039_死に直面した人は何を感じるのか? #人生 #感情
「やっほー、読者様のプラスになる知識を提供する世界一の美女サクラです! 今回は『死に直面した人は何を感じるのか?』のお話をしたいと思います」
「では、よろしくお願いします」
「読者様は死んだことがありますか? ……あっ、間違えました」
「ごほん、読者様は死について考えたことがありますか?」
「自分の死、家族の死、友達の死、もしかしたら有名人の死を見て、何かを思ったこともあるでしょう」
「今回はですね、そんな死を扱ったお話をしたいと思います」
「ずばり、『死に直面した人が何を思うのか』です!」
「ノースカロライナ大学は死の瀬戸際の人々が何を思っているのか確かめるために、末期ガン患者とALS(筋萎縮性側索硬化症)患者のブログを集めました」
「末期ガンですから、ガンがステージ4まで進行しています。症状としては、治療が難しい状態です。また、最初に発症した部位以外にもガンが転移していることになります」
「かなり厳しい状態です」
「ALSとは、体を動かす筋肉が徐々に痩せ細っていき、力が出せなくなる病気です。呼吸する筋肉が衰えると、自ら呼吸ができなくなり、人工呼吸器が必要になります」
「抜本的な治療法はなく、人工呼吸器を使用しなければ、2年~5年で亡くなるケースが多いようです」
「とまあ、研究者は死に直面している患者のブログを、ネット検索を使って集めたのです」
「しかも、ブログの選定に基準を設けています。まず、第一に、患者本人が執筆していること。家族や友人、配偶者が執筆しているのは認められません」
「第二に、ブログを書く過程で執筆者が死亡していること。病気が進行中の人のブログは除外されているのです」
「第三に、3ヶ月で10回以上の投稿をしていること。分析するためには、ある程度の情報が必要です。頻度が少ないのは除外されました」
「条件を設けることで、本当に死に直面した人の考えを知れるでしょう」
「その結果、条件をクリアしたのはガンのブログが20、ALSのブログが5ありました。ブログへの投稿は合計2616件ありました。男女比は52%が女性で、ほぼ半々でした」
「さらに研究者は健康な人と比較をするようにしました。参加者を募り、その人たちに『末期ガンになって、余命数ヵ月』になった姿を想像してもらいました」
「その状態でブログを書くようにお願いしました」
「本当に死に直面している人と、死を想像した人の考えを比較したのです」
「その結果わかったのは、本当に死に直面している人はポジティブな言葉が多かったのです」
「少し意外でした。私の勝手なイメージでは、死に直面している人は後悔したり、死の恐怖に怯えているものだと思っていました」
「ですが、そんなことはなかったのです」
「さらに、死に直面している人は死期が近づくにつれポジティブな言葉が増えていました」
「ブログの投稿数が増えてもいたのですが、関係なかったようです。単純にポジティブな言葉の頻度が増えていたのです」
「投稿数が増えるのは、自分が生きていた証を残すためだったのでしょうか。残念ながら、真相は天国に行かなければ確認できません」
「そう考えれば、立つ鳥跡を濁さず。マイナスなイメージを持たれたまま、天国に旅立つの忍びないのかもしれません」
「そんなこんなで、本当に死に直面した人はポジティブな言葉が増えるのです。対して、末期ガンを想像した参加者ですが……」
「こちらはネガティブな言葉が増えていました」
「参加者には200文字以上書くようにお願いしいましたが、多くの参加者が長い文章を書いていました」
「ですが、文章量の増加とネガティブな感情になることに関係はありません」
「死について考えることは怖いのは当然です。ネガティブな言葉が増えることからも間違いなさそうです」
「人間、いずれは死にます。死から逃れることはできません。それでも、本当に死に直面している人がポジティブになれるのなら、希望が持てます」
「過度に死を恐れる必要はないのかもしれません。悔いのない人生を送りましょう」
「……いい感じに締めようとしているのですが、この研究には続きがあります」
「別の死に直面している人の言葉も分析しています。読者様はどんな人か想像できますか? シンキングタイム、スタート」
「10……9……8……7……6……5……4……3……2……1……0……終了です」
「では、正解発表です。なんと、死刑囚です!」
「病気とは違った意味で、死に直面している人です。そんな死刑囚の最後の言葉を集めました。期間は1982年~2013年の述べ500人です」
「中には最後の言葉を残していない人もいました。最終的なサンプルは396人です」
「こちらの実験でも比較するために参加者を募って、実験を行いました。参加者に『自分は死刑囚です。翌日には死刑が執行されます』と想像させました。その状態で、最後の言葉を残してもらうように指示しました」
「この研究でも、先の研究と同じ傾向が確認されました。死刑囚の言葉にポジティブな言葉が多くということはなかったのですが、ネガティブではありませんでした」
「死刑囚を想像した参加者は、やはりネガティブな言葉が多くなりました」
「死に直面している人は、存外ネガティブな想像をしないようです」
「とはいえ、死刑囚がポジティブな言葉を残すこともないようです」
「私たちは過度に死を恐れている、そんなことがわかる研究でした」
「死ぬことは怖いですし、できれば長生きしたいです。死についてもっと楽観的に考えてもいいのかもしれない、そんな風に私は思いました」
「では、今回のまとめです。死を想像するのはとても怖いが、本当に死に直面している人は意外とポジティブに捉えている」
「死を想像するとネガティブになっちゃうよ」
「死は等しく訪れます。読者様も例外ではありません」
「必ずしも死に悪いイメージを持つのはやめた方がいいのかもしれません」
「ということで、今回は『死に直面した人は何を感じるのか?』のお話でした。読者様の参考になれば、私はとても嬉しいです」
「最後までお付き合いいただきまして、本当にありがとうございます。高評価や応援コメントはどんどんお願いします。待ってまーす」
「それでは、次回の『糖尿病が怖い? なら、歯磨きせよ』で、またお会いしましょう。バイバーイ」
参考文献
Dying Is Unexpectedly Positive




