284_釣りタイトルに効果はありますか? #言葉 #マーケティング
「イギリスの随筆家アイザック・ウォルトン は著書の『釣魚大全』にて『魚釣りは数学のようなものだ。というのは、完全にマスターできないからだ』と書いています。何事も完全に理解することはできません。練習を続けていれば、いつまでも成長できます。人間に限界はありません」
「やっほー、人生成功間違いなしな読者様。知ってると得する知識をデリバリーする世界一の美女サクラです! 今回は『釣りタイトルに効果はありますか?』のお話をしまーす」
「では、よろしくお願いします」
「読者様はタイトルを気にしたことがありますか?」
「ニュースサイトの記事の見出しであったり、動画のタイトルであったり、内容を一言で表すのがタイトルです」
「そんなタイトルの中でも、『1粒で1日の栄養を賄う』や『5秒でツルピカ肌に』や『1日で10万円稼げる』みたいな、過剰に煽っているタイトルを見かけませんか?」
「いわゆる、釣りタイトルです。英語ではクリックベイトって言ったりもします」
「読者様も一度は目を引くタイトルに騙された経験があるでしょう。でも、釣りタイトルって実際の所、どうなんでしょうか? 意味があるのでしょうか? 釣りタイトルでクリックが増えるのでしょうか?」
「そこで、釣りタイトルに効果があるのか、ドイツのデュースブルク・エッセン大学が調べてくれました」
「読者様も情報を発信する側に回ることもあるかと思います。その際に、心に留めておいて欲しい内容となっております」
「研究者はSNSに投稿されているニュースを4400件以上集めて、分析しました。対象の報道機関は大手が5社、タブロイド版が5社でした」
「どうして、ニュースサイトやテレビで調べなかったのかと言いますと、35才未満の人は情報を入手する際にSNSを活用するからです」
「また、メディアもこぞってSNSにニュースを投稿しているので、SNSは都合がよかったのです」
「集めたデータを分析して、ニュースへの反応、シェア数、コメント数に変化があるのか、釣りタイトルにどれ程の効果があるのか調べてくれたわけです」
「読者様は釣りタイトルについてどう思っていますか?」
「気になりますか? それとも、無視していますか?」
「それでは分析の結果をお話ししましょう」
「まず、タイトルにエクスクラメーションマークの『!』やクエスチョンマークの『?』がある場合ですが、普通のタイトルに比べて55%多く反応を引き出していました!」
「最大で2.5倍の反応を引き出すみたいです」
「どうやらタイトルに感嘆符の『!』や疑問符の『?』を使うのは悪くないっぽいです」
「ですが、本文で使っても意味ないみたいです。むしろ、使わないほうがいいみたいです」
「本文に『!』『?』を多用していると、反応が悪くなりました」
「本文に『!』『?』が多用されると読みにくいですし、頭の悪い文章に見えます。可読性の低下が反応の低下に繋がったのでしょう」
「次に、シェア数です」
「やはり、タイトルに『!』『?』を使うとシェア数が増加していました。その数、実に88.9%増でした」
「ただ、タイトルの文字数が増えるとシェア数は減るみたいです」
「一方で、本文の文字数が増えるとシェア数は増えていました」
「つまり、タイトルは短く、本文は長く、がシェア数を増やす秘訣でした」
「さて、ニュースで忘れていけないのがコメントです」
「タイトルの文字数が少ないとコメント数も増えていました。タイトルの文字数が2倍になると、コメント数は23.7%の減少が確認されました」
「タイトルは短く、かつ早く認識してもらえると、いい感じみたいです」
「他にも、色々と判明しておりまして、定番の釣りタイトルを使用した記事は普通の記事のタイトルに比べて、反応、シェア、コメントの4分の1を失っていたそうです」
「読者側も定番のタイトルを使用していると、ある程度内容が想像できてしまいます。そのため、読むまでもない、と思うのでしょう」
「タイトルがポジティブなワードの場合、反応が17.3%増加していました」
「ネガティブな内容の場合、コメント数が12.1%増加していました」
「ポジティブかネガティブかでも、違いが出ることが判明しました」
「ちなみに、記事のカテゴリで反応が大きく変わることはありませんでした」
「政治、芸能、犯罪、スポーツ、どのようなジャンルのニュースでも等しく影響がありました」
「とまあ、色々と判明したわけですが、読者様が気になるのは釣りタイトルの実際の効果だと思います」
「釣りタイトルの効果について研究者は『ユーザーにニュースを見せるのに役立つが、ユーザーの興味を引き付けるのには直接の関係はない』とのこと」
「要するに、釣りタイトルで閲覧してもらう確率は増えるかもしれませんが、その後の行動に変化を与えるようなものではありませんでした」
「というのも、読者様も釣りタイトルというのを既に知ってしまっているからです」
「過剰に煽っているタイトルを見ると、『ああ、釣ってるな』と思います。そもそも、期待していないので、閲覧しても『やっぱりな』や『期待外れ』と思うのです」
「そのため、釣りタイトルに効果はないのです」
「釣りタイトルは一種の文化として浸透しました。全員が知っているので騙される人がいなくなった、ということです」
「読者様にも、昔は気になっていたけど今は全然気にしていないタイトルがあると思います。結婚、不仲、水着、すっぴん、などは定番タイトルですよね」
「これらの言葉だと、なんとなく内容が想像できますよね?」
「釣りタイトルを皆が受け入れちゃっているよね、って所で今回のまとめです」
「研究者はSNSのニュース記事に含まれる釣りタイトルを分析して、釣りタイトルの効果について調べたよ」
「すると、『!』『?』をタイトルに使うと反応が最大で2.5倍になるよ。でも、本文で使ったらダメだよ。読みにくいし、バカに見えるよ」
「タイトルが長いとコメントが減ったよ。でも本文が長いとコメントが増えていたよ」
「タイトルがポジティブだと反応が増えて、ネガティブな内容だとコメントが増えるよ。使い分けが必要だね」
「でも、総合すると釣りタイトルは意味がないよ。みんな、騙された経験があるから、釣りタイトルに期待していないよ」
「タイトルで煽ってもしょうがない、ってことです」
「ただし、中身が伴っている場合は、釣りタイトルを使用してもいいっぽいです。期待外れにしなければ、その後の反応がよくなります」
「なので、頑張って中身を磨きあげましょう!」
「……まあ、それができれば、誰も苦労しないのでしょうが」
「とりあえず、今できることはタイトルは短くすること、タイトルに『!』『?』を使うこと、本文を長くすること、くらいですね」
「私も、今日から実践したいと思います」
「ということで、今回は『釣りタイトルに効果はありますか?』のお話でした。読者様の人生の潤いになれば嬉しいです」
「最後まで、ありがとうございます。高評価、コメント、お願いします」
「読者様が『あれが知りたい』というリクエストも受け付けてます!」
「次回の『「あっという間に時間が過ぎる」の原因と対策』で、会いましょう!」
「もしくは、読者様が気になるお話でもいいですよ。目指せ、知識の宝物殿。バイバイ」
参考文献
Click me…! The influence of clickbait on user engagement in social media and the role of digital nudging




