085_スマホが視界に入るだけで、集中力は奪われる #集中力 #道具
「先日、スマホを落としてしまいました。うっかり……はぁ」
「やっほー、賢明なる読者様。読むだけで人生よくなる知識を提供する世界一の美女サクラです! 今回はテンション低めで『スマホが視界に入るだけで、集中力は奪われる』のお話をしたいと思います」
「では、よろしくお願いします」
「読者様はスマホをもちろん使っていますよね?」
「今時スマホを使っていない人なんて、オスの三毛猫くらい珍しい存在です」
「仕事中や勉強中にスマホの着信があると、意識をそっちに持っていかれる経験をした読者様も多いでしょう」
「スマホというのは人の集中力を簡単に奪ってしまうのです」
「賢明なる読者様なら、スマホの着信で集中力が切れることを知っているので、着信が鳴らないように設定しているでしょう」
「え? 『そんな設定はしていない』ですか。ダメですよ。今すぐ設定を変えてください。集中力が持っていかれますよ」
「ですが、スマホで集中力が途切れるのは、何も着信だけではないのです!」
「実は、スマホが視界に入るだけで、人は集中力が持っていかれるのです」
「知っていましたか? テーブルの上にスマホを置いて作業をすると、それだけで非効率的なんです!」
「読者様が集中できていないのは、スマホを無造作に置いていたから、かもしれません」
「今回のお話は、テキサス大学オースティン校の研究チームが行った実験です」
「研究者はスマホのユーザー約800人を対象に実験を行いました」
「集められた被験者に、高得点を取るには集中力が必要となるテストを受けてもらいました」
「被験者には、テストの際にスマホをどこに置くか、ランダムで指示が出されました」
「指示の内容は、テーブルの上に置く、ポケットもしくはカバンに入れる、隣の部屋に置く、のいずれかです」
「スマホは音が鳴らないように、サイレントモードに設定するようにお願いしています」
「読者様はこう思いませんでしたか? 『おいおい、何を言ってんだ。音が鳴らないスマホがあるだけで成績が変わるはずないだろ』と」
「確かにスマホが置いてあるだけで、集中力が持っているなんて話は聞いたことがありません」
「ですが、間違いです! 大間違いです!」
「この実験のテストの成績が物語っています」
「なんと、テストの成績が一番良かったのはスマホを隣の部屋に置いていたグループでした」
「当然、一番成績が悪かったのはスマホをテーブルの上に置いていたグループでした」
「スマホをポケットかカバンにしまっていたグループは、隣の部屋に置いていたグループより少し低い成績となりました」
「つまり、音が鳴らなくてもスマホがテーブルの上にあると人は集中ができなくなるのです。結果、テストの成績が下がるのです」
「どうやら、スマホが近くにあるだけで認知機能のリソースの一部がスマホに消費されるのです」
「スマホには様々な機能が詰め込まれています。コミュニケーションツールであったり、ゲームであったり、写真であったり、勉強だったり、読書だったり、本当に様々です」
「スマホが視界に入ると、それらの機能が連想されてしまいます。『あの人は今何をしているのか?』『そろそろゲームのスタミナを消費しないと』『写真が増えてきたから整理しないと』『テスト勉強しないとヤバイな』などのことが自然と思い浮かびます」
「この無意識の思考によって、集中力がスマホに奪われるのです」
「いやー、怖いですね。私も仕事をする時や読書をする時にはスマホを隣の部屋に放置してます。スマホに邪魔されたくないですから」
「面白いですよね。逆に言えば、スマホであってもスマホと認識しなければ、集中力が持っていかれることがなくなるかも……?」
「……実際に実験していませんので、何とも言えませんね」
「研究チームは別の実験も行っています。被験者のスマホへの依存度と認知機能の影響を調査しました」
「スマホへの依存具合でテストの成績が変わるのか調べたのです」
「研究者はスマホに依然しているかアンケートをした上で、先程と同様のテストをしました。スマホを置く場所を指示されて、テストを受けた、やつです」
「すると、『スマホに依存している』と答えた人は、スマホに依存していない人より成績が悪いことが判明しました」
「やはり、スマホに依存すると持っていかれる集中力も大きくなるのでしょう。スマホのことを無意識に考える時間が増えたと思われます」
「ですが、この結果には続きがあります」
「スマホを隣の部屋に置いていたグループでは成績の悪化はなかったのです!」
「成績が悪化したのは、スマホをテーブルに置いたグループと、スマホをポケットかカバンにしまったグループだけだったのです」
「とてもありがたい結果ですよ。スマホに依存度に関係なく、スマホを隣の部屋に置けば、誰でも集中力が持っていかれるということはないのです」
「仕事中、勉強中、読書中、映画鑑賞中、どのシーンでもスマホから物理的に距離を取ればいいのです」
「実験では、テーブルの上に置いてあるスマホの画面が、表か裏かで結果に違いが出るかと、スマホの電源がオンかオフかで違いが出るかも確認しました」
「残念なことに関係ありませんでした。スマホと認識するだけで、アウトなんです」
「人間というのはスマホが目の前にあると、スマホのことを考えてしまう愚かな生き物です。スマホのことを考えないようにしよう、という抵抗は無駄な足掻きです」
「スマホから距離を取るしか逃げ道はありません」
「え? 『ワンルームだから、隣の部屋がない』ですか。物理的に距離を取るのが難しい場合は、カバンの奥底にしまうしかないと思います」
「もしくは鍵つきの箱や金庫にしまうのもありだと思います。視界に収めては絶対にダメです!」
「脳に、スマホを触ることができないと思わせましょう。そうすれば、無意識にスマホに注意が向くのが減るかと思います」
「それか、いっそのことスマホを放置して、部屋を出ましょう。一人で作業できる場所に行きましょう」
「注意して欲しいのはカフェです。カフェでは隣の客がスマホを使うことが日常茶飯事です。せっかくスマホから逃れたのに、スマホが視界に入ってしまいます」
「努力が水の泡です。もっと、スマホと無縁の場所を探しましょう」
「私のオススメは自然です。自然には集中力を回復したり、体を癒す効果も期待できます」
「近くの森や川など、自然が溢れる場所を探してみましょう」
「それでは、今回のまとめです。どうやら人の集中力はスマホが目の前にあるだけで、スマホに持っていかれるぞ」
「隣の部屋に置いて、物理的に距離を離せばいいぞ。しかも、スマホ依存症でも効果ありだぞ」
「現代ではスマホは生活にも仕事にも欠かせない必須のアイテムです。スマホと適度な距離を保ちましょう」
「スマホは有効活用すれば、時間もお金も稼げます。逆にスマホをダラダラ使っていたら、時間もお金も浪費してしまいます」
「気を付けてスマホを使いましょう」
「人間がスマホを使うのであって、スマホに人間が使われてはいけませんよ」
「読者様がスマホとの付き合い方を改めて、スマホで高い生産性を発揮することを祈っております」
「ということで、今回は『スマホが視界に入るだけで、集中力は奪われる』のお話でした。読者様の知識になれば幸いです」
「お付き合いいただきまして、ありがとうございます。高評価や応援コメント、質問やリクエストも待ってまーす!」
「次回の『斬新なアイデアを生み出す必須要素』で、お会いしましょう」
「もしくは、読者様の気になるお話でお待ちしております。バイバイ」
参考文献
Brain Drain: The Mere Presence of One’s Own Smartphone Reduces Available Cognitive Capacity




