073_【夢を操る】明晰夢を見るための最適なトレーニング #睡眠 #夢
「すぴー、すぴー、……あと5分……はっ! お話の時間でした、起きないと」
「……まだ眠いですが、やっほー、賢明なる読者様。読むと人生が変わる知識を提供する世界一の美女サクラです! 今回は、えーっと、『明晰夢を見るための最適なトレーニング』のお話をしにゃす」
「では、よろしくお願いします……」
「読者様は夢を見ますか?」
「え? 『毎日見ている』ですか。それはそれは、よく見ますね。夢日記が溢れていることでしょう」
「では、自分の見たい夢を見たり、夢の中で自由に動ける経験はしたことがありますか? いわゆる明晰夢という奴です」
「今回はですね、そんな夢を自在に操る明晰夢を見るために何をすればいいのか、についてお話しします」
「どうですか? 楽しくないですか?」
「夢を操って、自由自在に動き回れたら何でもできると思いませんか。現実と違って制約なんてないですよ」
「夢の中では好き放題、やりたい放題です!」
「それに成人の55%は人生で一度は明晰夢を体験したことあるそうです。23%の人は月に一度以上は明晰夢を体験するそうです」
「案外、明晰夢は身近なものなんです」
「是非、読者様も明晰夢で自由を楽しみましょう」
「今回の研究は1874年に創立された、オーストラリアのアデレード大学が行ったものです。明晰夢に興味のある被験者を355人集めました。参加者自体は1618人いたのですが、有効なデータは355人だったそうです」
「実は明晰夢を見る方法というのはいくつかあります。被験者に5個の明晰夢を見るトレーニングをしてもらいました」
「一個目は『現実テスト(RT)』です。一日の内に何度か自分は夢の中にいるかどうかを確認します」
「単純な動きを繰り返して、夢か現実かを確認します。何度か繰り返していると夢の中でも習慣になり、夢の中でも自由に動けるようになるのです」
「方法そのものは簡単です」
「二個目は『ウェイクバックトゥベッド(WBTB)』です。日本語にすると、二度寝です」
「これは入眠してから5時間後に目覚めて、数分間起きたら、また眠りにつくという方法です」
「レム睡眠状態が維持されやすく、夢を見やすくなります」
「一人で実行するなら、アラームを設定して頑張って起きてください」
「三個目は『MILD』です。正式にはMnemonic Induction of Lucid Dreamsです。日本語に訳すと、明晰夢に誘導する記憶法です」
「入眠してから5時間後に起きて、再び眠るのはWBTBと同じですが、眠る前に『次に夢を見る時は、自分は夢の中にいると自覚する』と何度か言い聞かせます」
「夢の中にいる自分が夢の中にいることに気づく、というややこしい暗示をかけるのです。未来の自分に忠告する気持ちで言い聞かせてはどうでしょうか?」
「四個目は『SSILD』です。Senses Initiated Lucid Dreamsです。感覚から明晰夢を見る方法です」
「やり方は、入眠から5時間後に起きて、視覚、聴覚、体の感覚にそれぞれ注意を20秒~30秒向けます。一連の動作が終わったら、再び眠ります」
「感覚を鋭敏にすることで明晰夢が見られると考えられています」
「五個目は『ハイブリッド』です。MILDとSSILDを組み合わせた方法です」
「入眠から5時間後に起きて、『次に夢を見る時は、自分は夢の中にいると自覚する』と何度か言い聞かせた後に、視覚、聴覚、体の感覚にそれぞれ注意を20秒~30秒向けます」
「まさにハイブリッドです。せっかく5時間後に起きるのなら、『両方一緒にやっちゃえ』です」
「研究者も面白い考えをしますね。カレーとトンカツを組み合わせて、カツカレーを作るようなものです。美味しいに美味しいを掛け算したのです」
「それでですね、被験者には明晰夢を見るためのテクニックを伝授したり、アンケートに答えてもらったりしました。そして、明晰夢のトレーニングを1週間行ってもらいました」
「その結果、明晰夢のトレーニングとして有効なのはMILDとSSILDの二つだと判明しました」
「RTとWBTEには明晰夢を見るためのトレーニングには適していませんでした」
「そしてハイブリッドですが、特に優れているとはなりませんでした。MILDかSSILDのどちらかだけでいいそうです」
「残念。明晰夢にカツカレーはありませんでした」
「読者様が明晰夢を見たいなら、入眠してから5時間後に起きて、次に見る夢を自覚する。もしくは視覚、聴覚、体の感覚に注意を向けてください」
「どちらの手法を選ぶかは完全に読者様の好みです」
「ちなみに被験者が明晰夢を見た確率はMILDが16.5%、SSILDが16.9%でした」
「明晰夢を見るのはMILDとSSILDのテクニックも大事ですが、他にも明晰夢を見るために重要なことが判明しました」
「入眠してから5時間後に起きるわけですが、この時に起きてから10分以内に眠りにつくことが大事でした」
「起きてから10分以内に眠れると明晰を見る確率がぐーんと上がるのです。目が覚めてからダラダラしていると明晰夢が見れませんのでご注意ください」
「『わざわざ明晰夢を見てどうするの?』と思った読者様はいませんか? 夢の中で自由になれても、起きたら何もないじゃないか、そんな考えを持っている人もいらっしゃるでしょう」
「確かに、夢の中で手に入れたものを現実に持ち込むことはできません。ですが、明晰夢を見るとーー」
「睡眠の質が上がっていたのです!」
「被験者は明晰夢を見なかった夜に比べて、明晰夢を見た夜は睡眠の質が上がったと報告しています」
「起床時の倦怠感が大幅に軽減されていたのです」
「夜に起きるから睡眠の質が下がりそう、と思った読者様は鋭いです。夜に起きると睡眠の質は悪化します。ただし、起きている時間が長い場合です」
「夜に起きてもすぐに眠りにつけば睡眠の質は悪化しないのです。明晰夢を見るために起きても大丈夫なんです」
「これで、安心して試せますね。明晰夢を見るデメリットはないようです」
「それでは今回のまとめです。明晰夢を見るためのトレーニングをいろいろ試したらMILDとSSILDの方法が有効だと判明したぞ」
「MILDは、入眠してから5時間後に起きて、次に夢を見る時に、自分は夢を見ていることを自覚する、と言い聞かせる。もしくはーー」
「SSILDは、入眠してから5時間後に起きて、視覚、聴覚、体の感覚にそれぞれ注意を20秒~30秒向ける」
「起きてダラダラしていたら、効果がなくなるぞ。さっさと二度寝するんだぞ」
「もし、読者様が夢を自在に操りたいのなら、一度試してみてはいかがでしょうか?」
「私も起きて現実が虚しくならない程度に明晰夢を見たいと思います」
「ということで、今回は『明晰夢を見るための最適なトレーニング』のお話でした。読者様の知識になれば幸いです」
「お付き合いいただきまして、ありがとうございます。高評価や応援コメント、質問やリクエストも待ってまーす!」
「次回の『悪夢を見ると現実の恐怖に強くなる』で、お会いしましょう」
「もしくは、読者様の気になるお話でお待ちしております。おやすみなさい。すぴー、すぴー、zzz」
参考文献
Findings From the International Lucid Dream Induction Study




