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1425_初めて会う場所が雰囲気のいい場所でも雰囲気が最悪の場所でも違いがない #人間関係

「フランス革命を全否定しているイギリスの政治家エドマンド・バークは『われわれが人間の心に発見する最初にして、最も単純な感情は好奇心である』と言ってます。好奇心はすべての原動力なり」


「やっほー、知識はいいものだ。世界一の美女サクラです! 今回は『初めて会う場所が雰囲気のいい場所でも雰囲気が最悪の場所でも違いがない』について話すよ。よろしくね」


「想像してみてください。メッセージのやり取りはしているけど、顔の知らない相手と会う時、どんな場所で会いたいですか? しかも気になっている相手だとしたら」


「レストランで美味しいディナーをしながら会いたいですか? 地元の公園で肩ひじ張らずに出会いたいですか?」


「それとも、オシャレなカフェ? もしくは雰囲気のいいバーがいいでしょうか?」


「色々な場所を想像すると思いますが、総じて雰囲気のいい場所を選んでいると思います。初めて顔を合わせるなら、オシャレな場所がいいに決まっています。特に気になっている相手なら」


「ですが、雰囲気のいい場所で出会うの意味はないのかもしれません」


「案外、もっと適当な場所のほうが仲良くなれる可能性があるのです」


「今回は出会う場所についてお話したいと思います」


「参考文献はアメリカのジョージア大学の研究となります」


「研究者は出会う場所と親密度の関係を調べるため、201人の大学生に協力してもらいました。平均年齢18歳です」


「参加者は初対面の相手と男女のペアを組みます。そして、研究者が用意した誰とでも親しくなれる質問票を使って、お互いに会話をします」


「ただし、参加者の半分はオシャレな雰囲気の部屋で会話をしますが、残りの半分は雰囲気がまったくない部屋で会話をします」


「オシャレな部屋には、淡く光っているランプが置いてあったり、ぬくもりのあるソファが置かれていたり、テーブルには小さな観葉植物が置かれています。ディフューザーにより部屋はラベンダーの香りで満たされていました。リゾート地の高級ホテルの一室、って感じの雰囲気の部屋となります」


「対して、雰囲気のない部屋は、窓にはぺらっぺらのカーテン、味気のないテーブルとイス、武骨なキャビネットなどがあります。無機質な事務部屋という感じです」


「参加者は会話した後、会話が楽しかったか、相手の印象、また会いたいかどうか、などを評価してもらい、部屋の違いで印象が変化するのか調べました」


「さて読者様、雰囲気のいい部屋と雰囲気が最悪の部屋、どういった違いが出たのでしょうか?」


「相手の印象と部屋の印象は別物です。この理論で考えれば、部屋が変わっても、相手への印象に大きな違いはないはずです」


「しかし、人間は雰囲気に流される生き物です。ロマンチックなムードが流れていると、気分が高揚します。雰囲気にいい部屋にいると相手に心を許しやすくないっていたのでしょうか?」


「雰囲気最悪の部屋はどうなのでしょうか? 部屋の雰囲気の悪さが会話を盛り上げる要素になるのか、それとも会話を盛り下げる要素になるのか?」


「はたして、部屋の雰囲気は第一印象にどういった影響を与えたのでしょうか?」


「初対面の相手に雰囲気のいい部屋もしくは雰囲気が悪い部屋で出会ってもらった結果、部屋の雰囲気はーー」


「関係ありませんでした!」


「雰囲気のいい部屋で会話をしていた人も雰囲気の悪い場所で会話をしていた人も、その後の親密度に違いはありませんでした」


「まず、実験の時に連絡先を交換したのかチェックしたのですが、部屋の違いで差はありませんでした」


「一ケ月後にフォローアップをしたのですが、実験後にまた会ったと回答した人の数も違いはありませんでした」


「つまりですね、部屋の雰囲気と親密度には関係がないのです」


「雰囲気のいい部屋で出会っても、雰囲気の悪い部屋で出会っても、その後の印象に違いはないのです」


「初対面の相手と会う際、あまり雰囲気にこだわる必要はないみたいです。どこで出会っても同じです」


「ただですね、完全に同じ結果というわけではありません。雰囲気のいい部屋で出会った男女はその後の親密度が高まるみたいです。とはいえ、ほんの少しの差なので気にする必要もないレベルです」


「読者様は初対面の相手と会う際、いい場所をセッティングしていませんか? それ、あまり意味がないかもしれません。徒労です」


「逆に言えば、気負う必要はないです。どこで会っても同じなんですから、普通の場所で会えばいいのです。わざわざ高いお店を予約する必要はなさそうです」


「大事なのは場所ではなく、何を話すかなのでしょう」


「ということで今回のまとめです」


「研究者は200人以上の大学生を集めて、初対面の相手と会話してもらったよ。その際、雰囲気のいい部屋と雰囲気の悪い部屋に別けたよ」


「すると、どっちの部屋で話しても結果は変わらなかったよ。仲良くなる確率はどっちの部屋でもほぼ同じだったよ」


「初めましてがいい場所でも悪い場所でも関係ないみたいだよーん」


「今回の研究ですが、色々と考える点があります。まず、質問票が優秀過ぎたという点です」


「誰ともでも仲良くなれる質問票を使用したので、部屋の雰囲気が実験に介入する余地がなかった可能性があります。もっと自然な会話をしていたら部屋の雰囲気も関係していたかもしれません」


「逆に言えば盛り上がる会話を用意しておけば、部屋の雰囲気は関係ないってことですね」


「読者様は顔を合わせたことない相手と会う際、雰囲気のいい部屋がいいですか? それとも、普通の場所でいいですか?」


「とにもかくにも、場所はそんなに関係なさそうです」


「今回は『初めて会う場所が雰囲気のいい場所でも雰囲気が最悪の場所でも違いがない』でした。未知を少しでも減らす」


「ありがとうございます。次は『カブトムシはオオスズメバチが怖いから夜に行動しているのだ』だ! バイバイ」

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