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280_数学の力を使って【ジャンケン】の勝率をあげる #計算 #勝負

「スイスの政治家であり、法学者であり、哲学者であるカール・ヒルティは『高慢はつねに相当量の愚かさに結びついている。高慢はつねに破滅の一歩手前で現われる。高慢になる人は、もう勝負に負けているのである』と『幸福論』の中で述べています。高慢になっても何も特はありません。謙虚に生きましょう」


「やっほー、読者様のプラスになる知識を提供する世界一の美女サクラです! 今回は『数学の力を使って【ジャンケン】の勝率をあげる』のお話をしたいと思います」


「では、よろしくお願いします」


「読者様はジャンケンをしたことがありますか? いえ、これは愚問でした。さすがにジャンケン未経験の読者様はいないでしょう」


「改めて、読者様はジャンケンで勝てますか? 読者様はジャンケンに強いですか? それとも、弱いですか?」


「友達であれば、よく出す手を知っているかもしれません。それは同時に自分の手がバレているとも言えます」


「ジャンケンは心理戦だったりしますが、ほとんどは心理戦を展開する前に決着します」


「そんなジャンケンですが、ゲーム理論の世界では昔から研究されていたりします」


「ナッシュ均衡という理論があって、ざっくり説明すると『どのプレイヤーも自分だけでは、それ以上メリットを大きくできない状態』のことです」


「まあ、小難しい話を抜きにすると、ジャンケンではランダムに出すと勝率が上がるのです。ジャンケンは確率ゲームなので、あんまり考えても仕方ないです」


「でも、この結論で終わってしまえば、私の出番がなくなります」


「なので、今回はジャンケンに関する大規模な実験を紹介したいと思います。今回のお話を聞くと、ジャンケンの勝率がすこーし上がります」


「残念ですが、確率ゲームなので必勝にはなりません。ジャンケンの必勝法を期待された読者様、ごめんなさい」


「今回紹介する研究は中国の浙江(せっこう)大学の実験です。学生を360人集めまして、6つのチームに分けました。対戦相手をランダムで決めて、合計300回のジャンケンをしてもらいました」


「え? 『ジャンケンを300回もやってられないよ』ですか。その通りですね。真剣にジャンケンに取り組んでもらえるように、研究者はジャンケンで勝つとお金を与えることにしました」


「そうなんです! お金で釣ったのです。とはいえ、金額は少額です」


「お金で釣って集めたジャンケンのデータを分析した結果、パターンが確認されました」


「読者様は想像がつきますか? ジャンケンで何を出したら勝てるのでしょうか? グー? チョキ? パー?」


「同じ手を連続で出すのはあり? それとも、なし?」


「相手の手を見て、自分の手を変えるべき? それとも、マイペースに手を選ぶべき?」


「さて、ジャンケンを分析した結果、確認されたパターンとは、『一回で勝負がついたら、勝者は次の勝負で同じ手を出す確率が高い』と『二回以上連続で負けた場合は、次は手を変えて、相手が出した手に勝てる手を出す』の二つです」


「これはちょっとややこしいです。一言でまとめると、勝者は手を変えず、敗者は手を変える、です」


「わからなくもないです。勝っていると運が向いていると感じて、勝った手を踏襲する。負けた場合は縁起が悪いから手を変える。ということでしょう」


「流れを変えたくない、流れを変えたい心理は理解できます。ただ、ゲーム理論的にはランダムに出せよ、って結論なんですが」


「まあ、人間には感情があるので、常に最適な行動は取れません。相手の行動を無意識に真似する傾向もあるので、難しいです」


「例を出しながら、ジャンケンの勝率を上げるテクニックをお話ししたいと思います」


「まず、自分が負けた場合は、相手の出した手に勝つ手を出すこと。自分がグーで、相手がパーなら、次はチョキを出すと勝ちやすい」


「逆に自分が勝った場合は、次に出す手は相手が出した手にすること。自分がグーで、相手がチョキなら、次に出すのはチョキがベスト」


「もし、このテクニックを忘れていて、同じ手で連勝した後に思い出した場合は、次の手は変えること。自分がグーで連勝したら、次はパーかチョキを出すこと」


「読者様もこのテクニックを使ってジャンケンの勝率を上げてください」


「ですが、このテクニックには弱点があります」


「まず、第一に一発勝負では関係ありません。このテクニックは何度か勝負する場合の傾向です」


「なので、ジャンケンをする時は一発勝負では受けないでください。三本先取に持っていかないと、今回のテクニックは使えません」


「そして第二に、相手もこのテクニックを知っていたら意味がありません」


「ただ、上手くはまれば勝ち続けることができます」


「両者がテクニックを知っている場合、自分がグーで勝ったら、相手の出した手に変えるので、次にチョキを出します。相手はチョキで負けたので、相手が出した手に勝てる手を出すので、次にパーを出します」


「すると、自分はチョキ、相手はパーとなります。もし、同じように考え続けたら、永遠に勝てることになります」


「実際は何回か勝負をしたら気づくので、無理な話です」


「今回の研究はあくまで、パターンが確認されただけです。必勝法ではありません。真似して負けても私は責任を取れません」


「さらに言えば、一対一の研究です。三人以上でジャンケンする場合は異なります。過度な期待はおやめください」


「では、今回のまとめです。ジャンケンに勝ったら次の手は変える。負けたら相手が出した手に勝てる手を出す、です」


「ゲーム理論ではランダムに出すのが一番です」


「テクニックを使うか、ランダムに手を出すかは読者様の判断に委ねます」


「少しでも読者様のジャンケンの勝率が上がることを、私も遠くで祈っております」


「ということで、今回は『数学の力を使って【ジャンケン】の勝率をあげる』のお話でした。読者様の参考になれば、私はとても嬉しいです」


「最後までお付き合いいただきまして、本当にありがとうございます。高評価や応援コメントはどんどんお願いします。待ってまーす」


「それでは、次回の『寒い日はSNSにイライラした投稿が増えるべ』で、またお会いしましょう。バイバーイ」



参考文献

https://arxiv.org/abs/1404.5199

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