、前頭前夜が過活動を起こしていることが判明したぞ」
「スマホで読書する際は呼吸に気を付けたいぞ」
「ちなみに、スマホで読書をすると呼吸が抑制されるのはブルーライトが原因と考えられます」
「スマホの読書に限らず、スマホで動画を見る、スマホでSNSをする、スマホでゲームをする、スマホで勉強をする、などを行う際は呼吸が抑制される可能性があります」
「スマホやパソコンを使う際は意識して深呼吸するようにしましょう」
「それに、最近ではブルーライトをカットする設定や、メガネがあります。これらを有効活用して、デメリットを打ち消しましょう」
「スマホの読書のメリットを最大限に活かしてくださいね」
「ということで、今回は『スマホの読書は紙の読書より読解力が落ちる』のお話でした。読者様の知識になれば幸いです」
「お付き合いいただきまして、ありがとうございます。高評価や応援コメント、質問やリクエストも待ってまーす!」
「次回の『ベッドを揺らして眠ると記憶力がアップする』で、お会いしましょう」
「もしくは、読者様の気になるお話でお待ちしております。バイバイ」
参考文献
Reading on a smartphone affects sigh generation, brain activity, and comprehension




