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1396_自分とは違う意見を正しく理解できないからもっとお互いに知る必要があるよね #言葉 #意見

「シャフツベリー伯家では秘書をしていたイギリスの哲学者ジョン・ロックは『新しい意見というものは、それがまだ珍しいというだけの理由で、いつも疑われ、ふつう反対される』と言ってます。どんなに素晴らしい意見でも最初は受け入れられないのが定石です」


「やっほー、知識は最強である。どうも、世界一の美女サクラです! 今回は『自分とは違う意見を正しく理解できないからもっとお互いに知る必要があるよね』となります。最後まで楽しんでいってください」


「世の中には様々な意見が溢れています。まあ、仕方のないことです。十人いれば十人の考えがあるのが当たり前です。そのため、至る所で意見のぶつかり合いが起きています」


「議論を交わすことは悪いことではありません。相手の主張を聞き、自分の主張を唱える。両者が合意した結論に至れば最高です」


「でも実際には、両者が納得して議論が終わることは少ないです。どちらかが妥協したり、互いに不満を抱えた議論を終えることも少なくありません」


「どうして、納得できずに議論が終わるのでしょうか?」


「もしかしたら、その原因が判明したかもしれません」


「今回は意見についてのお話です」


「参考文献はイギリスのキングスカレッジロンドンの研究となります」


「研究者は人が様々な意見を正しく理解できているのか調べるため、アメリカの成人256人を対象に二つの実験を行いました」


「参加者にアンケートを行い、どのような意見を持っているのか調べました」


「集まった意見から、参加者を同じ意見を持つ人たちと違う意見を持つ人たちに別けました」


「次に、参加者には他の人がどう考えているのか推測してもらいました。自分と同じ意見の人はどのような考えを持っているのか、自分と違う意見を持つ人はどのような考えを持っているのか、推測してもらいました」


「ただ、推測するにしても簡単ではありません。顔も知らない相手の考えを推測するなどエスパーの領域です。そのため参加者には他の人のアンケートの回答の最初の部分だけを見せました。アンケートの一部の回答を推測の材料に使ったのです」


「そして、人々が他の人に考えを正しく理解しているのか調べました」


「さて読者様、どのような結果が得られたのでしょうか? 参加者は他の人の意見を正しく理解していたのでしょうか? それともまったく理解していなかったのでしょうか? どちらもありそうです」


「まず、自分と同じ意見を持っている人の考えを推測するのは簡単そうな気がします。自分と同じ意見、もしくは似たような意見ですので、推測するのも難しくなさそうです」


「一方で自分と違う意見を持っている人の考えを推測するのも簡単そうな気がします。自分の考えとは反対にすればいいのですから、簡単に推測できそうです」


「それとも、他の人の意見を推測するのはできなかったのでしょうか? 所詮人は相いれない存在です。同じ意見を持っていたとしても心の内を推測するのは不可能だったのでしょうか?」


「はたして、人は他の人の意見をどれくらい正しく理解していたのでしょうか?」


「200人以上の意見を集めて、他の人の意見を推測させたところ、参加者は他の人の意見をーー」


「推測できませんでした!」


「ただし、全員の意見を推測できないわけではありませんでした」


「自分と同じ意見を持つ人の考えは正しく推測できていました」


「ですが、自分とは違う意見を持つ人の考えはまったく推測できていませんでした」


「人間の理解が及ぶ範囲は自分と同じ意見を持つ人に限られるみたいです」


「研究では参加者にどれくらい推測が正しいか自信のほどを調査しました」


「その結果、推測について得意満面でした」


「得意げで、自信たっぷりに、自信過剰に推測していたのです」


「つまり、意見が対立した時、自分が考える相手の意見と相手が考える相手の意見には齟齬が生じているのです。しかも、相手の考えていることは分かっていると自信を持っている厄介さもあります」


「意見が対立した時、建設的な議論ができないのも納得です。だって自分が考えている相手の考えと、相手の考えには大きなズレがあるのですから」


「読者様は誰かと意見が対立したことはありませんか?」


「一旦相手の主張を聞くと思いますが、それで相手の考えを理解したとは思わないほうがいいです。実際には正しく認識できていない可能性が高いです」


「なので、意見が対立したら、相手の主張を根気よく聞きましょう。そして、自分の意見も相手に正しく認識してもらうために、詳細に話しましょう」


「お互いに誤解しまま議論してもいいことは起きません」


「建設的な議論をしたければ、相手の意見を正しく認識し、自分の意見を正しく認識してもらう必要があります」


「我々は今まで議論のスタートラインにすら立っていなかったのかもしれません」


「ということで今回のまとめです」


「研究者は250人以上のアメリカの成人を集めて意見について調査したよ。どんな意見を持っているか調べて、自分と同じ意見を持つ人、違う意見を持つ人を分けたよ。そして、色々な意見を持っている人の考えを推測してもらったよ」


「すると、人は自分とは違う意見を持つ人の考えをまったく推測できていなかったよ」


「同じ意見を持つ人の考えは正しく推測できたけど、違う意見だと無理みたい。その上、自分は正しく推測できていると自信たっぷりだったよ」


「意見が対立した時こそ、相手の主張に耳を傾けようね。そして自分の意見を誤解ないように伝えようね」


「結論を出すにはそれからだよ」


「案外、自分の意見というのは他人には伝わらないものです。本当に相手に理解してほしければ、懇切丁寧に説明するしかありません」


「でも、丁寧に説明するのって面倒なんですよね。これだけ言えば伝わるでしょう、って考えがダメなんでしょうね。説明をするなら一から十までしないと正しく伝わらないと思います」


「今回は『自分とは違う意見を正しく理解できないからもっとお互いに知る必要があるよね』でした。人生を変えたければ知識を集めよう」


「ありがとうございました。次回は『よく喋る人は認知能力が高いから喋りまくろう』です! バイバイ」

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