1402_友だちが多い奴は人一倍拒絶に弱いぞ #人間関係
「ハレ大学で神学を学んだドイツの詩人ゴットフリート・アウグスト・ビュルガーは『快楽の蜜の甘さは、はかない数分しか続かないが、友情の幸いは生涯を通じて心の糧となる』と言ってます。」
「やっほー、知識はいいものだ。世界一の美女サクラです! 今回は『友だちが多い奴は人一倍拒絶に弱いぞ』です。よろしくね」
「読者様は友達が多いですか?」
「友達が多いと、色々な面でオトクです。たとえば、困っている時に助けてもらいやすいです」
「人と人の繋がりが多ければ多いほど、困っている時に助けてもらえる確率が高まります」
「また、多様な視点も得られます。様々なバックボーンを持つ人たちと交流することで自分以外の考えを吸収することが可能です。そこでは新たな価値観を得られることでしょう」
「他にも、友達に遊びに誘ってもらうことで外出の機会が増えたり、人脈が人脈を呼ぶこともあります。総じて、友達が多いことはいいことです」
「しかしですね、友達が多い人にも弱点はあります。どうやら、友達が多い人にはとある能力が低いことが判明したのです」
「今回は友達が多い人の特徴についてお話します」
「参考文献はアメリカの南カリフォルニア大学などの研究となります」
「研究者は友達が多い人の特徴を調べるため、韓国の村で研究を行いました。948人の村民を対象にまずは友達関係や健康、メンタルに関するアンケートを実施しました」
「参加者には二つの実験に協力してもらいました」
「一つ目の実験は仲間外れです。参加者は他の二人とキャッチボールをします。ですが、途中から参加者を無視して、残りの二人でボールを回すようになります。意図的に参加者を無視する状況を生み出し、その際の脳波を調べました」
「二つ目の実験では、他人のネガティブな表情の画像を見ました。怒っている、嫌悪感を抱いているなどの表情を見て、その際の脳の活動を調べました」
「そして、友達が多い人の特徴を探ったのです」
「さて読者様、友達が多い人はどんな特徴を持っていたと思いますか?」
「不安でも抱きやすかったのでしょうか?」
「友達が多いのは不安を隠すためで、仲間外れに対して過剰に反応することが確認されたのでしょうか?」
「共感力はどうでしょうか?」
「友達が多い人は共感力が高い、いえ、高すぎてしまい、逆に相手の感情を必要以上に感じ取ってしまったのでしょうか? 共感力が高すぎて問題が起きていたのでしょうか?」
「ストレスを抱えていたのでしょうか?」
「友達が多いと人間関係のトラブルに巻き込まれる可能性が高くなります。気苦労が増えるのでストレスに弱くなっていたのでしょうか?」
「他にも、時間に敏感な可能性があります。友達が多いとそれだけ誘いが増えますが、友達を維持するには約束を守る必要があります。時間を無駄にしたくないという思いが強くなったりしないのでしょうか?」
「はたして、友達が多い人にはどんな特徴が隠されていたのでしょうか?」
「とある村の住民を調査した結果、友達が多い人はーー」
「拒絶に弱くなっていました!」
「友達が多い人は、他の人から拒絶されると、友達が少ない人に比べて大きな苦痛を感じることが判明しました」
「友達が多い人の脳は、島皮質や前帯状皮質などがネガティブなことに強く反応していることが確認されたのです」
「つまり、友達が多くて皆から頼りにされている人は、拒絶されたり無視されると滅茶苦茶落ち込むのです。人気者ほど、他人の言葉や行動に敏感に反応するのです」
「この反応、心身の両方にダメージが入っている可能性があります」
「島皮質は不安や落ち込みなど、メンタルによくないことがあると活発になります。しかし、前帯状皮質は体に痛みが伴うと活発になる部位です」
「ですので、友達が多い人は他の人に無視されたり拒絶されると、心だけでなく体にもダメージを負っている可能性があります」
「友達が多いから一人二人に拒絶されても、他の友達がいる、そう考えるかもしれませんが、実際は大丈夫じゃなないのです。友達が少ない人より大きなダメージを受けている可能性があります」
「太古の昔、人と人の結びつきはとても重要なものでした。関係が良好だと生存にも有利に働きました。ですので、人は拒絶されることに大きな不安を抱くのです」
「特に友達が多い人は、その関係性がアイデンティティになっていることがあります。誰かに無視される、拒絶される、誹謗中傷を言われるなどは、そのアイデンティティが揺らぐ行為です。そのため、より大きなダメージを受けると考えられます」
「読者様は友達が多いですか?」
「友達が多いようなら、人一倍他の人の言葉に敏感に反応するようになっているかもしれません」
「また、友達が多い人から連絡が来た場合は、ちゃんと返事をしましょう。連絡を返さなかったら、他の人に連絡するだろう、そんな考えが相手を傷つけることになります」
「友達が多いから、一人二人に無視されても他の人の所に行く、なんて考えないでください。友達が多い人ほど、友達に無視されるのを気にしているのです」
「友達が多いことにもデメリットがあることを忘れずに」
「ということで今回のまとめです」
「研究者は900人以上を対象に人間関係と拒絶に対する脳の反応を調べたよ」
「すると、友達が多い人ほど他の人からの拒絶に弱いことが判明したよ」
「拒絶されたり、無視されたりすると脳が過剰に反応しちゃうみたい。覚えておいてね」
「今回の研究ですが、かなりサンプルが偏っています。一般化するのは難しいでしょう」
「それと、有名人がSNSでどうでもいい人からの誹謗中傷に一喜一憂することが多々あります。これも今回の実験で説明可能です」
「有名人ほど社会的な繋がりが多くなるので、見知らぬ他人からのネガティブなコメントに過剰に反応すると考えられます」
「友達が多い、有目人になる、人気者になる、一見悪いことなんてないように思えますが、デメリットは確かに存在します。とはいえ、友達が多くて助けられるほうが圧倒的に多いでしょう」
「ですので、友達を減らすなんて極端なことは考えないでくださいね」
「今回は『友だちが多い奴は人一倍拒絶に弱いぞ』でした。私は知識が大好きです」
「ありがとうございました。次は『骨の健康のためには座る時間を減らさないといけない』です! バイバイ」




