442_どうしてスポーツの試合内容は覚えていられるのか? #記憶
「『ホートン』『グリンチ』『ハットしてキャット』などの作品で知られるドクター・スースは『その一瞬の大切さに気づかないことがある。それが記憶になる前には』と言いました。いつだって大切なことは振り替えって気づきます。今の大切なことは目に入りません」
「やっほー、役立つ知識を伝える世界一の美女サクラです! 今回は『どうしてスポーツの試合内容は覚えていられるのか?』です。よろしくお願いします」
「読者様は昔に勉強したことは思い出せないけど、スポーツの試合内容は鮮明に思い出せる、なんてことはありませんか?」
「勉強の記憶はまったく思い出せないのに、スポーツになると思い出せる。不思議に思いませんか?」
「不思議に思いますよね? 不思議に思ってください!」
「ということでアメリカのプリストン大学の研究者は、どうしてスポーツの試合内容はいつまでも覚えていられるのか調べてくれました」
「この謎が解明されれば、普段の勉強でも覚えていられるに違いません。是非、覚えておきたい内容になるでしょう」
「研究者は20人のバスケが好きな大学生を集めました」
「その参加者にバスケの試合を観戦してもらいました。ただし、試合の最後の5分間だけでした」
「さらに、fMRIやアイトラッキングを使って、試合中に脳のどこの部位が反応するのか、試合のどこに注目しているのかを調べました」
「そして、脳が反応する要素を見つけました」
「さて読者様、スポーツの試合に何があると脳が反応すると思いますか?」
「得点した時でしょうか?」
「スポーツの醍醐味といえば得点を決めることです。より多くポイントを決めると記憶されるのでしょうか?」
「一般人には真似できない凄い技術を目の当たりにすると記憶されるのでしょうか?」
「誰もが魅了されるスパープレーを見せられると、記憶に刻まれるのでしょうか?」
「それとも、選手が交代されるのがいいのでしょうか?」
「選手が交代すると試合の流れが変わります。同時に脳の流れも変わるのでしょうか?」
「はたして、スポーツの何が記憶と関連しているのでしょうか?」
「バスケ好きを集めて分析した結果、記憶に残るのはーー」
「思いがけないことが起きた試合でした!」
「脳の反応を調べた所、土壇場での3ポイントシュートや勝敗を決める攻守交代などが起きている試合に強く反応していました」
「要するに、予想していた試合展開と違うことが起きた場合に脳の前頭前野が活性化していたのです」
「どういうことかと言いますと、観戦者は試合を見ると、流れを予想します。こっちのチームがリードしているから、勝つのはこっちだ、みたい予想を頭の中で組み立てます」
「しかし、その予想が覆されると、脳が強く反応することが判明したのです」
「負けているチームが逆転した、弱小チームが一糸を報いる、などのことが起きると記憶に残るのです」
「脳というのは、省エネを心がけています。無駄な労力にエネルギーを割くことはしません」
「そのため、予想通りに動いた試合は意外性がないので、わざわざ覚える必要はないと判断します。いつもと同じものを再度覚え直す必要はないのです」
「しかし、予想外のことが起きると、問題があるかもしれませんので、記憶しなければなりません」
「次に同じことが起きても対処できるように記憶しておかなければなりません。だから、思いがけないことが起こった試合は覚えられるのです」
「読者様が思い出せるスポーツの記憶も同じだと思います」
「元々強いチームが順当に勝つ試合よりも、負けると言われているチームが勝った試合などを覚えていると思います」
「予想を覆らせることができれば記憶に残るのです」
「なので、強いチームが普通に勝った試合などは覚えていないと思います」
「記憶に残るということは、予想を覆すということです」
「読者様も覚えたいことがあれば予想を覆すようにしましょう」
「つまり、勉強に応用したいなら、まず予想することです」
「教科書を読んで次に出てくる言葉や展開を予想します。それが間違っていると覚えられるというわけです」
「読者様、教科書を読む際は、サクサク読み進めるのではなく、1ページごとに予想を立てて進みましょう」
「最後まで進むのに時間はかかると思いますが、一度で覚えてしまえば結果的に時間短縮になります」
「常に次に何が起こるか考えながら動いていると、たくさんのことを覚えられるでしょう。是非、記憶力を高めたい読者様は挑戦してください」
「なんなら、私が次に話しそうなことを予想するのもいいと思いますよ」
「予想と違えば、素晴らしい知識を覚えるのに一役買ってくれるでしょう、という感じで今回のまとめです」
「研究者はバスケが好きな人にバスケの試合を見せて、脳がどのように反応するのか調べたよ」
「すると、予想外のことが起きると脳が強く反応するみたい」
「頭の中で想像している自分のストーリーと実際に起こったことに矛盾が生じると記憶に残りやすいみたい」
「読者様も、何かを覚えたければ、最初に予想してから始めましょう。きっと、覚えられるよ」
「予想外というのは驚きと言い換えていいかもしれません」
「予想外、想定外、思いもよらない、とにかく普段とは違うことがあれば記憶に残るのだと思います」
「たとえば、サプライズプレゼントとか。他にも、自信満々に答えたに間違っていた、など」
「感情が強く動かされても記憶に残ると思います。勉強の際はちょっと大袈裟に反応するのがいいかもしれませんね」
「ということで、今回は『どうしてスポーツの試合内容は覚えていられるのか?』でした。知識の足しになれば幸いです」
「ありがとうございました。高評価、コメント、リクエスト、お願いします」
「次回の『裕福な友人がいると収入が高くなる』で、会おうね! いくぜ、知識の完全制覇。バイバイ」
参考文献
Behavioral, Physiological, and Neural Signatures of Surprise during Naturalistic Sports Viewing




