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038_商品のデメリットは顧客に知らせるべきか? #ビジネス #決断

「やっほー、読者様のプラスになる知識を提供する世界一の美女サクラです! 今回は『商品のデメリットは顧客に知らせるべきか?』のお話をしたいと思います」


「では、よろしくお願いします」


「読者様は商売をされていますか?」


「商売をする際に、商品の情報を提示するでしょう。その際、メリットを大いに強調すると思いますが、デメリットは提示しますか?」


「商品にはキャッチコピーがつきものです。『水道代20%カット』『家に帰って3秒であったかご飯』『一年中着回せる最強コーデ』などなどです」


「読者様の中にも商品のキャッチコピーに引かれて、購入を決意したこともあるでしょう。ですが、使ってから商品のマイナス面に直面したことはありませんか?」


「たとえば、ホームベーカリーです。寝る前にセットすると、寝ている間に勝手にパンを作ってくれる。朝御飯に出来立てのパンを食べれる、みたいなキャッチコピーは見たことありませんか?」


「キャッチコピーに引かれて購入したが、実際に使うことはなかった人もいます」


「パンが実はそんなに好きじゃなかった? いいえ、違います」


「正解は、ホームベーカリーの音がうるさすぎて、夜に使うと眠れなくなるからです」


「もしかしたら、販売の際に『音がうるさいです』と正直に教えていたら、お客様は商品を買っていなかった可能性も考えられます。ですが、正直な商売で好感度は上がります」


「静音タイプのホームベーカリーが発売されたら、買ってくれる見込みがあります」


「では、メリットだけを強調して売り出すのと、メリットとデメリットの両方を打ち出して売り出すのでは、どちらが効果的なのでしょうか?」


「読者様はこの答えがわかりますか? 単純に考えて、デメリットを提示すると、お客様が離れそうですよね」


「この疑問について、ハーバードビジネススクールが調べてくれました」


「銀行に協力をしてもらい、クレジットカードの口座を開設しようとしている顧客389611人を対象にしたフィールド実験です」


「いやはや、38万人超ですか。恐れ入る大規模さです。脱帽ですな」


「とまあ、そんな顧客たちに、ホームページを見てもらいます」


「一つはメリットをこれでもか、と主張したようなページです」


「もう一方は、クレジットカードの欠点をバシバシ書いたページです」


「クレジットカードに限りませんが、年会費やら、追加料金についての説明って、ページの端っこに小さく書かれていますよね。そんな文言を全面に押し出したページを作ったのです」


「うーん、感覚的にはデメリットを強調しすぎると避ける人が多くなりそうです」


「それで、結果はどうなったか。クレジットカードの欠点をバシバシ書いたページから口座を開設した顧客は、そうでない顧客より月々の支出が9.9%高かったのです」


「意外ですね。デメリットを知っている分、慎重になりそうですが、実際にはメリットばかりの顧客よりカード支払いが多いのでっせ」


「さらに、解約率にも違いがありました。デメリットを知っている顧客の解約率は、そうでない顧客より20.5%低かったのです」


「カード会社や銀行からすると、ありがたいですね。せっかくの顧客も解約されたら、何の意味もなくなります。長く続けてもらわないと、利益になりません」


「個人向けのサービスは薄利多売が基本です」


「そうそう忘れていました。支払いの遅延も少なかったのです。これは当然かもしれません。遅延した時のデメリットを知っていますので、期日を守るようになったのだと思われます」


「データはまだまだありますよ。年齢の高い人の場合、さらに月々の支出が増えていました。およそ19.2%も月々の支出が高かったのです」


「実に20%も変わるとなると、バカにはできません」


「もちろん解約率も低く、33.7%も低いことが判明しました」


「世間ではデメリットを提示する商品は少ないですが、デメリットを提示するだけで、こんなにもメリットが得られるなら、やらないと損ですね」


「ただ、詳しい理由はわかっていないそうです。欠点を提示することで、顧客が本当に欲しいものに出会えたから、と研究者は仮説を立てています」


「自分で使いたいものを選んでいるので、実際に支払いの金額も高くなるのでしょう」


「それにデメリットを知っているので、トラブルが起こっても既に折り込み済みです。解約する必要性がないのでしょう」


「読者様もデメリットを提示するとお客様が離れるとお思いの方も多いでしょう。ですが、今回の研究でわかるのは、デメリットを提示するのはそんなに悪くない、ということです」


「むしろ、効果的な戦略になる可能性を秘めています。可能性だけなら、無限大!」


「今回の研究のように2種類のホームページを作れば、実験できます。もし、読者様が気になるなら、一度お試ししてはいかがでしょうか?」


「それでは今回のまとめです。クレジットカードを作ろうとしている見込み顧客にはメリットだけのホームページを見せるより、欠点をバシバシ書いたホームページの顧客の方が上客だった」


「支出額が上回り、解約率も低く、支払いの遅延も少なかった。銀行からすると優良な顧客です」


「読者様も商品の購入の際にはデメリットの記載があるか確認してみましょう。本当に欲しいものに出会えるかもしれません」


「それにメリットしか書いてない商品にも気をつけてください。隠されたデメリットが購入した後に発覚するかもしれません」


「人間関係でも同じですよね。最初はいい人かと思ったら、実はパワハラする人だった。最初からパワハラする人だったら近づきません」


「本当に欲しいものを得る秘訣はデメリットを知ることかもしれませんね」


「ということで、今回は『商品のデメリットは顧客に知らせるべきか?』のお話でした。読者様の参考になれば、私はとても嬉しいです」


「最後までお付き合いいただきまして、本当にありがとうございます。高評価や応援コメントはどんどんお願いします。待ってまーす」


「それでは、次回の『死に直面した人は何を感じるのか?』で、またお会いしましょう。バイバーイ」



参考文献

Improving Customer Compatibility with Operational Transparency

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