1434_いい人間関係を築きたいのなら相手の話を覚えておけ #人間関係 #記憶
「少年時代に人間が空を飛べるようになる薬を作ろうとしていたアメリカの発明家トーマス・エジソンは『若い人に覚えておいてもらいたいのは、「決して時計を見るな」ということだ』と言ってます。時間を気にするなってことでしょうか？」
「やっほー、知識を増やすことは人生の至福。世界一の美女サクラです！ 今回は『いい人間関係を築きたいのなら相手の話を覚えておけ』です。よろしくね」
「読者様は初対面の人と簡単に仲良くなれますか？」
「多くの人はかなり苦労するのではないでしょうか？ そもそも簡単に仲良くなれるのなら、世の中に仲良くなるための書籍やテクニックがこれほど溢れていないに決まっています。逆説的に考えて、仲良くなるのに困っている人が多いってことです」
「閑話休題、どうすれば初対面の人と仲良くなれるのですか？」
「笑顔ですか？ やはりニコニコしていることがいいのですか？」
「リアクションですか？ 大げさなリアクションをしていれば、相手に好意を持ってもらえるのですか？」
「名前ですか？ 相手の名前を何度も呼ぶといい、というテクニックもよく聞きます」
「それとも共通の趣味を見つけることが大事なのか？ 見た目がすべてなのか？ もしくは、質問することが大事なのでしょうか？」
「いいえ、違います」
「正解は、相手の話したことを覚えておく、です」
「実は、相手の話したことを覚えておくことが滅茶効率的なコミュニケーション術だったのです」
「今回は初対面の人と仲良くなるには相手の話したことを覚えておくことが大事と伝えたいです」
「参考文献はイギリスのアバディーン大学の研究となります」
「研究者は人間関係を構築・維持する上で記憶が効果的な手段になるのか調査を行いました」
「模擬面就職面接の実験を三つ、初対面のコミュニケーションに関する実験を一つ行いました。合計で560人が参加しています」
「模擬就職面接の実験では、参加者にオフィスアシスタントの採用担当者としての役割を与えました」
「候補者の2分間の動画を見ました。能力やスキルを確認してもらうための動画です」
「動画視聴後、「この候補者は不採用です」と告げられ、参加者は候補者のフィードバックを用意するように伝えらえれます。この時、三つの条件のいずれかに割り当てられます」
「その一、価値を伝える。候補者が示した情報が自分にとって大切であることを伝えるように指示されます」
「その二、記憶を伝える。候補者が話した具体的な内容に言及して、候補者のことをよく覚えていることを伝えるように指示されます」
「その三、無価値を伝える。候補者が示した情報が自分にとって価値がないことを伝えるように指示されます」
「その後、別の参加者にフィードバックを読んでもらい、面接はどれくらい重要だったのか、候補者にどれくらい好意を持っているのか評価してもらいました」
「初対面のコミュニケーションに関する実験では、初対面の二人に会話をしてもらいました。その後、最終的な応答をするように求められました。この時も、価値、記憶、無価値をそれぞれ伝えるように指示されました」
「要するに、コミュニケーションにおいて相手に、価値を伝えるか、覚えていることを伝えるか、毒を吐くか、をそれぞれ行ってどれが大切なのか調べたのです」
「その結果は先に述べた通り、相手の話したことを覚えておいたグループが一番好意的でした」
「相手の話を覚えている人は、第三者から見て「相手のことを一番考えている」と捉えられていました。非常にいい印象を持たれていたのです。どの実験でも結果は同じでした」
「相手の素晴らしいスキルを称賛するより、相手の話したことを覚えておくほうがいいのです。もちろん、相手に毒を吐くのは論外です」
「最強のコミュニケーション術は「相手の話を覚えておく」だったのです」
「でも、この相手の話を覚えておくというテクニックを使っている人はほとんどいないことも判明しました。研究ではこのテクニックを使っているかどうかも調べましたが、参加者のほとんどは指示されるまで使うことはありませんでした。普段から使っていないことが分かったのです」
「しかし、指示されると使えることも分かっています。意識さえすれば簡単に使えるテクニックのようです」
「このテクニックはもっと使ったほうがいいです。使わないのはもったいないです。過小評価されているのです」
「読者様は初対面の相手と仲良くなれず困った経験はありませんか？」
「そんな時は相手の話したことを覚えておきましょう。そして、次に会った時に、「この前のレストランはどうだった？」とか「あのゲームの進捗はどう？」などと聞くといいです。一気に距離が近づくことでしょう」
「相手の話したことを覚えておくのが一番仲良くなれますよ」
「え？ 『いちいち内容を覚えられない』ですか。ならばメモを取りましょう。雑談の中で出た話題をメモしましょう。次に会う時にメモを振り返ればオッケーです」
「また、最近の人はSNSで自分の情報を発信しています。SNSを振り返ってみるとヒントが隠されているかもしれませんよ」
「相手と仲良くなるのに、巧妙な会話スキルは必要ありません。盛り上がる話題を提供する必要もありません。必要なのは記憶力です」
「ということで今回のまとめです」
「研究者は人間関係を構築・維持する上で相手の話を覚えておくことがどれほど重要なのか調べたよ」
「四つの実験を行って、価値を伝えるか、覚えていることを伝えるか、毒を吐くか、どれが重要か調べたよ」
「すると、相手の話を覚えていることが一番大切だったよ。相手の話を覚えていると好意を持ってもらえることが判明したよ」
「初対面の人と仲良くなりたければ、相手が話したことを覚えておこうね」
「今回の研究はヨーロッパで行われ、サンプルの多くが大学生でした。サンプルが偏っているので結果を一般化するのは難しいです」
「とはいえ、相手の話を覚えておくことは他の研究でも有用性が証明されています。的外れな結果ではないと思います」
「読者様も相手の話を覚えておきましょう。それだけで、相手のことを考えているアピールになります」
「これからは意識して相手の話を覚えておきましょうね」
「今回は『いい人間関係を築きたいのなら相手の話を覚えておけ』でした。大体の問題は知識で解決できる」
「ありがとうございました。次は『昔に比べて皆の歩く速度が速くなっているらしいじゃん』です！ バイバイ」
